この記事でわかること
- 化粧品で言えるたるみの効能の範囲
- 塗ったコラーゲンが肌の上でしていること
- たるみのために毎日できること
頬やフェイスラインが下がってきた気がすると、リフトアップをうたうクリームやマッサージでなんとかなるのか気になりますよね。
結論から言うと、たるみは化粧品で引き上げられるものではありません。よく言われる3つの誤解を、ひとつずつ見ていきましょう。
誤解1:化粧品で言えるのは「肌にはりを与える」まで
塗るだけで引き上がったらうれしいですよね。でも、化粧品に、リフトアップや引き上げの効能はありません。国が決めた化粧品の効能は56項目で、たるみに近いのは「肌にはりを与える」「肌をひきしめる」だからです。
「ひきしめる」も、フェイスラインが上がるという意味ではありません。たるみは、角層よりずっと下の真皮で肌のはりが弱まることに、顔の脂肪や骨の変化が重なって起こります。化粧品が働くのは角層までです。
化粧品で言えるのは、はりを与えるところまでと覚えておきましょう。
誤解2:塗ったコラーゲンは、肌のコラーゲンにならない
塗ったコラーゲンは、肌のコラーゲンにはなりません。とても大きな成分で、肌の中へは入らず、表面で水分を抱えてうるおいを保つからです。
化粧品でいう「浸透」は、肌のいちばん外側の角層までの話です。小さく分けた加水分解コラーゲンも、保湿のために入っています。くわしくはコラーゲンの記事へ。
塗るコラーゲンは、うるおいを保つ保湿の成分です。
誤解3:引き上げは医療の話で、毎日の土台は紫外線対策
マッサージなら引き上がりそう、と思いますよね。引き上げをめざす施術は医師が行う医療の話で、毎日できるのは紫外線を防ぐことです。たるみの原因は、肌の表面よりずっと下の真皮や、顔の脂肪・骨にあるからです。
その真皮の線維を傷めるのが紫外線です。紫外線を長く浴び続けて肌の老化が速まることを光老化といい、頬のたるみもその症状のひとつに挙げられています。
日焼け止めは、枠で囲んだ流れの入り口の紫外線を減らします。
浴びる
傷む
たるむ
マッサージで引き上げようとするより、毎日の日焼け止めを土台にしましょう。
まとめ
- 化粧品で言えるのは「肌にはりを与える」などまでです
- たるみは、真皮のはりが弱まることに顔の脂肪や骨の変化が重なって起こります
- 塗ったコラーゲンは、表面でうるおいを保つ成分です
- 引き上げをめざす施術は、医師が行う医療の話です
- 毎日の土台は、紫外線を防ぐことです
化粧品の言葉の範囲を知って、紫外線対策を続けましょう。くわしくは肌のたるみの記事へ。
よくある質問
化粧品でたるみはリフトアップできますか?
できるとは言えません。化粧品で言えるのは「肌にはりを与える」などの範囲で、リフトアップや引き上げに当たる効能はありません。
コラーゲンを塗ると肌のコラーゲンは増えますか?
増えるわけではありません。塗るコラーゲンはとても大きな成分で、肌の表面にとどまって水分を抱え、うるおいを保ちます。
マッサージでたるみは引き上がりますか?
引き上げをめざす施術は、医師が行う医療の話です。たるみの原因は真皮や顔の脂肪・骨の変化にあり、毎日の手入れの土台は紫外線を防ぐことです。
この記事で参照した情報
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「たるみ」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「コラーゲン」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「加水分解コラーゲン」
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年 薬食発0721第1号)
- 日本化粧品工業会 適正広告研究部会「『化粧品等の適正広告ガイドライン』について」(京都府掲載の解説資料)
- 上出良一「光老化」日本皮膚科学会雑誌 122巻14号(2012年)
- Swift A, et al. The Facial Aging Process From the "Inside Out". Aesthetic Surgery Journal 2021;41(10):1107-1119
- 厚生労働省「医師免許を有しない者が行った高密度焦点式超音波を用いた施術について」(令和6年6月7日 医政医発0607第1号)