肌の基礎知識やさしい解説

真皮をやさしく解説!肌を下から支える層のしくみとは?

あるコスメオタク・2026.10.22・肌の基礎知識

「真皮」という言葉はよく聞くけれど、肌のどこにあって、何でできているのかは、ぼんやりしていると思いますよね。

結論から言うと、真皮は表皮のすぐ下にある、肌の弾力と強さを生み出す層です。中身の大部分はコラーゲンでできた線維で、線維のすき間をゼリー状の基質が満たし、それらを線維芽細胞(真皮で線維をつくる細胞)がつくっています。場所、厚さ、上と下の層のちがい、中身の順に見ていきましょう。

真皮は、表皮と皮下組織のあいだで肌を支える層

真皮は、表皮と皮下組織のあいだにある結合組織(体の組織どうしをつなぎ、支える組織)です。皮膚の弾力や強さは、おもにこの層が受けもっています。

表皮と真皮の境目は平らではなく、波のようにうねっています。表皮が下に入りこんだ部分を表皮突起、真皮が上へ突き出した部分を真皮乳頭と呼びます。境目には基底膜(表皮と真皮をつなぐ薄い膜)があり、上下をへだてています。この凹凸は、年齢とともに平らになっていきます。

真皮には血管やリンパ管、神経が通り、毛包・汗腺・皮脂腺もここにあります。神経の終わりの部分は、痛み・触れた感じ・圧力・温度を感じとっています。真皮は、肌を下から支えながら、血管や神経の通り道にもなっている層です。

真皮の厚さは平均約1.4ミリで、表皮よりずっと厚い

真皮の厚さは体の部位によって異なり、平均すると約1.4ミリです。表皮は平均約0.2ミリ、そのいちばん上の角層は約0.01〜0.02ミリなので、皮膚の厚みのほとんどは真皮が占めています。

角層・表皮・真皮の厚さの比較。

0ミリ 0.5 1.0 1.5 角層 約0.01〜0.02ミリ 表皮 約0.2ミリ 真皮 平均約1.4ミリ

真皮の中でも、厚みの大部分を占めるのは下側の網状層です。皮膚の厚みは、ほとんどが真皮の厚みと考えてよいでしょう。

上の乳頭層は線維がまばら、下の網状層は線維がぎっしり

真皮は上から、乳頭層・乳頭下層・網状層の3つに分けられます。上と下で、線維の太さや詰まり方がちがうからです。

乳頭層は、表皮突起のあいだに入りこんでいる部分です。線維はまばらで、毛細血管や、感覚を伝える神経の末端、細胞が多く集まっています。ここのコラーゲン線維は、比較的細い線維です。すぐ下の乳頭下層も、中身は乳頭層と同じです。

その下の網状層は、真皮の大部分を占める層です。太いコラーゲン線維の束が密に詰まり、そのあいだをエラスチン線維が走っています。下は皮下脂肪組織に接していて、血管と神経が通っています。

真皮の断面の模式図。

表皮 乳頭層 乳頭下層 網状層 皮下組織 毛細血管 細い線維 コラーゲン線維の束 エラスチン線維 線維芽細胞

線維がまばらでやわらかい上の層と、線維がぎっしり詰まった丈夫な下の層。真皮は、性質のちがう2つの層が重なってできています。

真皮の中身の大部分は、コラーゲンでできた線維

真皮の乾燥重量(水分を除いた重さ)の約70〜75%は、コラーゲンというたんぱく質です。真皮の線維のうち90%以上はコラーゲン線維で、エラスチン線維は数%です。

2つの線維は性質がちがいます。コラーゲン線維の束は太さ2〜15マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリ)で、引っぱる力に強い反面、あまり伸びません。エラスチン線維は太さ1〜3マイクロメートルで、強さではコラーゲン線維に及びませんが、伸び縮みする弾力があります。強さと弾力を、2つの線維で分担しているのです。

線維の並び方を調べた研究では、コラーゲン線維は網の目のように交差して並び、エラスチン線維はコラーゲン線維の束に沿って同じ向きに走っていた、という結果があります。くわしくはコラーゲン線維とエラスチン線維の記事で解説しています。真皮の強さは、おもにコラーゲン線維がつくっています。

線維のすき間は、水を抱える基質が埋めている

細胞や線維のあいだのすき間は、基質と呼ばれる成分が埋めています。基質は水分を抱えこみ、線維を安定させる役目をもっています。

基質の主な成分は、プロテオグリカン(たんぱく質に長い糖の鎖がたくさんついた大きな分子)と、糖たんぱく質です。真皮の糖の鎖の主な成分はヒアルロン酸とデルマタン硫酸で、ヒアルロン酸は水分を保つこと、デルマタン硫酸は線維を支えることにかかわっています。

線維と基質をまとめて、細胞外マトリックス(細胞の外を満たす物質)と呼びます。以前は体を支えるだけの物と考えられていましたが、今は細胞の働きや増え方、移動にもかかわると考えられています。基質は、すき間を埋めて水を抱え、線維を安定させています。

真皮の細胞の主役は、線維芽細胞

真皮の線維や基質をつくっているのは、線維芽細胞です。コラーゲンやエラスチンのもとになる物質や、ヒアルロン酸などの糖の鎖をつくり、細胞の外に送り出しています。

ほかにも、真皮には2種類の細胞がいます。マクロファージ(組織球とも呼ばれる、異物を取りこむ細胞)は、異物を処理し、炎症や免疫の調節にかかわります。マスト細胞(肥満細胞とも呼ばれる細胞)は、毛細血管や神経のまわりにいて、ヒスタミンなどを含む粒をもち、アレルギーなどの反応の一因になります。

線維芽細胞の形や働きは、線維芽細胞の記事でくわしく見ていきます。真皮は、線維芽細胞がつくった線維と基質に、体を守る細胞が加わってできている層です。

まとめ

真皮は、線維と基質と細胞でできた、肌の土台です。表皮のしくみとあわせて読むと、肌全体の組み立てが見えてきます。

よくある質問

真皮とは何?

表皮の下にある、肌の弾力と強さを生む層です。コラーゲンなどの線維と、すき間を埋める基質、線維芽細胞などの細胞でできています。

真皮の厚さはどのくらい?

平均すると約1.4ミリです。厚さは体の部位によってちがい、平均約0.2ミリの表皮よりずっと厚い層です。

乳頭層と網状層のちがいは?

線維の太さと詰まり方がちがいます。上の乳頭層は線維がまばらで毛細血管や細胞が多く、下の網状層は太いコラーゲン線維の束が密に詰まっています。

真皮は何でできている?

乾燥重量の約70〜75%がコラーゲンです。ほかに、エラスチン線維、ヒアルロン酸などの基質、線維芽細胞などの細胞があります。

真皮にはどんな細胞がいる?

主役は、線維や基質をつくる線維芽細胞です。ほかに、異物を処理するマクロファージや、ヒスタミンなどを含む粒をもつマスト細胞がいます。

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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