肌の悩みやさしい解説

インナードライをやさしく解説!皮脂が多いのに乾く肌とは?

あるコスメオタク・2026.10.04・更新 2026.10.21・肌の悩み

おでこや鼻はテカるのに、洗顔のあとはつっぱる。自分の肌は脂っぽいのか乾いているのか、どうケアすればいいのか迷いますよね。

結論から言うと、インナードライは、皮脂は多いのに角層の水分が足りていない状態を指す呼び名です。皮脂の多さと乾きやすさは別々に起こるので、あぶらっぽい所は洗い、乾きやすい所は洗いすぎずにうるおす、と分けて考えるのが基本です。まずは、どんな肌なのかから見ていきましょう。

インナードライは、乾燥型脂性肌のこと

インナードライは美容の分野で広まった通称で、化粧品の用語集では乾燥型脂性肌にあたります。乾燥型脂性肌とは、皮脂量が多いにもかかわらず、角層の水分量が足りない肌質のことです。

肌質は病気の名前ではなく、健康な肌の状態をいくつかの型に分けた言葉です。皮脂の量と角層の水分量の組み合わせで、普通肌・脂性肌・乾燥肌・乾燥型脂性肌の4つに分けられます。

皮脂と角層の水分を別々に見ると肌質は4つに分かれ、インナードライは右下にあたります。

普通肌 脂性肌 乾燥肌 乾燥型脂性肌 インナードライ 水分が多い 水分が少ない 皮脂が多い → ← 皮脂が少ない 皮脂水分

乾燥型脂性肌の特徴には、ニキビや吹き出物ができやすい、かさかさして肌あれが起こりやすい、表面の細かいみぞが浅くきめが乱れている、毛穴が比較的大きめ、といったことが挙げられています。

インナーという言葉から体の中の水分を思い浮かべがちですが、ここでいう内側とは、肌のいちばん外側にある角層の中のことです。以前は、皮脂は多いのに乾燥して肌あれを起こしている肌を混合肌と呼んでいた例もあります。今の混合肌は、額や鼻は脂っぽく、ほおは乾くという場所による違いを指すことが多く、同じ場所で皮脂が多く水分が少ない乾燥型脂性肌とは別の意味です。

インナードライは、同じ場所で、皮脂は多いのに角層が乾いている肌と覚えておきましょう。

皮脂の量と角層の水分は、別々に決まる

皮脂の量と角層の水分量は別々に決まるもので、片方が多いからもう片方が少ない、とは決まりません。角層の水分を抱えて逃がさない役目は、皮脂膜だけでなく、ほかの要素も受け持っているからです。

角層は、表面をおおう皮脂膜、細胞の中で水を抱える天然保湿因子、細胞のすき間を埋める細胞間脂質の3つでうるおいを保っています。細胞間脂質の約50%はセラミドです。

皮脂膜が多くても、水を抱える天然保湿因子と、すき間を埋める細胞間脂質が足りないと、角層は乾きます。

角層の下の表皮 1 2 3
  1. 1皮脂膜 肌の表面をおおう、皮脂と汗の膜
  2. 2天然保湿因子 角層の細胞の中で、水を抱える
  3. 3細胞間脂質 細胞のすき間を埋めて、水分を逃がさない。約50%はセラミド

皮脂膜が多くても、天然保湿因子や細胞間脂質が足りなければ、角層は水分を保てません。実際に、ニキビのある人では、皮脂が多い一方で角層のセラミドなどが少なく、それが少ない人ほど角層が水分を保つ力も低かったという結果があります。

逆に、額でもほおでも、皮脂が多い人ほど水分も多い傾向があったという結果もあります。皮脂腺のないマウスでは、皮脂腺がつくるグリセリンが角層の水分を保つのに大きく関わっていました。皮脂が多いことと乾いていることは、いつもセットで起こるわけではないのです。

また、どこから脂性肌とするかの決まった数字はなく、自分の感覚で選んだ肌タイプは、測った値と一致しにくいという結果があります。テカるから脂性肌、と自分だけで決めるのは難しいところです。

皮脂と水分は、2つのものさしで別々に見るのがインナードライを考えるコツです。

洗ってすぐテカるのは、毛穴にためた皮脂が出るから

インナードライの説明では、肌が乾くと自分を守ろうとして皮脂を多く出す、という話をよく見かけますよね。ですが、洗ったあとすぐにまたテカるのは、毛穴の中にためていた皮脂が出てくるからです。

洗ってすぐテカるのは、毛穴の中にためていた皮脂が出てくるからです。

洗って
落とす
毛穴に
ためた皮脂
表面に
出てくる

皮脂を何度ふき取っても、出てくる速さは変わらなかったという結果があります。皮脂がなぜ多いかは、脂性肌と同じく、ホルモンや年齢、季節の影響で考えるのが確かです。皮脂は夏にもっとも多くなるという結果があり、冬の乾いた空気やエアコンの効いた部屋、長時間の飛行機は肌の乾燥を進める要因とされています。

いっぽうで、洗いすぎは乾燥につながります。過度な洗浄で角層の天然保湿因子が流れ出ることは、乾燥肌の要因のひとつに挙げられています。ニキビがある場合は、強くこすったり1日に5回も10回も洗ったりすると、炎症が起きてニキビが悪化します。

テカリが気になっても、洗う回数を増やすより、洗い方を見直すほうが近道です。

ケアは、場所で洗い分けて水分を補う

インナードライのスキンケアは、余分な皮脂を落とすことと、水分を補うことを同時に行うのが基本です。皮脂と水分は別々に決まるので、どちらか片方だけの手入れでは足りないからです。

洗顔では、乾燥しやすい場所を洗いすぎないよう気をつけながら、あぶらっぽい場所を中心にしっかり洗います。そのあと保湿効果の高い化粧水や乳液で、角層に水分を十分に補います。べたつきが気になっても、化粧水や乳液を省かないことがポイントです。

あぶらっぽい所は洗い、そのあと化粧水や乳液で角層に水分を補います。

ケアの前 水分が逃げる ケアのあと 水分を補う 皮脂 角層 表皮 真皮

化粧品として言えるのは「皮膚にうるおいを与える」「皮膚の乾燥を防ぐ」などの範囲で、保湿で皮脂が減るわけではありません。

ニキビがあるときは、皮膚科の学会の考え方が目安になります。ニキビ治療ガイドライン2023では、ニキビのある人に1日2回の洗顔が推奨度C1で勧められ、低刺激でノンコメドジェニックなニキビ用の基礎化粧品を使うことも選択肢のひとつとして推奨されています。洗顔料はよく泡立てて手でやさしく洗い、十分な水で流し、洗ったあと乾燥が気になれば保湿します。保湿剤は、ノンコメドジェニックやハイポコメドジェニックと表示されたものがすすめられています。

化粧品や医薬部外品はニキビの治療薬ではないので、ニキビが続くときは皮膚科で相談してください。毎日のケアは、洗う場所と補う量を分けることから始めましょう。

皮脂と水分の効能は、表示の区分で分けて見る

インナードライ向けの成分を探すと、いろいろな言葉が出てきて迷いますよね。皮脂に関する効能と、水分に関する効能は別々なので、表示の区分で分けて見るのが確かです。インナードライという言葉そのものは、化粧品や医薬部外品の効能には出てこないからです。

皮脂のことと水分のことは、効能も別々です。どちらが気になっているのかを分けて、表示の言葉を見てみてください。

まとめ

テカリと乾燥は、どちらか一方だけを手入れするものではなく、別々に向き合うものです。洗う場所と補う量を分けるところから始めてみてください。

よくある質問

インナードライとは何ですか?

皮脂が多いのに角層の水分が足りない状態を指す通称です。化粧品の分野では、乾燥型脂性肌と呼ばれる肌質にあたります。内側とは角層の中のことで、体の中の水分の話ではありません。

皮脂が多い人は、肌の水分が少ないのですか?

そうとは決まっていません。皮脂の量と角層の水分量は別々に決まるもので、額でもほおでも、皮脂が多い人ほど水分も多い傾向があったという結果もあります。

肌が乾燥すると皮脂が増えるのですか?

洗ったあとすぐにテカるのは、毛穴にためていた皮脂が出てくるためです。皮脂の多さは、ホルモンや年齢、季節の影響で考えるのが確かです。一方、洗いすぎは角層の保湿成分を流して乾燥のもとになります。

インナードライのスキンケアはどうすればいいですか?

脂っぽい場所を中心に洗い、乾燥しやすい場所は洗いすぎず、そのあと化粧水や乳液で水分を十分に補うのが基本です。化粧品として言えるのは、うるおいを与える、乾燥を防ぐといった範囲です。

インナードライでニキビがあるときはどうしますか?

洗顔は1日2回、保湿剤はノンコメドジェニック表示のものが目安です。日本皮膚科学会のニキビ治療ガイドライン2023でも、ニキビのある人に1日2回の洗顔が勧められています。化粧品や医薬部外品は治療薬ではないので、ニキビが続くときは皮膚科で相談してください。

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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