肌の悩みやさしい解説

肌のたるみをやさしく解説!顔が下がって見えるしくみとは?

あるコスメオタク・2026.09.28・更新 2026.10.21・肌の悩み
肌の悩みエイジング

この記事でわかること

  • 肌のたるみが起こる、皮膚と顔の土台の変化
  • 紫外線とたるみの関係と、化粧品で言える範囲
  • 表情筋トレーニング・美顔器・HIFUの注意点

鏡を見て、頬やフェイスラインが前より下がってきた気がすると、クリームやマッサージでなんとかなるのか気になりますよね。

結論から言うと、たるみは肌のハリが弱まることに、顔の中の脂肪や骨の変化が重なって起こるもので、化粧品で引き上げられるものではありません。毎日できることの中心は、たるみを進める紫外線を防ぐことです。まずは、たるみがどこで起きているかから見ていきましょう。

たるみは、肌と顔の土台の変化が重なって起こる

たるみは、皮膚のはりが失われることに、皮膚より下の脂肪や骨の変化が重なって起こります。年齢とともに皮膚のはりが失われ、垂れ下がってできる膨らみのことで、顔では目や口のまわり、頬の下に出やすく、顔以外ではおなかなどにも起こります。

たるみは、皮膚と顔の土台の変化が重なり、重力で目立つようになります。

紫外線や
年齢
真皮の線維と
顔の土台が
変わる
重力で
下がって
見える

皮膚の側でいちばん大きいのは、角層よりずっと下にある真皮の変化です。真皮は30歳代にもっとも厚く、その後は年齢とともに薄くなっていきます。真皮でハリを支えるのはコラーゲンとエラスチンという線維です。エラスチンは真皮の2〜4%ほどですが、押しても手を離せばすぐ元に戻る、弾性という性質をもっています。このエラスチンの線維が年齢とともに伸び縮みする力を失うことで、真皮は年とともに緩んでくると考えられています。

皮膚より下では、顔の骨が、その上にのる脂肪や筋肉などの土台になっています。この骨は年齢とともに後ろへ下がるように形を変え、支えが弱まっていきます。上あごの骨は頬骨より減りやすく、下あごでは一部が相対的にくぼむように変わることが、フェイスラインのもたつきが目立つ一因とされています。さらに、脂肪は決まった区画の中で位置がずれることがあり、顔の組織をつなぎとめている支持靭帯も弱まっていきます。皮下脂肪が増えることや、筋力が落ちることも原因として考えられています。

こうした変化が重なった顔に重力がかかって、たるみとして目に見えるようになります。ひとつの原因だけで説明できる悩みではない、と知っておくことが出発点です。

紫外線は真皮の線維を傷め、たるみを進める

年齢による変化の上に、紫外線による変化が上乗せされて、たるみは進みます。紫外線は、真皮でハリを支える線維を傷めるからです。

長いあいだ紫外線を浴び続けて、肌の老化がさらに速まる状態を光老化といいます。皮膚の老化を起こす環境の要因でいちばん大きいのは太陽の紫外線とされ、皮膚科の総説では、光老化の症状として、しみや深いシワとならんで頬のたるみが挙げられています。

日焼け止めは、枠で囲んだ流れの入口の紫外線を減らします。

紫外線を
浴びる
分解酵素が
増える
線維が
傷む
はりが
失われる

光老化では、UVBやUVAをきっかけに、肌の細胞でコラーゲンやエラスチンを分解する酵素が増え、真皮が傷みます。エラスチンの線維は異常に増えて変性し、コラーゲンの線維は大きく減ります。年齢による老化では皮膚が薄くなるのに対し、光老化では皮膚が厚くごわごわになり、張りを保つ弾性線維が壊れて団子のように固まるため、張りがなくなってシワやたるみができます。

UVAは真皮まで届くので「たるみの原因はUVA」と言われることがありますが、光老化全体で見ると、影響はUVBのほうが圧倒的に強いとされています。どちらも真皮を傷める酵素を増やすきっかけになるので、両方を防ぐことが大切です。光老化は防げるもので、紫外線を防ぐことで多少とも元に戻る可能性もあるとされています。実際に、日焼け止めを毎日塗ると、手の甲の肌の老化の進み方がゆるやかになったという結果があります。

たるみを進めないためには、UVAとUVBの両方を防ぐ毎日の紫外線対策が土台になります。

化粧品で言えるのは「肌にはりを与える」まで

化粧品で言えるのは「肌にはりを与える」などまでで、たるみを引き上げる効能はありません。化粧品が言える効能は、厚生労働省が定めた56項目の範囲に限られるからです。

たるみに近いのは、肌にはりを与える、皮膚の柔軟性を保つ、肌のキメを整える、肌をひきしめる、といった項目です。たるみ、リフトアップ、引き上げに当たる項目はありません。「肌の弾力を保つ」という言い方も、56項目の言葉ではありません。「肌をひきしめる」と書かれていても、フェイスラインが上がるという意味ではありません。

年齢を意識したお手入れを表すエイジングケアという言葉にも、枠があります。化粧品業界の広告の自主基準では、エイジングケアを化粧品の効能の範囲内で行う年齢に応じたお手入れとし、この言葉で若返りや老化防止、シワやたるみの防止をうたうことを不適切な例に挙げています。一方で、メイクで見た目を整える効果は、事実に反しない限り表現してよいことになっています。

薬用化粧品、つまり医薬部外品にも、たるみの効能はありません。ニールワンや純粋レチノールは、医薬部外品の有効成分として「シワを改善する」効能が認められていますが、これはシワの効能です。シワは皮膚の表面にできる溝のような筋、たるみは垂れ下がってできる膨らみで、真皮の変化がかかわる点は同じでも、形の違う悩みです。日焼け止めに入る紫外線防止剤も、化粧品として言えるのは「日やけを防ぐ」までです。

商品にたるみやリフトアップと書かれていても、化粧品や薬用化粧品として国が認めた効能ではないと覚えておくと選びやすくなります。

表情筋トレーニングは無理なく、美顔器は首に当てない

表情筋トレーニングは無理のない範囲で取り入れ、電気で筋肉を刺激する美顔器は首に当てないことが大切です。家庭用のEMS美顔器では、首まわりでの使い方による事故が起きているからです。

顔の筋肉を動かすトレーニングを続けると、見た目の年齢が若く評価され、頬のふっくら感が増したという結果があります。ただ、たるみの手入れの土台は、先ほどの紫外線対策です。

EMS美顔器については、消費者安全調査委員会が2024年4月、使用中に突然めまいのような状態になって転倒した例や、吐き気が出た例を挙げています。首への電気刺激や、首の太い血管の近くを強く押すことで、血管迷走神経反射という反応が起きた可能性が示されました。

首の近くに当てると失神して転倒し、頭などをけがすることがあります。首のまわりに押し当てたり、装着したりするのは避けましょう。

HIFUは医師が行う施術で、エステでの施術は医師法違反

HIFUは医師が医療機関で行う施術で、医師免許のない人が業として行えば医師法違反です。皮膚の深い場所を高温にする施術で、医師が行うのでなければ危害が生じるおそれがあるからです。

HIFUは、超音波をレンズで焦点を合わせるように、皮膚の表面から数ミリ深い場所に集めて、その部分を高温にするものです。厚生労働省は2024年6月の通知で、HIFUで細胞に熱による凝固を起こしうる行為は、医師免許のない人が業として行えば医師法第17条に違反するとしました。医師が行う場合も、病院や診療所などの医療提供施設で行うこととされています。2023年3月31日の時点で、美容目的で国に承認されたHIFU機器はありませんでした。

エステサロンなどでのHIFUでは、やけどや神経の損傷、顔に傷痕が残った例が報告されています。消費者安全調査委員会の2023年の報告書では、回復まで1か月以上かかった事故15件のうち8件が神経や感覚の障害でもっとも多く、事故の70%は顔で起きていました。原因は、出力が高く安全面で信頼性の低い機器を、解剖学や出力の調整の知識が足りない人が使ったことにあるとされ、口がまひした、3年たってもしびれが残っているという声も寄せられています。

医療機関での施術にも、副作用はあります。HIFUの副作用は一時的な赤みや腫れ、痛みが中心で、施術する人の技術と経験が大切な要因とされています。皮膚の下に糸を入れる糸リフトでは、腫れや内出血、痛み、糸が見えたり触れたりする、皮膚のへこみ、糸が出てくる、感覚の異常、感染などが報告されていて、現実的な期待をもつことの大切さが指摘されています。

美容医療サービスの相談は、国民生活センターのデータベースに登録された件数で、2023年度が6,281件、2024年度が10,744件、2025年度が7,944件でした。顔のリフトアップの施術で仕上がりが左右非対称になり、傷が残ったという例もあります。その場で契約や施術をせず、施術の前にリスクや副作用を確かめましょう。

まとめ

たるみはひとつの原因では説明できず、化粧品で引き上げるものでもありません。毎日の紫外線対策を土台に、言葉の範囲を知ったうえで、商品や施術を選んでみてください。

よくある質問

化粧品でたるみは引き上げられますか?

引き上げられるとは言えません。化粧品で言えるのは「肌にはりを与える」などの56項目の範囲で、たるみやリフトアップ、引き上げに当たる効能はありません。

「シワを改善する」薬用化粧品はたるみにも効きますか?

たるみの効能ではありません。医薬部外品で国が認めているのは「シワを改善する」という効能で、ニールワンや純粋レチノールもシワの効能として承認されたものです。

たるみの原因はUVAですか?

UVAだけではありません。UVAは真皮まで届きますが、光老化全体ではUVBの影響が圧倒的に強いとされ、どちらも真皮のコラーゲンやエラスチンを分解する酵素を増やすきっかけになります。

表情筋トレーニングはたるみに役立ちますか?

顔の筋肉を動かすトレーニングを続けると、見た目の年齢が若く評価され、頬のふっくら感が増したという結果があります。たるみの手入れの土台は紫外線対策で、EMS美顔器を使うときは首に当てないようにしましょう。

エステサロンでHIFUを受けても大丈夫ですか?

医師免許のない人が業として行えば医師法違反です。2024年の厚生労働省の通知で示されていて、エステサロンなどでの施術では、やけどや顔の神経の障害などの事故が報告されています。

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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