この記事でわかること
- ドクダミと白樺が化粧品に入っている目的
- シカ・ドクダミ・白樺の植物としての違い
- 植物由来のアイテムを使い始めるときの注意
ドクダミや白樺入りのアイテムは「肌を落ち着かせる」と紹介されることが多くて、シカと何が違うのか、本当に肌にいいのか迷いますよね。
結論から言うと、化粧品のドクダミと白樺は、肌にうるおいを与える目的で入っている植物の成分です。シカとひとまとめにされがちですが、3つはまったく別の植物で、「鎮静」は化粧品でうたえる効能ではありません。
化粧品のドクダミと白樺は、うるおいを与えるために入っている
化粧品のドクダミエキスや白樺のエキス・樹液は、肌にうるおいを与え、すこやかに保つ範囲で使われる成分です。化粧品として書ける効能は決まっていて、「皮膚にうるおいを与える」「皮膚をすこやかに保つ」などがその範囲だからです。
ここでいう「うるおい」は、肌のいちばん外側の角層の話です。角層は、表面をおおう皮脂膜、細胞の中で水を抱える天然保湿因子、細胞のすき間を埋める細胞間脂質の3つでうるおいを保っています。細胞間脂質の約50%はセラミドです。
角層は、この3つの要素でうるおいを保っています。
- 1皮脂膜 肌の表面をおおう、皮脂と汗の膜
- 2天然保湿因子 角層の細胞の中で、水を抱える
- 3細胞間脂質 細胞のすき間を埋めて、水分を逃がさない。約50%はセラミド
乾燥は、この角層の水分が減った状態です。ドクダミや白樺の成分は、化粧品として角層にうるおいを与えるもので、乾燥が気になるときの保湿成分のひとつと考えるのが自然です。売り場で見かける「鎮静系」という言葉は、化粧品の効能の範囲には含まれていません。
シカ・ドクダミ・白樺は、植物の「科」が全部ちがう
一緒に語られやすいシカ・ドクダミ・白樺は、植物の「科」がすべて違う、別々の植物です。植物は「科」という大きなグループで分けられていて、この3つは同じグループに入らないからです。
| 通称 | 科 | 植物の形 |
|---|---|---|
| シカ(ツボクサ) | セリ科 | 草 |
| ドクダミ | ドクダミ科 | 草 |
| 白樺(シラカンバ) | カバノキ科 | 木 |
シカのもとになるツボクサはセリ科の草、ドクダミはドクダミ科の草、白樺はカバノキ科の木です。含まれる成分も、昔からの使われ方もそれぞれ違います。
「鎮静系」というくくりは、植物としての共通点ではなく、売り方のうえでのまとめ方だと思っておくと迷いません。
ドクダミは生薬「十薬」。薬草の使い方と化粧品は分けて考える
ドクダミは薬草として長い歴史がありますが、化粧品としての働きとは分けて考えます。薬として使う場合と化粧品に入れる場合では、決まりも、うたえることも違うからです。
ドクダミは、道ばたや庭先でよく見かける、独特のにおいをもつ多年草で、ハート形の葉が特徴です。生薬としての名前は「十薬」、読みはジュウヤクで、日本薬局方に載っています。花の時期の地上部が、昔から利尿薬や消炎薬として使われてきました。「ドクダミ茶」として飲まれてきたのも、この薬草としての使い方の延長です。
含まれる成分には、においのもとでもあるデカノイルアセトアルデヒドや、クエルセチンなどのフラボノイドがあります。化粧品の成分表示では「ドクダミエキス」などと書かれ、化粧品としては「うるおいを与える」範囲で使われます。
白樺は、樹皮のエキスと樹液が使われる
化粧品に使われる白樺は、主に樹皮から取るエキスと、幹から採れる樹液の2つです。どちらも保湿などの目的で入っています。
白樺は、植物の名前ではシラカンバといい、白い樹皮が特徴のカバノキ科の落葉樹です。北海道や本州中部より北、アジアの北東部に分布しています。
樹皮から取るシラカンバ樹皮エキスは、ベツリンやベツリン酸、カテキンなどを含みます。もうひとつのシラカンバ樹液は、春に幹から採れる樹液で、韓国コスメでは白樺の樹液を掲げた保湿アイテムをよく見かけます。成分表示で見分けるときは、この2つの名前を探しましょう。
植物由来でも、腕で試してから顔に使う
植物由来の成分でも、新しいアイテムは腕の内側などで試してから顔に使いましょう。植物の成分でも、誰の肌にも刺激がないわけではないからです。
「植物由来」「自然派」と聞くと安心しますよね。でも、植物エキスには種類によってアレルギーの報告があるものもあります。たとえばツボクサはセリ科なので、セリ科のアレルギーがある人は注意が必要とされています。
新しい植物エキス入りのアイテムは、この順番で試してから使いましょう。
少し塗る
様子を見る
出ない
使う
赤みやかゆみが出たら、そのアイテムは使わないようにします。この基本は、ドクダミや白樺だけでなく、どの植物成分でも変わりません。
まとめ
- 化粧品のドクダミや白樺は、角層にうるおいを与える目的で使われます
- シカ(ツボクサ)・ドクダミ・白樺は、科が全部ちがう別々の植物です
- ドクダミは生薬「十薬」として日本薬局方に載る薬草ですが、化粧品の働きとは分けて考えます
- 白樺は、樹皮エキスと樹液が化粧品に使われます
- 植物由来でも、腕の内側などで試してから顔に使いましょう
名前のイメージより「どんな植物の、どの部分か」で見ると、成分表示が読みやすくなります。
よくある質問
ドクダミ・白樺・シカは同じ系統の成分ですか?
植物としては別々です。シカ(ツボクサ)はセリ科の草、ドクダミはドクダミ科の草、白樺はカバノキ科の木で、「鎮静系」は売り方のうえでのまとめ方です。
化粧品で「鎮静」とうたえますか?
うたえません。化粧品として書ける効能は決まった範囲で、「皮膚にうるおいを与える」「皮膚をすこやかに保つ」などです。「鎮静」は含まれていません。
ドクダミは薬なのですか?
生薬「十薬(ジュウヤク)」として日本薬局方に載っている薬草です。昔から利尿薬や消炎薬として使われてきましたが、化粧品としての働きとは分けて考えます。
白樺は、化粧品にどう使われていますか?
樹皮エキスと樹液が使われます。シラカンバ樹皮エキスや、春に幹から採れるシラカンバ樹液が、保湿などの目的で入っています。
植物由来なら、肌にやさしいですか?
植物由来でも、誰の肌にも刺激がないわけではありません。植物エキスには種類によってアレルギーの報告があります。新しいアイテムは、まず腕の内側などで試してから顔に使いましょう。