この記事でわかること
- セラミドが肌のどこで何をしているか
- ヒト型・天然・植物性・疑似の違い
- 「セラミドNP」など表示名の読み方
「セラミド配合」の化粧水やクリームはたくさんあって、何がいいのか、どれを選べばいいのか迷いますよね。
結論から言うと、セラミドは肌のいちばん外側の角層で、細胞のすきまを埋めてうるおいを逃がさない脂の主役です。塗ったセラミドもこの角層で働き、うるおいを与えて乾燥を防ぎます。
塗ったセラミドが働くのも、この角層です。
肌の断面
角層を拡大すると
- 角層の細胞
- すきまの脂(細胞間脂質)
- 水分
- 脂の約半分がセラミド
セラミドは、角層のレンガをつなぐ脂
角層をレンガの壁にたとえると、セラミドはレンガのすきまを埋めるモルタルです。角層の細胞のすきまには細胞間脂質という脂が何層にも重なっていて、その約半分がセラミドです。脂の層と層のあいだに水分がはさみこまれるので、角層はうるおいを抱えておけます。
肌のうるおいは、表面の皮脂膜、細胞の中の天然保湿因子、すきまの細胞間脂質の3つで保たれています。セラミドはこのうちすきまの脂の担当で、水分そのものを足すヒアルロン酸とは役割が違います。くわしいしくみは細胞間脂質の章で解説しています。
セラミドが減ると、すきまから水分が逃げる
セラミドが減ると、すきまが空いて水分が逃げやすくなり、肌は乾いてかさつきます。
すきまが空くと水分が逃げ、肌は乾いてかさつきます。
セラミドが満ちている
セラミドが減っている
- 角層の細胞
- セラミドなどの脂
- 水分
乾燥しやすい肌やアトピー性皮膚炎の人の角層では、セラミドが少なくなっているという研究結果があります。塗ることについては、セラミドなどを含むクリームを使うと、肌から逃げる水分が減り、角層のうるおいが増えたという結果があります。
化粧品のセラミドが言えるのは「うるおいを与える」「乾燥を防ぐ」までです。肌が乾いてかさつくと感じたら、すきまの脂を補う成分として選ぶのが素直です。
ヒト型・天然・植物性・疑似は、出自の違い
セラミドの呼び名の違いは、どこから来たか、どう作ったかの違いです。成分表示の名前を見れば、どのタイプかがわかります。
名前の違いは出自の違いで、優劣の順ではありません。
「ヒト型」は業界の呼び名で、公的に決められた言葉ではありません。ヒト型がいちばん、と言われることもありますが、使い心地や働きは処方全体や配合量でも変わるので、タイプだけで優劣は決まりません。
「セラミドNP」の記号は、分子の組み立て
セラミドの記号は、前の文字が脂肪酸の側、後ろの文字が土台の側の形を表しています。昔は「セラミド3」のような番号で表示されていましたが、今は国際的な成分名がこの記号に変わっています。
番号の名前は、分子の組み立てを表す記号に変わりました。
セラミドNP の読み方
前の文字N ふつう・A α-ヒドロキシ・O ω-ヒドロキシ・E エステル結合
後ろの文字S スフィンゴシン・dS ジヒドロスフィンゴシン・P フィトスフィンゴシン・H 6-ヒドロキシスフィンゴシン
昔の番号 → 今の記号
- セラミド1セラミドEOP
- セラミド2セラミドNS・NG
- セラミド3セラミドNP
- セラミド4・5セラミドAS
- セラミド6ⅡセラミドAP
気をつけたいのは、セラミド2が新しい表示ではNSとNGの2つに分かれることです。記号の意味まで覚えなくても、成分表示に「セラミド」で始まる記号名があれば、ヒト型のセラミドだとわかります。
まとめ
- セラミドは、角層のすきまを埋める脂(細胞間脂質)の約半分をしめる主役です
- 脂の層が水分をはさみこみ、うるおいを逃がさないようにしています
- セラミドが減ると、すきまから水分が逃げて乾燥やかさつきにつながります
- ヒト型・天然・植物性・疑似は出自の違いで、優劣の順ではありません
- 「セラミドNP」の記号は分子の組み立て。セラミド3はNPのことです
セラミドは名前がややこしく見えますが、役割は「すきまの脂」というシンプルなものです。水分を足すヒアルロン酸とあわせて読むと、自分の肌に足りないものを考えやすくなります。
よくある質問
セラミドNPとセラミド3は同じもの?
同じ成分です。国際的な成分名が、番号から分子の組み立てを表す記号に変わりました。
ヒト型セラミドがいちばんいい?
タイプだけで優劣は決まりません。「ヒト型」は業界の呼び名で、使い心地や働きは処方全体や配合量でも変わります。
塗ったセラミドは肌のどこで働く?
肌のいちばん外側の角層です。化粧品として言えるのは「うるおいを与える」「乾燥を防ぐ」までです。
セラミドとヒアルロン酸はどう違う?
セラミドは角層のすきまを埋めて、水分を逃がさない脂です。ヒアルロン酸は水分を抱えこんで、角層をうるおす成分です。
植物性セラミドは成分表示でどう書かれる?
「コメヌカスフィンゴ糖脂質」や「グルコシルセラミド」のように、植物の名前や「スフィンゴ糖脂質」を含む名前で書かれます。
この記事で参照した情報
- 国立健康・栄養研究所「セラミド(N-アシルスフィンゴシン)」素材情報
- 日本化粧品工業会「保湿のはなし」
- Güngör S. et al., Cosmetics (2019) 総説
- CIR "Safety Assessment of Ceramides as Used in Cosmetics" (2015)
- Burnett CL. et al., Int J Toxicol (2020) 新旧名称の対応
- Masukawa Y. et al., J Lipid Res (2009) 命名規則
- Imokawa G. et al., J Invest Dermatol (1991)
- 厚生労働省「いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストについて」
この記事が入っているテーマ別まとめ