肌の基礎知識やさしい解説

表皮と真皮をやさしく解説!肌の3層それぞれの役割とは?

あるコスメオタク・2026.09.18・更新 2026.10.22・肌の基礎知識

この記事でわかること

  • 表皮・真皮・皮下組織、それぞれの厚さと役割
  • 真皮のコラーゲン線維・エラスチン線維・線維芽細胞のしくみ
  • 表皮と真皮がつながり、栄養をやりとりするしくみ

肌の説明でよく見かける「表皮」と「真皮」。聞いたことはあっても、どちらが上にあって、何をしている場所なのか、ちょっとわかりにくいですよね。

結論から言うと、表皮は体を「守る」層、真皮は肌を「支える」層です。肌は外側から表皮・真皮・皮下組織の3つの層でできていて、表皮は厚さ平均約0.2ミリ、真皮はその約15〜40倍の厚さがあります。まずは、3つの層の並び方から見ていきましょう。

肌は、表皮・真皮・皮下組織の3つの層でできている

肌は、外側から表皮・真皮・皮下組織の3つの層が重なってできています。そこに血管やリンパ管、皮脂腺、汗腺、毛包などの付属器(皮膚に組みこまれた器官)が埋まっています。

真皮の厚さは、表皮の約15〜40倍です。

表皮 約0.2ミリ 真皮 皮下 組織 1 2 3 4 5 6
  1. 1角層 表皮のいちばん上。0.01〜0.02ミリ
  2. 2基底層 表皮のいちばん下。新しい細胞が生まれる
  3. 3コラーゲンなどの線維 肌の弾力と強さを生む
  4. 4毛細血管 栄養や酸素を運ぶ。表皮にはない
  5. 5汗腺 汗を出す。皮脂腺も真皮にある
  6. 6皮下脂肪 衝撃をやわらげ、体を保温する

肌の厚さは成人の平均で約2ミリ、一枚に広げると約1.6平方メートルと畳1枚分ほどになり、重さは皮下組織も含めると体重の約16%にもなります。肌が人体でいちばん重い臓器と呼ばれるのはこのためです。

肌のおもな働きは、体の水分が失われるのを防ぐこと、体温の調節、微生物や物理的・化学的な刺激から体を守ること、感覚を受け取ることです。この働きを、3つの層が分担しています。くわしい全体図は皮膚の構造の記事で解説しています。

表皮は約0.2ミリの薄い層で、体を「守る」

いちばん外側の表皮は、体を外の世界から守る層です。外からの刺激が入りこむのを防ぎ、体の水分が逃げていくのも防いでいるからです。厚さは平均約0.2ミリしかありません。

表皮は、真皮に接した下の側から基底層・有棘層・顆粒層・角層の4層でできています。細胞の95%はケラチノサイト(角化細胞。表皮の主役の細胞)で、基底層で生まれ、上へ押し上げられながら形を変え、最後に角層になってはがれ落ちます。くわしくは表皮の4層の記事で解説しています。

守る仕事の中心は、いちばん上の角層です。厚さ10〜20マイクロメートルの薄い層ですが、水をほとんど通さず、大半の細菌やウイルスが入りこむのを防いでいます。その守りを、次の3つの要素が支えています。

角層は、この3つで水分を保っています。

角層の下の表皮 1 2 3
  1. 1皮脂膜 肌の表面をおおう、皮脂と汗の膜
  2. 2天然保湿因子 角層の細胞の中で、水を抱える
  3. 3細胞間脂質 細胞のすき間を埋めて、水分を逃がさない。約50%はセラミド

基底層にはメラノサイト(色素細胞)もいて、紫外線による遺伝子の傷を防ぐメラニンをつくっています。ほかにも、免疫に関わるランゲルハンス細胞や、感覚に関わるメルケル細胞が表皮にいます。表皮は、薄い層の中で、体を守る仕事をまとめて引き受けている層です。

真皮は表皮の約15〜40倍の厚さで、肌を「支える」

表皮の下にある真皮は、肌の弾力や強さを生み出して、肌を支える層です。コラーゲン線維を中心に、エラスチン線維や、ヒアルロン酸などの基質がつまっているからです。

真皮は、線維と基質でできています。

表皮 乳頭層 網状層 1 2 3 4 5
  1. 1コラーゲン線維 真皮の乾燥重量の約70%。網状層では太い束になる
  2. 2エラスチン線維 コラーゲン線維のあいだを走り、のび縮みする
  3. 3線維芽細胞 線維と基質をつくる細胞
  4. 4基質 線維のすき間を満たす。ヒアルロン酸が水を抱える
  5. 5毛細血管 乳頭層までのぼり、ループをえがいて戻る

コラーゲン線維(膠原線維)は真皮の乾燥重量の約70%を占め、その約80%がⅠ型、約15%がⅢ型と呼ばれる種類のコラーゲンです。エラスチン線維(弾性線維)は直径1〜3マイクロメートルの細い線維で、肌がのび縮みできるのはこの線維のおかげです。

線維のすき間を満たす基質は、プロテオグリカン(たんぱく質に糖の鎖がついた大きな分子)や糖タンパク質でできています。そのおもな成分のひとつがヒアルロン酸で、真皮の中で水を抱える役目をしています。真皮は、線維が骨組みをつくり、基質が水を抱えて肌を「支える」層です。

真皮には、線維をつくる細胞と体を守る細胞がいる

真皮の細胞の主役は、線維と基質をつくる線維芽細胞です。コラーゲン線維もエラスチン線維も、基質の成分も、この細胞がつくり出しているからです。

線維芽細胞(真皮で線維をつくる細胞)は、線維や基質をつくるだけでなく、それらの分解と生成のバランスも調整しています。成熟すると線維細胞と呼ばれる形になり、働きを止めます。

ほかにも、真皮には体を守る細胞がいます。組織球(マクロファージの一種)はおもに血管のまわりにいて、入ってきた異物を取り込みます。肥満細胞(マスト細胞)は、ヒスタミンなどの化学伝達物質を含む粒をたくさんもち、刺激を受けるとそれを放出します。真皮は、線維の土台であると同時に、細胞が働く場所でもあります。

表皮と真皮は、基底膜という薄い膜でしっかりつながり、表皮は真皮の血管から栄養をもらっています。表皮には血管がないからです。

境目の基底膜の中心になる基底板は、厚さ60〜80ナノメートルの膜です。その下では係留線維(基底板と真皮をつなぐ細い線維)が、基底板と真皮のⅠ型・Ⅲ型コラーゲンを強く結びつけています。表皮と真皮の境目は平らではなく、真皮が乳頭と呼ばれる突起になって、表皮の側に入りこんでいます。

真皮の血管は、深い層と乳頭の下の2か所で網の目をつくり、毛細血管が乳頭層までのぼってループをえがいてから戻ります。こうして、表皮は真皮の毛細血管から栄養や酸素を受け取っているのです。

皮下組織は、クッションと断熱の層

いちばん下の皮下組織は、体のクッションと断熱を受けもつ層です。大部分が脂肪組織で、脂肪は脂肪細胞にたくわえられ、線維でつなぎとめられています。

役割は、外からの衝撃をやわらげるクッション、外の暑さや寒さから体を守る断熱、エネルギーを脂肪のかたちでたくわえることの3つです。厚さは場所によって大きく違い、まぶたではとても薄く、おなかやおしりでは5〜10センチに達する人もいます。

表皮が守り、真皮が支え、皮下組織が体をやわらかく包んでいる、という分担です。

まとめ

守る表皮、支える真皮。この2つを押さえておくと、肌の話がどの層の話なのかがはっきりします。

よくある質問

表皮と真皮の違いは?

表皮は外からの刺激や水分の蒸発を防ぐ「守る」層、真皮はコラーゲンなどの線維で肌の弾力と強さを生む「支える」層です。

表皮と真皮の厚さはどのくらい?

表皮は平均約0.2ミリで、真皮はその約15〜40倍の厚さがあります。皮膚の厚さの大部分は真皮です。

真皮のコラーゲンは何がつくっている?

真皮にいる線維芽細胞です。コラーゲン線維のほか、エラスチン線維や、ヒアルロン酸などの基質の成分もつくっています。

表皮に血管はある?

ありません。表皮は、真皮の乳頭層までのぼってくる毛細血管から、栄養や酸素をもらっています。

エラスチン線維は何をしている?

肌がのび縮みできるようにしています。コラーゲン線維のあいだを走る、直径1〜3マイクロメートルの細い線維です。

この記事が入っているテーマ別まとめ

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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