肌の悩みやさしい解説

肝斑とは|ほかのしみとの見分け方、治療と化粧品でできること

あるコスメオタク・2026.10.06・更新 2026.10.21・肌の悩み
肌の悩みシミ

頬にもやっと広がるしみを見て、これは肝斑なのか、ふつうのしみと何が違うのか、どう手当てすればいいのか迷いますよね。

結論から言うと、肝斑は両頬に左右対称に広がるしみで、紫外線や女性ホルモンで濃くなりやすく、ほかのしみとは手当ての仕方が違います。中心になるのは皮膚科の飲み薬や塗り薬で、化粧品でできるのは日焼けによるしみを防ぐところまでです。まずは、どんなしみなのかから見ていきましょう。

肝斑は、両頬に左右対称に出る、後からできるしみ

肝斑は、主に両方の頬に左右対称に出る、生まれつきではなく後からできるしみです。境目がはっきりしない褐色のしみが、網の目のように広がって見えるのが特徴です。

頬に出る形のほかに、額や鼻、上くちびるに出る形や、下あごに出る形もあります。主に30歳以降の女性に出るしみとされ、女性と男性の比は一般に9対1です。どの肌の色の人にも起こり、患者の55〜64%は家族にも肝斑のある人がいるとされています。

長く続きやすく、治療をしてもぶり返しやすいことも肝斑の特徴です。だからこそ、種類を見分けて、合った手当てを続けることが大切になります。

肝斑は、紫外線と女性ホルモンでメラニンが増えて濃くなる

肝斑を濃くするおもな要因は、紫外線と女性ホルモンです。日本の美容医療の診療指針でもそう位置づけられていて、紫外線は肝斑のきっかけにも、悪化のもとにもなります。

しみの色のもとは、メラニンという色の粒です。紫外線を浴びると、肌の中でメラニンが作られ、まわりの細胞に渡されてたまります。肝斑では、このメラニンが両頬に広く増えて、もやっとしたしみになります。

紫外線や女性ホルモンをきっかけにメラニンが増え、まわりの細胞にたまって、両頬にもやっとしたしみになります。

紫外線や
ホルモン
メラニンが
増える
まわりに
渡される
両頬に
しみが出る

女性ホルモンについては、妊娠中や、経口避妊薬などのホルモンを使う治療を受けているときに肝斑が多くなることが知られています。目に見える光も関わるとされ、肌の色が濃い人では、強い光で色素沈着が増えたという結果があります。いっぽうで、パソコンの画面の光を浴びても肝斑は悪化しなかったという結果もあります。肌を黒くする光の主な源は太陽の光なので、画面の光を心配しすぎる必要はありません。

ほかのしみとは、出る場所と色と形で見分ける

しみがあっても、それが肝斑だとは限りません。しみの相談で皮膚科を受診した人の60%近くは老人性色素斑で、肝斑は10%以下だったという報告があります。

老人性色素斑は、中年以降に頬骨のあたりや頬の外側など、日の当たりやすいところに出る褐色の斑です。そばかすは、色白の人に若いころから出る小さな褐色の斑で、鼻を中心に両頬に散らばります。

特に見分けが難しいのが、遅発性太田母斑とも呼ばれる後天性真皮メラノサイトーシスです。肝斑と同じように中年の女性の両頬に出ますが、肝斑が褐色でもやっと広がるのに対し、こちらは灰色や紫がかった褐色の、数mmの丸い斑がぱらぱらと集まって見えます。

困るのは、治療の考え方が反対に近いことです。真皮メラノサイトーシスや老人性色素斑にはレーザー治療が向くとされる一方で、肝斑は強いレーザーで悪化することがあります。いくつかの種類が同じ顔に混ざっていることもあるので、自分で肝斑と決めず、皮膚科で見てもらうのが確実です。

肝斑の治療は飲み薬と塗り薬が中心で、レーザーは条件つき

皮膚科での肝斑の治療は、日焼けを防ぐことを土台に、飲み薬と塗り薬を組み合わせるのが基本です。紫外線で増えるメラニンを、まず入り口で減らしたうえで、薬で手当てするという考え方です。

皮膚科での肝斑の手当ては、見分けることから始まり、日焼けを防ぐことが土台になります。

皮膚科で
見分ける
日焼けを
防ぐ
飲み薬と
塗り薬
レーザーは
条件つき

肝斑には、ビタミンCやトラネキサム酸の飲み薬と、ハイドロキノンを塗る方法などが使われます。診療指針でも、ハイドロキノンを単独で塗る方法と、3つの成分を合わせたクリームを塗る方法が、もっとも十分に検討されてきた治療とされています。トラネキサム酸を飲むと、肝斑の範囲と濃さを表す点数が下がり、ほかの治療に上乗せすると点数はさらに下がったという結果があります。副作用としては、月経の量が減ることや、軽いおなかの不快感が報告されています。

レーザーや光を当てる治療は、診療指針で推奨度2、つまり条件によっては行うことを弱くすすめるという位置づけです。日焼け対策や薬で十分な効果が得られないときに、組み合わせてもよいとされています。ただし、老人性色素斑などに使うレーザーを強い出力で当てると、強い炎症が起きて肝斑が悪化することが知られています。レーザーを考える前に、肝斑があるかどうかを診てもらうことが大切です。

トラネキサム酸の市販薬は、肝斑に限った効能の第1類医薬品

市販薬で肝斑の効能をもつのは、トラネキサム酸を主成分とする飲み薬です。区分は第1類医薬品で、効能は「しみ」に「肝斑に限る」という条件がついていて、しみ全般やそばかすに使う薬ではありません。

ビタミンCを主成分とする飲み薬は、しみ・そばかすや、日やけ・かぶれによる色素沈着をやわらげる効能の薬で、肝斑という名前は効能に入っていません。トラネキサム酸は、もともと血を止める薬として使われてきた成分で、塗る薬用化粧品にも入りますが、飲む薬とは言えることが違います。

第1類医薬品は、薬剤師から説明を受けて買う薬です。飲む量や続けて飲める期間、飲んではいけない人は添付文書で決められています。持病のある人やほかの薬を飲んでいる人、妊娠中や授乳中の人、経口避妊薬を飲んでいる人は、使う前に相談しましょう。買うときに薬剤師に確かめ、記載どおりに使うのが基本です。

化粧品と医薬部外品で言えるのは、しみ・そばかすを防ぐまで

化粧品と医薬部外品には、肝斑の効能はありません。肝斑そのものを対象にした効能は、医薬品にしか認められていないからです。

医薬部外品の薬用化粧品で認められているのは、日やけによるしみ・そばかすを防ぐことで、有効成分の働き方によっては「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」と書けます。トラネキサム酸を有効成分にした薬用化粧品でも、言えるのはここまでです。ふつうの化粧品では「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」が上限です。

化粧品でできるいちばん大事なことは、肝斑を濃くするおもな要因である紫外線を防ぐことです。たとえば、酸化鉄入りで紫外線と目に見える光の両方を防ぐ日焼け止めを治療と組み合わせると、紫外線だけを防ぐ日焼け止めより、肝斑の点数がよく下がったという結果があります。日焼け止めそのものに肝斑の効能があるわけではありませんが、毎日の紫外線対策は、治療の土台になります。

まとめ

肝斑は、種類を見分けることで手当ての道筋が決まるしみです。気になったら皮膚科で診てもらい、毎日の紫外線対策を続けていきましょう。

よくある質問

肝斑の原因は何ですか?

紫外線と女性ホルモンが、肝斑を濃くするおもな要因とされています。妊娠中や経口避妊薬を飲んでいるときに多くなり、家族にも肝斑のある人が多いことも知られています。

肝斑とほかのしみの見分け方は?

肝斑は、両頬に左右対称に、境目がはっきりしない褐色のしみが広がるのが特徴です。遅発性太田母斑などとは見分けが難しく、混ざっていることもあるので、皮膚科で診てもらうのが確実です。

肝斑の治療にはどんな方法がありますか?

皮膚科では、日焼けを防ぐことを土台に、飲み薬と塗り薬を組み合わせる治療が中心です。トラネキサム酸やビタミンCの飲み薬、ハイドロキノンを塗る方法などが使われます。

肝斑にトラネキサム酸の市販薬は使えますか?

トラネキサム酸を主成分とする第1類医薬品に、効能が「しみ(肝斑に限る)」の飲み薬があります。飲む量や期間、飲めない人が決まっているので、薬剤師に相談して添付文書どおりに使います。

肝斑にレーザーは逆効果ですか?

強い出力のレーザーでは、炎症が起きて肝斑が悪化することが知られています。日本の診療指針では、ほかの治療で十分な効果がないときに条件つきで組み合わせる、推奨度2の位置づけです。

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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