成分辞典やさしい解説

セラミドの種類をやさしく解説!NPやAPなどの記号の意味とは?

あるコスメオタク・2026.09.25・更新 2026.10.21・成分辞典
肌の悩み乾燥

この記事でわかること

  • セラミドが水分を守るしくみ
  • NP・APなど記号の意味と、人の肌に多い種類
  • 「セラミド3」など旧名との対応と、種類の数え方

成分表に「セラミドNP」「セラミドAP」「セラミドEOP」と記号の違うセラミドが並んでいると、何が違うのか、どれがいいのか迷いますよね。

結論から言うと、記号はセラミドをつくる2つの部品の組み合わせを表していて、どの記号も肌のうるおいを守る脂の仲間です。人の肌にいちばん多いのはNPです。まずは、セラミドが肌の中で何をしているかから見ていきましょう。

セラミドは、角層のすき間を埋めて水分を守る脂

セラミドは、角層の細胞のすき間を埋める脂の主な成分で、水分が逃げるのを防いでいます。この脂が減ると、すき間から水分が逃げて、肌が乾きやすくなるからです。

肌のいちばん外側の角層は、皮脂膜、天然保湿因子、細胞間脂質の3つでうるおいを守っています。このうち細胞のすき間を埋めるのが細胞間脂質で、角層の重さの約15%を占めます。細胞間脂質の約50%はセラミドで、ほかにコレステロールと遊離脂肪酸でできています。

セラミドは1種類だけで働くわけではなく、セラミド、コレステロール、脂肪酸の比率が崩れると、バリア機能が下がることが知られています。たとえばアトピー性皮膚炎の肌ではセラミドの割合が下がっていて、水分を保つ力が損なわれます。症状の出ていない場所でも、今の記号でEOSにあたるセラミドがもっとも減っていた、という結果もあります。

塗ったセラミドが働くのは角層までで、すき間の脂を補ってうるおいを保ちます。

使う前 脂が減って、水分が逃げる 使ったあと すき間の脂で、水分を保つ 角層 表皮 真皮

化粧品で塗るセラミドが働くのは角層までで、すき間の脂を補い、うるおいを与える範囲の成分です。だから、乾燥が気になる肌に向きます。

記号が違っても、角層のすき間の脂の仲間としてうるおいを支える、という役割は同じです。

記号は、1文字目が脂肪酸、2文字目が骨組み

セラミドの記号は、1文字目が脂肪酸、2文字目が骨組みの種類を表しています。セラミドは1つの物質ではなく、骨組みと脂肪酸がつながった分子をまとめた呼び名だからです。

骨組みにはスフィンゴシン、スフィンガニン、フィトスフィンゴシンなどがあり、そこにつながる長い脂肪酸にも、ふつうの脂肪酸、αヒドロキシ脂肪酸、ωヒドロキシ脂肪酸があります。炭素の数も16から30以上までさまざまです。

セラミドNPは、ふつうの脂肪酸のNと、フィトスフィンゴシンという骨組みのPがつながった形です。

セラミドNPの場合 P N 骨組み=記号の2文字目 脂肪酸=記号の1文字目

1文字目の脂肪酸は、ふつうの脂肪酸がN、αヒドロキシ脂肪酸がA、エステル結合した脂肪酸がE、ωヒドロキシ脂肪酸がOです。2文字目の骨組みは、ジヒドロスフィンゴシンがDS、スフィンゴシンがS、フィトスフィンゴシンがP、6-ヒドロキシスフィンゴシンがHです。たとえばセラミドNPはふつうの脂肪酸とフィトスフィンゴシン、セラミドAPはαヒドロキシ脂肪酸とフィトスフィンゴシンの組み合わせです。

セラミドEOPは少し特別で、ωヒドロキシ脂肪酸の先に、リノール酸などの別の脂肪酸がさらにくっついた、長いセラミドです。記号は「骨組み × 脂肪酸」の組み合わせをそのまま文字にしたもの、と覚えておけば読めるようになります。

ヒトの肌でいちばん多いのはNPで、NH・AHが続く

ヒトの角層でいちばん多いセラミドはNPで、次いでNH、AHが多く、この3つで全体の約3分の2を占めます。人の肌のセラミドは、フィトスフィンゴシン型のPと、6-ヒドロキシスフィンゴシン型のHの骨組みが多いからです。

上位の3つで、ヒトの角層のセラミドの約3分の2を占めます。

ヒトの角層の遊離セラミド全体に占める割合 NP 24.2% NH 23.7% AH 18.0%

上位3つのあとには、AP、NDS、NS、AS、EOH、EOS、EOP、ADSが続きます。骨組みで見ると、P型が35%、H型が45%です。一方、マウスの角層ではS型が約90%を占め、P型は約1%しかありません。動物実験の結果をそのまま人に当てはめにくい理由のひとつです。

こうしたヒトの角層と同じ構造のセラミドが、一般に「ヒト型セラミド」と呼ばれています。成分表でよく見るNPは、実際に人の肌でいちばん多い種類なのです。

「セラミド3」は「セラミドNP」に変わった

昔の「セラミド3」は、今の「セラミドNP」と同じものです。数字の名前では中身がわからなかったため、構造が読める記号に置き換えられたからです。

アメリカの化粧品成分の安全性評価の資料にもとづくと、セラミド1はセラミドEOP、セラミド3はセラミドNP、セラミド4と5はセラミドAS、セラミド6IIはセラミドAPにあたります。セラミド2だけは、スフィンゴシン型のセラミドNSと、スフィンガニン型のセラミドNGの2つに分かれました。

古い成分表で数字のセラミドを見かけたら、この対応で今の記号に読みかえられます。

種類の数は、数え方によって変わる

セラミドが何種類あるかは、数え方によって変わります。骨組みと脂肪酸の組み合わせで数えるか、炭素の数まで分けて分子で数えるかで、答えが違うからです。

よく「12種類」「16種類」といわれますが、研究が進むにつれて数は増えています。人の角層からは342種類の分子が見つかったという結果があり、骨組み5種類と脂肪酸5種類の組み合わせで25クラスに分ける数え方もあります。日本語の総説では、ヒトの角層には23クラス、1,500を超える種類のセラミド分子があるとまとめられています。

「十数〜二十数クラス、分子の種類では千を超える」と幅を持たせて覚えておけば十分です。

まとめ

記号が読めると、「ヒト型セラミド配合」の中身がどの種類なのかまで見えてきます。成分表を眺めるのが、少し楽しくなるはずです。

よくある質問

セラミドNPのNとPは何の意味?

Nはふつうの脂肪酸、Pはフィトスフィンゴシンという骨組みを表します。記号は1文字目が脂肪酸、2文字目が骨組みの種類で、その組み合わせがセラミドの種類になります。

人の肌にいちばん多いセラミドはどれ?

セラミドNPです。ヒトの角層ではNPが24.2%、次いでNHが23.7%、AHが18.0%で、この3つで全体の約3分の2を占めます。

セラミド3とセラミドNPは同じもの?

同じです。セラミド3はセラミドNPに、セラミド1はEOPに、セラミド6IIはAPにあたります。セラミド2だけは、NSとNGの2つに分かれます。

セラミドは何種類ある?

数え方で変わります。骨組みと脂肪酸の組み合わせで25クラスに分ける数え方や、23クラスとする数え方があり、分子の種類では1,500を超えます。

記号が違うと肌への働きも違う?

どの記号のセラミドも、角層のすき間を埋めてうるおいを守る脂の仲間です。化粧品で塗るセラミドが働くのは角層までで、うるおいを与える範囲の成分です。

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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