この記事でわかること
- 「敏感肌用」に公的な定義がない理由
- 「低刺激」「テスト済み」と書くための決まり
- 初めての製品の試し方
「敏感肌用」「低刺激」と書いてあると、それだけで安心して選びたくなりますよね。
結論から言うと、これらの表示は選ぶ目安にはなりますが、だれにでも合うという保証ではありません。表示のルールを知ると、言えることと言えないことが見えてきます。
表示は選ぶ目安になるが、肌に合う保証ではない
「敏感肌用」「低刺激」は、選ぶ目安にはなっても、自分の肌に合う保証ではありません。「敏感肌」は病名ではなく、公的な定義もない言葉だからです。
化粧品が言える効能は「肌にうるおいを与える」などで、その中にも「敏感肌」という言葉はありません。低刺激の化粧品でも、肌質に合わなかったり、使い方を誤ったりすると、トラブルになることがあります。
表示は、選ぶときの入り口の目安と考えておきましょう。
合わない成分は人それぞれなので、表示には決まりがある
合わない成分は人によって違うので、「低刺激」や「テスト済み」の書き方には決まりがあります。だれにでも合うと誤解させないためです。
低刺激性化粧品は、刺激によるかぶれを起こしにくい成分で組み立てた化粧品です。ただ、かぶれには、肌への刺激で起きるものと、特定の成分へのアレルギーで起きるものがあります。アレルギーは人それぞれで、昨日まで平気だった製品で出ることもあります。
そのため業界の広告の指針は、立証されていない「低刺激」や、うたい文句での強調をしないよう求めています。「敏感肌専用」のような強調も原則しません。「アレルギーテスト済み」には「全ての方にアレルギーが起こらないということではありません。」と近くに書く決まりです。
表示は「テストをした」「刺激の少ない成分で作った」という事実を表すだけ、と覚えておきましょう。
初めての製品は、目立たない場所で小さく試す
初めての製品は、二の腕の内側など目立たない場所に小さく試してから使います。合うかどうかは、表示ではなく自分の肌でしか確かめられないからです。
初めての製品を使うときと、合わなかったときの流れです。
小さく試す
やめる
皮膚科へ
見くらべる
赤みが出たら使うのをやめ、製品を残して皮膚科へ。原因はパッチテストで調べられます。合わなかった製品があれば、成分表を並べて同じ成分に印をつけましょう。
小さく試して、合わなかった成分をメモする。これがいちばん確かな選び方です。
まとめ
- 表示は選ぶ目安で、だれにでも合う保証ではない
- 「敏感肌」には公的な定義がない
- 「低刺激」は立証が条件で、うたい文句で強調しない
- 「テスト済み」はテストをした事実を表すだけ
- 初めての製品は、目立たない場所で小さく試す
表示より、自分が合わなかった成分のメモが、いちばんの手がかりになります。
よくある質問
「敏感肌用」と書いてあれば、肌に合いますか?
合うとは限りません。敏感肌は病名ではなく、公的な定義もない言葉です。合うかどうかは、自分の肌で小さく試して確かめましょう。
「低刺激」は、だれでも書ける言葉ですか?
条件つきの言葉です。業界の広告の指針では、低刺激であることが客観的に立証されていない場合や、うたい文句で強調する使い方はしないこととされています。
「アレルギーテスト済み」なら、かぶれませんか?
かぶれないという意味ではありません。表示するときは「全ての方にアレルギーが起こらないということではありません。」と、近くに同じくらいの大きさで書く決まりです。
初めての化粧品は、どう試せばいいですか?
二の腕の内側など、目立たない場所に小さく塗って様子を見ます。赤みやかゆみが出なければ、顔に使い始めましょう。
化粧品で赤みが出たら、どうすればいいですか?
使うのをやめて、製品を残したまま皮膚科に相談しましょう。どの成分が合わないのかは、皮膚科のパッチテストで調べられます。
この記事で参照した情報
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「敏感肌」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「低刺激性化粧品」
- 日本化粧品工業会「化粧品等の適正広告ガイドライン」(2020年版)
- 日本化粧品工業会 適正広告研究部会「『化粧品等の適正広告ガイドライン』について」(京都府掲載資料)
- 化粧品公正取引協議会 施行規則 別表4-2「テスト済みに関する用語」
- 日本皮膚科学会「接触皮膚炎診療ガイドライン2020」(日皮会誌130(4):523-)
- 国民生活センター『国民生活』2025年9月号「化粧品を選ぶ前に知っておきたい知識 最終回 化粧品を安全に選ぶには」
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年 薬食発0721第1号)