成分辞典ルール解説

グルタチオンを解説!白玉点滴と化粧品の違いとは?

あるコスメオタク・2026.09.17・更新 2026.10.21・成分解説
肌の悩みシミ

美容クリニックの「白玉点滴」と、韓国コスメの美容液に入っているグルタチオン。同じ成分なら、塗っても同じように肌が明るくなるのか気になりますよね。

結論から言うと、グルタチオンは飲む・打つ・塗るで法律上の扱いが違い、できることも別です。塗る化粧品のグルタチオンは、「しみ・そばかすを防ぐ」とうたえる成分ではありません。まずは、どんな成分なのかから見ていきましょう。

グルタチオンは、体の中にもある3つのアミノ酸のつながり

グルタチオンは、グルタミン酸・システイン・グリシンという3つのアミノ酸がこの順につながったトリペプチドです。化粧品のための新しい成分ではなく、もともと生き物の体の中にある物質です。

酵母や、動物の肝臓・筋肉に多く含まれています。体の中では、酸化と還元という反応に関わり、還元型のグルタチオンには、体に入った物質の毒を弱める働きがあります。

同じグルタチオンでも、飲む・打つ・塗るで法律上の扱いが違います。

飲む

医薬品の飲み薬

打つ

医薬品の注射薬

塗る

化粧品の美容液など

グルタチオンは、医薬品の飲み薬と注射薬、そして化粧品の3つの形で使われています。名前は同じでも、どの形かによって、法律上の扱いも、言えることも違うのです。ここを混ぜて説明している情報も多いので、気をつけましょう。

しみは、紫外線でできたメラニンがたまってできる

しみは、紫外線を浴びて作られたメラニンという色の粒が、肌の細胞にたまってできます。グルタチオンとしみの関係を考えるには、まずこの流れを知っておくとわかりやすいです。

しみは、紫外線を浴びてできたメラニンが、肌の細胞にたまってできます。

紫外線を
浴びる
メラニンが
できる
まわりに
渡される
たまって
しみになる

紫外線を浴びると、メラニンが作られ、まわりの細胞に渡されてたまり、しみになります。肌に塗るもので、この流れに働いて「メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ」とうたえるのは、承認された有効成分を含む医薬部外品だけです。

グルタチオンは、メラニンができるのを抑える働きが研究されてきた成分です。ただ、安定性に課題がある成分でもあります。しみが気になるなら、まずは流れの入り口の紫外線を防ぐことがいちばんの土台です。

塗る化粧品のグルタチオンは、「しみを防ぐ」とはうたえない

グルタチオンを配合した化粧品は、「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」とはうたえません。グルタチオンは、医薬部外品の有効成分として承認されていないからです。

厚生労働省の化粧品基準では、グルタチオンは配合禁止成分にも配合制限成分にも入っていないので、化粧品に入れることはできます。成分表示名も、そのまま「グルタチオン」です。ただ、いわゆる薬用化粧品の有効成分リストにはグルタチオンの名前がなく、「美白」とも書けません。

そのため、製品をよく見ると「透明感」「うるおい」といった、一般の化粧品の範囲の言い回しになっています。成分名だけで選ばず、処方全体や使い心地で選ぶのがよさそうです。

肌の色に関わる効能があるのは、注射薬だけ

医薬品なら、飲んでも打っても同じだと思いますよね。でも、グルタチオンの医薬品で、肌の色に関わる効能が承認されているのは注射薬だけです。剤形によって、承認された効能・効果の中身がまるで違うからです。

グルタチオンは日本の薬の公定書である日本薬局方に載っていて、医療用医薬品としても使われています。添付文書の効能・効果を並べると、次のようになります。

剤形承認されている効能・効果(添付文書より)
飲み薬「薬物中毒/アセトン血性嘔吐症(自家中毒、周期性嘔吐症)/金属中毒/妊娠悪阻/妊娠高血圧症候群」
注射薬「薬物中毒/アセトン血性嘔吐症/慢性肝疾患における肝機能の改善/急性湿疹、慢性湿疹、皮膚炎、じんま疹、リール黒皮症、肝斑、炎症後の色素沈着/妊娠悪阻/妊娠高血圧症候群/角膜損傷の治癒促進/放射線療法による白血球減少症、放射線宿酔、放射線による口腔粘膜の炎症」

注射薬の効能も、「肌を白くする」ことではなく、肝斑などの病気の名前に対するものです。「医薬品だから肌が白くなる」という説明は、剤形をまぜた言い方で、正確には注射薬に特定の色素の病気への効能があり、飲み薬にはないということです。

飲み薬の効能に、肌の色に関わるものはない

グルタチオンの飲み薬で承認されている効能に、肌の色に関わるものはありません。先ほどの表のとおり、飲み薬の効能は薬物中毒や妊娠悪阻などです。

飲むグルタチオンについては、毎日飲み続けると、血液や体の組織の中のグルタチオンの量が増えたという結果があります。ただ、体の中の量が増えることと、肌の色が変わることは別の話です。

しみや肝斑が気になって飲むものを考えているなら、自分で選ぶ前に皮膚科で相談するのが安心です。

白玉点滴は、承認された量をこえることもある自由診療

白玉点滴は保険のきかない自由診療で、承認された量をこえる量で行われることもあります。健康な人が肌を明るく見せる目的で受ける施術は、病気の治療ではなく、医師の裁量で行われるからです。

注射薬の承認された用法・用量は1回100〜200mgですが、クリニックのメニューでは600mg・1200mgといった単位も珍しくありません。厚生労働省の美容医療の検討会の報告書も、美容医療は保険の適用されない自由診療として提供される、としています。

クリニックのメニューには、承認された1回の量の数倍のものもあります。

承認された1回の量 100〜200mg メニューの例 600mg メニューの例 1200mg

承認された量の数倍で行われるのは、違法という話ではなく、自由診療だということです。ちなみに、日本皮膚科学会をはじめとする5学会の美容医療診療指針で、しみ・肝斑の章が取り上げているのは、紫外線を避けること、医薬部外品などの塗るもの、飲み薬、レーザー、光治療です。

受けるときは、承認された使い方の範囲で行われているわけではないという前提を知っておきましょう。

個人輸入のグルタチオンには、手を出さない

海外から個人輸入したグルタチオンの製品には、手を出さないほうがいいです。個人輸入した製品は、品質・有効性・安全性について国内の法的規制を受けないからです。

国民生活センターは、個人輸入した医薬品や化粧品への注意を呼びかけていて、未承認の医薬品成分が入っていたり、国内の基準をこえる量が配合されていたりするおそれがあるとしています。相談事例には、20代の女性がインターネットで買った、肌を白くするとうたうクリームを使ったところ、かぶれて色素沈着がより強くなったというケースがあります。化粧品だと思われていたその製品は、実際には医師の処方が必要な医薬品成分を含み、本来は顔に使ってはいけない成分でした。

海外でも、ある国の食品医薬品局が、肌を白くする目的で注射用グルタチオンを使うことに警告を出しています。その国では、がんの治療の補助としてだけ医薬品として承認されていて、肌を白くする目的の使い方は承認されていない、という内容です。

手軽に買えても、中身を確かめられないものは使わないと決めておくと安心です。

まとめ

「医薬品でもある成分」と聞くと強そうに感じますが、実際に何が承認されているのかを見ると、思っていた話と違うことがあります。成分名の強さではなく、どの形で何が認められているのかで判断しましょう。

よくある質問

白玉点滴と化粧品のグルタチオンは同じ?

同じ成分ですが、打つ・飲む・塗るで法律上の扱いがまったく違います。注射や飲み薬は医薬品、塗るものは化粧品で、できることも別です。

グルタチオン配合の化粧品で、しみは防げる?

「しみ・そばかすを防ぐ」とうたえるのは、承認された有効成分を含む医薬部外品です。グルタチオンはその有効成分ではないので、化粧品では「透明感」「うるおい」といった一般の化粧品の範囲の表現になります。

グルタチオンを飲むと肌は白くなる?

飲み薬として承認されている効能に、肌の色に関わるものはありません。毎日飲むと体の中のグルタチオンの量が増えたという結果はありますが、体の中の量と肌の色は別の話です。

白玉点滴は承認された使い方?

保険のきかない自由診療で、医師の裁量で行われます。承認された用量は1回100〜200ミリグラムですが、クリニックでは600や1200ミリグラムの単位も珍しくありません。

グルタチオンを海外から個人輸入してもいい?

手を出さないほうがいいです。個人輸入した製品は国内の法的規制を受けず、未承認の医薬品成分が入っていたり、国内基準をこえる量が配合されていたりするおそれがあります。

あるコスメオタクの写真

この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

ひとことメモ:仕上がりや使用感には個人差があります。記載内容はブランドが公表している情報、および実際に使用した際の内容に基づくものです。

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