この記事でわかること
- 目の下のくまが暗く見える理由
- 青くま・茶くま・黒くまの見分け方
- 化粧品でできることと皮膚科に行く目安
鏡を見るたびに目の下のくまが気になって、寝不足のせいなのか、何を塗れば目立たなくなるのか迷いますよね。
結論から言うと、くまは薄い目の下の皮膚から、血液の色やメラニンの色、たるみの影が見えている状態で、化粧品で確かにできるのはコンシーラーなどのメイクで目立たなく見せることです。くまへの効能をうたえる化粧品は、薬用のものも含めてありません。まずは、なぜ目の下が暗く見えるのかから見ていきましょう。
くまは、薄いまぶたの皮膚から色や影が見えている状態
くまが目立つのは、目のまわりの皮膚がとても薄く、下にある色や影が表に映りやすいからです。くまとは、上下のまぶたやその一部が黒みがかって見える状態のことで、主な要因は皮膚の血流の滞りと色素沈着だと考えられています。
まぶたの皮膚は体の中でもっとも薄く、その下の組織も細く粗く、伸び縮みしやすいのでよく動きます。汗腺がなく、皮脂腺も小さなものがわずかしかありません。顔の皮膚の厚さを測ると、真皮がもっとも薄かったのは上まぶたの内側で約0.76mm、もっとも厚かったのは鼻の側面の下のほうで約1.97mmという結果があります。薄くて少し透ける皮膚は、その下の細かい血管の網や、目を囲む筋肉の色をほとんど隠せません。
くまは、薄い皮膚を通して、下にあるものが見えている状態なのです。
くまは、血液の色・メラニンの色・影の3つに分けられる
くまは、原因によって、血液の色による青くま、メラニンの色による茶くま、たるみの影による黒くまの3つに分けて呼ばれます。この3つは、化粧品の売り場でよく使われる呼び名です。皮膚科の研究でも、血管型、色素型、構造型、いくつかが重なった混合型という、似た分け方がされています。
青くまは、目の下の毛細血管に滞った血液が、薄い皮膚から透けて青黒く見えるものです。血流が滞ると流れが遅くなり、皮膚の中の血液の量が増えて、血液中の酸素が少ない状態になります。実際にくまの部分を測ると、周りより皮膚が暗く、表面近くの血液が多く、流れが遅いという結果があります。
青くまは、目の下にたまった血液の色が、薄い皮膚から透けて見えるものです。
滞る
たまる
から透ける
茶くまは、紫外線によるメラニンの増加や、こすれによる色素沈着が原因のものです。皮膚のメラニンの量を測ると、見分けやすいとされています。
茶くまは、紫外線やこすれでできたメラニンが残って、茶色く見えるものです。
こすれ
できる
残る
黒くまは、年齢による変化でできる影です。皮膚のハリが失われて垂れ下がると、目の下がふくらんだ状態になります。さらに年齢とともに目のまわりの骨のふちが後ろに下がり、頬の骨の量も減ると、目頭の下あたりのくぼみが深くなって影が強まります。
同じ「くま」でも、血液の色が透けているのか、メラニンの色が残っているのか、影なのかで、正体が違うのです。
見分けるときは、下まぶたを指で軽く引き伸ばす
自分のくまがどれなのか、気になりますよね。見分ける手がかりは、下まぶたの皮膚を指で軽く引き伸ばしてみることです。本当の色素沈着か影かを見分ける助けになるとされています。
横に引っ張って薄くなれば青くま、変わらなければ茶くま、上を向いたりたるみを持ち上げたりして目立たなくなれば黒くまの可能性があります。真上からの照明ではくまが目立ちやすく、正面からの光では目立ちにくくなることもあるので、鏡を見るときの明かりにも気をつけましょう。
いくつかのタイプが重なっていることもあるので、目安として使うくらいがちょうどいいです。
こすらないことが、どのくまにも共通の対策
目のまわりをこすったりかいたりしないことは、どのくまにも共通の対策です。アトピー性皮膚炎やかぶれで目もとがかゆいとついこすってしまい、炎症のあとに色素沈着が残ることがあるからです。
くまには、遺伝的な体質も関わると考えられています。まぶたはスポンジのように水分をため込みやすく、アレルギーなどでむくむことも原因に挙げられています。まぶたのむくみは、塩分の多い食事のあとや朝に強くなりやすいとされています。
寝不足のせいだと思う人も多いと思います。実際に、徹夜のあとの顔は、まぶたが下がり、目が赤く腫れぼったく、目の下のくまが濃く、顔色が青白く見えたという結果があります。寝不足や疲れ、冷えは、青くまの原因のひとつとされています。
よく眠ることに加えて、目もとはこすらず、やさしく扱うことを意識しましょう。
化粧品でできるのは、メイクで目立たなく見せること
くまを目立たなくする主役は、コンシーラーです。くまは化粧品の効能の範囲に入っていないので、化粧品で確かにできるのは、メイクで目立たなく見せることだからです。メイクの効果は、事実に反しない限り広告できます。
コンシーラーは、しみやそばかす、くま、にきびあとなどの色むらをカバーするための部分用ファンデーションです。化粧下地で肌を整えたあと、ファンデーションの前に、気になる部分にだけ筆やチップでのせます。リキッドやクリームのような軟らかいタイプは、目もとのくまやくすみのカバーに向いています。
色の目安は、タイプごとに違います。青くまには肌より濃いオレンジ系が向きます。オレンジは青の反対色で、混ぜると色みのない色になる補色の関係なので、青みを打ち消すという考え方です。茶くまには明るめの黄色や、肌とくまの中間の色、黒くまには肌よりやや明るいベージュを影に沿ってのせる方法があります。影によるくまには、光を散らすパウダーでくぼみを目立ちにくくする方法もあります。
青くまの場合は、オレンジ系を少量、くまのいちばん濃いところにのせ、上側のふちを指やブラシでななめ上に向かってぼかします。のせるときもクレンジングで落とすときも、力を入れずにやさしく扱いましょう。
くまと一緒に名前が挙がる成分は、区分で分けて見る
くまと一緒に名前が挙がる成分は、どれも、くまへの効能として国に認められたものではありません。厚生労働省が定める化粧品の効能56項目にも、薬用化粧品の効能の範囲にも、「くま」は入っていないからです。そのうえで、区分ごとに見ておきましょう。
- 光を散らすパウダー 窒化ホウ素やマイカ、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛などの粉は光を拡散し、くぼみの影を目立ちにくくします。メイクとしての働きです。
- しみ・そばかすを防ぐ有効成分 医薬部外品として認められた効能は「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」までです。茶くまのメラニンに近い話ですが、くまへの効能ではありません。
- ビタミンE誘導体・センブリエキス くまに血行の滞りが関わるという考え方から、ビタミンEやその誘導体、センブリエキスを配合した商品がつくられてきました。ただし、化粧品の広告で「血行を促進」とうたうことは認められていません。
- ビタミンKなどを合わせたジェル ビタミンKにレチノール、ビタミンC、ビタミンEを合わせたジェルを下まぶたに塗ると、47%の人で血液の滞りが減ったという結果があります。
- カフェイン カフェインのジェルを下まぶたに塗ってむくみが減ったのは、カフェインではなく、主にジェルの冷たさによるものだったという結果があります。
- 日焼け止め 広い範囲の紫外線を防ぐ日焼け止めと、紫外線を防ぐサングラスは、くまの対策に役立つと考えられています。
化粧品で確かに言えるのはメイクで隠すことまで、と知っておくと、商品の説明を落ち着いて読めます。
片側だけの青紫っぽいくまは、皮膚科で相談する
長く続くくまの中には、皮膚科で治療できるアザが隠れていることがあります。日本皮膚科学会が一般向けに公開している解説に、「目の下のくまと言われているものも多くは軽症の太田母斑です」という一文があるからです。
太田母斑は、額や目のまわり、頬、鼻、耳に出る青アザで、ふつうは顔の片側にできます。典型的なものは青紫色から灰色がかった紫青色で、薄い茶色の小さな点が混ざります。中年以降に両側に出ると、シミと間違われることもあります。皮膚科ではレーザーで治療し、青アザには保険が使えるレーザーもあります。適切なレーザー治療を5、6回以上行うと、色はほとんど目立たなくなります。
影やたるみによるくまには、美容医療でヒアルロン酸などの注入や、まぶたの手術が検討されることもあります。目の下のボリュームが減ったくまには注入や自分の脂肪の移植、皮膚のたるみにはまぶたの手術が効果的だったという結果があります。ピーリングでは炎症のあとの色素沈着が起こることもあるので、治療を考えるときは医師とよく相談しましょう。
片側だけにある、青紫や灰色っぽい色に茶色の点が混ざっている、といったくまは、化粧品で何とかしようとする前に皮膚科へ。
まとめ
- くまは、薄いまぶたの皮膚から血液の色やメラニンの色、たるみの影が見えている状態です
- 青くまは血液の色が透けたもの、茶くまはメラニンが残ったもの、黒くまはたるみやくぼみの影です
- 下まぶたを軽く引き伸ばすと、タイプの見分けの手がかりになります
- くまへの効能を認められた化粧品や薬用化粧品はなく、化粧品でできるのはメイクで目立たなく見せることです
- 片側だけの青紫っぽいくまは太田母斑というアザのこともあるので、皮膚科で相談を
くまはタイプを見分けてメイクで上手に隠し、目もとをこすらないことを心がけるのが、いちばん現実的な付き合い方です。
よくある質問
目の下のくまは化粧品でなくせますか?
くまへの効果をうたえる化粧品はありません。化粧品の効能56項目にも薬用化粧品の効能にも「くま」は入っておらず、化粧品でできるのはコンシーラーなどのメイクで目立たなく見せることです。
青くま・茶くま・黒くまはどう見分けますか?
目の下を軽く横に引っ張って薄くなれば青くま、変わらなければ茶くま、上を向くと目立たなくなれば黒くまの可能性があります。いくつかのタイプが重なっていることもあるので、目安として使いましょう。
寝不足でくまはできますか?
徹夜のあとは、目の下のくまが濃く見えたという結果があります。寝不足や疲れ、冷えは、青くまの原因のひとつとされています。
目の下のくまがアザということはありますか?
あります。日本皮膚科学会の一般向けの解説には「目の下のくまと言われているものも多くは軽症の太田母斑です」とあります。太田母斑は顔の片側に出ることが多い青アザで、皮膚科のレーザー治療の対象です。
くまを隠すコンシーラーは何色がいいですか?
青くまにはオレンジ系、茶くまには黄色やベージュ系、黒くまには肌よりやや明るいベージュ系が向くとされています。リキッドやクリームのような軟らかいタイプが目もとに向いています。
この記事で参照した情報
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「くま」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「たるみ」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「血行促進剤」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「コンシーラー」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「補色」
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年 薬食発0721第1号)
- 厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)
- 日本化粧品工業会「化粧品等の適正広告ガイドライン2020年版」
- 日本化粧品工業会 適正広告研究部会「『化粧品等の適正広告ガイドライン』について」(京都府掲載資料)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「アザとホクロ Q4 太田母斑はどのような病気ですか?」
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「アザとホクロ Q5 青アザにはどのような治療をするのでしょうか?」
- Sarkar R, et al. Periorbital Hyperpigmentation: A Comprehensive Review. J Clin Aesthet Dermatol 2016;9(1):49-55
- Vrcek I, Ozgur O, Nakra T. Infraorbital Dark Circles: A Review of the Pathogenesis, Evaluation and Treatment. J Cutan Aesthet Surg 2016;9(2):65-72
- Amnuaikit T, Maneenuan D, Boonme P. Evaluation of Caffeine Gels on Physicochemical Characteristics and In Vivo Efficacy in Reducing Puffy Eyes. J Appl Pharm Sci 2011;1(2)
- Chopra K, et al. A Comprehensive Examination of Topographic Thickness of Skin in the Human Face. Aesthet Surg J 2015;35(8):1007-1013
- Michelle L, et al. Treatments of Periorbital Hyperpigmentation: A Systematic Review. Dermatol Surg 2022;48(1):70-74
- Mitsuishi T, et al. The effects of topical application of phytonadione, retinol and vitamins C and E on infraorbital dark circles and wrinkles of the lower eyelids. J Cosmet Dermatol 2004
- Sundelin T, et al. Cues of Fatigue: Effects of Sleep Deprivation on Facial Appearance. Sleep 2013;36(9):1355-1360
- 花王 Kao Beauty Brands プレイパーク「青クマ・茶クマ・黒クマをコンシーラーでカバー!」(2025年11月10日)
- 資生堂 Beauty Journey「目のクマ対策」(2025年10月17日更新)