成分辞典やさしい解説

アルブチンをやさしく解説!α-アルブチンとβ-アルブチンの違いとは?

あるコスメオタク・2026.09.28・更新 2026.10.22・成分解説
肌の悩みシミ

しみ対策の化粧品で「アルブチン」や「α-アルブチン」という名前を見かけるけれど、何をしている成分なのか、2つは何が違うのか迷いますよね。

結論から言うと、アルブチンは、しみのもとになるメラニンが作られるところで働き、しみ・そばかすを防ぐ成分です。医薬部外品の有効成分として効能が認められているのはβ体の「アルブチン」で、できたしみをなくす成分ではありません。

しみは、紫外線でできたメラニンがたまってできる

しみは、紫外線を浴びて作られたメラニンという色の粒が、肌の細胞にたまってできます。表皮のいちばん下にある色素の細胞がメラニンを作り、まわりの細胞に渡すからです。

アルブチンが働くのは、色素の細胞がメラニンを作るところです。

紫外線でメラニンができる

まわりの細胞にたまってしみに

  • 紫外線
  • 色素の細胞(メラノサイト)
  • メラニン
  • アルブチンが働くところ

メラニンは本来、肌を紫外線から守るためのものですが、たまったまま残るとしみとして見えるようになります。流れ全体はしみができるしくみの記事でも解説しています。

アルブチンは、メラニンを作る酵素の入り口をふさぐ

アルブチンは、メラニンを作るチロシナーゼという酵素の働きをじゃまします。材料のチロシンが入る酵素のくぼみを、アルブチンがチロシンと取り合うからです。

アルブチンが材料の入る場所をふさぐので、メラニンができにくくなります。

ふだんは

アルブチンがあると

  • チロシナーゼ(メラニンを作る酵素)
  • チロシン(材料)
  • アルブチン
  • メラニン

アルブチンは、酵素をつくる遺伝子の働きは変えずに、酵素の働きだけを抑えていたという結果があります。こうした働きから、医薬部外品の有効成分として「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」効能が認められています。

たとえば、10%のアルブチン液を塗ると、紫外線による色素沈着が43.5%抑えられたという結果があります。3%のアルブチンを配合した化粧水・乳液・クリームを肝斑というタイプのしみに使うと、約7割で「やや有用」以上と判定されたという結果もあります。

α-アルブチンとβ-アルブチンは、出どころと立場が違う

α-アルブチンとβ-アルブチンは、出どころと、国の決まりの中での立場が違います。選ぶときに見分ける意味があるのは、この立場の違いです。

形の違いは、ハイドロキノンにブドウ糖をつなぐ向きだけです。

アルブチン(β体)コケモモなどの葉にふくまれる医薬部外品の有効成分
α-アルブチン酵素でブドウ糖をつないでつくる化粧品の原料

β体の「アルブチン」は、生薬のウワウルシにもふくまれ、日本薬局方ではアルブチンを7.0%以上ふくむものと決められています。α-アルブチンは化粧品として配合されるので、しみを防ぐ効能はうたえません。

強さについては、試験管の中で、α-アルブチンが人のチロシナーゼをβ体の10倍以上強くじゃましたという結果がある一方、β体のほうが強かったという結果もあります。しみを防ぐ効能で選ぶなら、「医薬部外品」の表示と、有効成分の名前を見ましょう。

肌の上でハイドロキノンに変わるのは、ごくわずか

アルブチンは、肌の上でごくわずかにハイドロキノンに変わることがあります。肌にすむ常在菌が、アルブチンのブドウ糖を切りはなすことがあるからです。

常在菌によってハイドロキノンに分解されたα-アルブチンは平均0.073%ほどでした。β体は、くり返し塗ったあと、皮膚の中のアルブチンとハイドロキノンのうち約4.6%がハイドロキノンとして見つかりました。製品の中でも、保管の温度や酸性の強さによってハイドロキノンが増えることがあります。

ヨーロッパはこうした点をふまえて、決めた濃度の上限までなら安全と判断しています。ハイドロキノンそのものについては、別の記事で解説しています。

かぶれはまれで、ヨーロッパには濃度の上限がある

アルブチンで肌がかぶれることはまれですが、かぶれた例は報告されています。3%のアルブチンが原因で、顔や首、腕にかゆみのある発疹が出た例があります。かゆみや赤みが出たら使うのをやめ、皮膚科でパッチテストを受けると、原因の成分を調べられます。

ヨーロッパでは、アルブチンは使ってよいけれど濃度に上限がある成分で、製品の中や肌の上で出てくるハイドロキノンの量をふまえて、次の上限が決められました。

ヨーロッパの化粧品規則で決められた、アルブチンの濃度の上限です。

β体 顔用クリーム 7% α体 顔用クリーム 2% α体 ボディローション 0.5%

あわせて、製品の中のハイドロキノンは、避けられないごくわずかな量を超えないことも決められました。上限に合わない製品は、2025年2月1日から新しく市場に出せず、2025年11月1日からは販売もできなくなっています。これはヨーロッパの上限で、日本の基準とは別のものです。

アルブチンは、できたしみをなくす成分ではない

「アルブチンでしみがなくなる」というのは誤解です。認められている効能は「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」で、これからできるしみを防ぐ予防の効能だからです。すでにあるしみが気になるときは、皮膚科に相談するのが近道です。

名前が似ていても、肌の色が白く抜ける症状が出て自主回収されたロドデノールは、アルブチンとは化学的に別の成分です。ただし日本皮膚科学会は、ロドデノールを含まないほかの化粧品でも、少数ながら肌の色が白く抜ける症状の報告があるとしています。肌の一部が白く抜けてきたと感じたら、使うのをやめて皮膚科に相談しましょう。しみ対策の成分の扱いもあわせて見てみてください。

まとめ

アルブチンは、しみを「防ぐ」成分です。医薬部外品かどうか、α体かβ体かを見て、目的に合わせて選んでみてください。

よくある質問

アルブチンでできたしみはなくなりますか?

できたしみをなくす効能はありません。医薬部外品の有効成分として認められているのは「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」という予防の効能です。

α-アルブチンとβ-アルブチンは何が違いますか?

ハイドロキノンとブドウ糖をつなぐ向きと、出どころが違います。医薬部外品の有効成分として知られる「アルブチン」は植物の葉にもふくまれるβ体で、α-アルブチンは酵素でつくる化粧品の原料です。

α-アルブチンはβ-アルブチンより10倍強いのですか?

試験管の中で、α体がβ体の10倍以上強く酵素をじゃましたという結果がある一方、β体のほうが強かったという結果もあります。しみを防ぐ効能で選ぶなら、医薬部外品の表示を見ましょう。

アルブチンは肌の上でハイドロキノンに変わりますか?

ごくわずかですが変わることがあります。人の試験では、分解されたα-アルブチンは平均0.073%ほどで、β体は、くり返し塗ったあと、皮膚の中のアルブチンとハイドロキノンのうち約4.6%がハイドロキノンでした。

ヨーロッパではアルブチンは禁止されていますか?

禁止ではなく、濃度に上限があります。顔用クリームでα体は2%、β体は7%まで、ボディローションでα体は0.5%までです。

この記事で参照した情報

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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