肌の悩みやさしい解説

肌タイプをやさしく解説!乾燥肌と脂性肌で変わる成分の選び方とは?

あるコスメオタク・2026.09.21・更新 2026.10.21・肌の悩み

「乾燥肌だからこれ」「脂性肌だからこれ」という説明はよく見るけれど、自分の肌タイプがどれなのか、どんな保湿を選べばいいのか迷いますよね。

結論から言うと、肌タイプは皮脂の多さと角層の水分の多さの組み合わせで4つに分かれ、保湿は水分と油分のどちらが足りないかを見て、その分を足すのが基本です。まずは、4つのタイプの分け方から見ていきましょう。

肌タイプは、皮脂の量と角層の水分量で4つに分かれる

肌タイプは、皮脂の量と、肌のいちばん外側にある角層の水分量の組み合わせで、普通肌・乾燥肌・脂性肌・乾燥型脂性肌の4つに分かれます。日本の化粧品用語集では、この4つが、どれも皮脂と角層の水分のバランスで説明されているからです。

皮脂の量と角層の水分量で、4つに分かれます。

皮脂の量 → 角層の水分量 → 普通肌 水分は十分、皮脂は少なめ 脂性肌 皮脂も水分も多い 乾燥肌 角層の水分が足りない 乾燥型脂性肌 皮脂は多いが水分が不足 水分 皮脂

普通肌は皮脂が少なく水分は十分で、毛穴は比較的小さく目立ちません。脂性肌は皮脂も水分も多く、とくに額と鼻筋の皮脂が多い肌です。乾燥肌は角層の水分が減って、きめが乱れ、やわらかさが落ちた肌です。乾燥型脂性肌は、皮脂は多いのに角層の水分が足りない肌です。水分や天然保湿因子、皮脂、細胞間脂質など、肌のうるおいに関わるもののバランスを「モイスチャーバランス」と呼びます。

皮脂がいくつ以上なら脂性肌、といった数字の決まりはありません。また、肌タイプは固定ではなく、季節によってあぶらっぽくなったりかさついたりします。外の乾いた空気や、エアコンの効いた部屋、長時間の飛行機、洗いすぎで天然保湿因子が流れ出ること、年齢とともにそれをつくる力が落ちることも、肌の状態を動かします。

自分の肌タイプは、今の皮脂と水分のどちらが多くてどちらが足りないかで考えると決めやすくなります。

混合肌は、部位によって状態が違う肌のこと

よく聞く「混合肌」は、4つのどれに入るのか気になりますよね。混合肌は、4つのタイプとは別に、部位によって状態が違う肌を指す言葉です。化粧品の一般向けの説明で使われる言葉で、用語集の4つには入っていません。

たとえば、ひたいから鼻にかけてのTゾーンにあぶらを感じるなら脂性肌、ほおからあごにかけてのUゾーンにかさつきを感じるなら乾燥肌、両方が気になるなら混合肌、とされています。同じ場所で皮脂が多いのに水分が足りない乾燥型脂性肌とは、考え方の軸が違います。

混合肌は、部位ごとに4タイプのどれに近いかを分けて考えるとわかりやすくなります。

角層のうるおいは、皮脂膜・天然保湿因子・細胞間脂質の3つで保たれる

角層は、皮脂膜・天然保湿因子・細胞間脂質の3つでうるおいを保っていて、なかでも天然保湿因子の役割がとりわけ大きいとされています。肌タイプの違いも、この3つのどこが多くてどこが足りないかの違いです。

角層は、この3つでうるおいを保っています。

角層の下の表皮 1 2 3
  1. 1皮脂膜 肌の表面をおおう、皮脂と汗の膜
  2. 2天然保湿因子 角層の細胞の中で、水を抱える
  3. 3細胞間脂質 細胞のすき間を埋めて、水分を逃がさない。約50%はセラミド

皮脂膜は、皮脂腺や表皮の細胞から出た脂質が、汗や水分と混ざり合ってできた膜で、表面にふたをします。天然保湿因子は、アミノ酸類、ピロリドンカルボン酸とその塩、尿素、ミネラル塩類、有機酸などの小さな分子の集まりで、細胞の中で水を抱えます。細胞間脂質は、セラミド、脂肪酸、コレステロールを主な成分として層が重なった構造をつくり、角層の重さの約15%を占めます。細胞間脂質の約50%はセラミドです。

この3つのうち、化粧品が外から手を加えやすいのは、皮脂膜の代わりをすることと、天然保湿因子に近い成分を補うことです。次の章の2つの分け方は、ちょうどこの2つに対応しています。

保湿成分は、水を抱える成分とふたをする成分の2つに分かれる

保湿成分は、しくみの違いから、水を抱えるヒューメクタントと、ふたをするエモリエントの2つに大きく分けられます。角層のうるおいの3つの要素のうち、どこを補うかが違うからです。

ヒューメクタントは角層の成分となじみやすく、角層の成分と作用し合うことで水分を保つもので、アミノ酸や尿素が代表です。エモリエントはそれ自体に水を蓄える働きはなく、角層の上をふさぐことで水分を角層の中にとどめ、水分量を長い時間高く保つもので、代表はワセリンです。これとは別に、ヒアルロン酸のように水をよく吸う大きな分子もあり、角層の中の成分とは作用し合いにくいものの、水を抱えやすい性質で角層の水分を高めます。

水分を足して、ふたで逃がさないようにします。

水を抱える成分
グリセリンなど
ふたをする成分
ワセリンなど
2段構えの保湿
水分を足して保つ

海外や韓国コスメの解説では、「水を抱える」「やわらげる」「ふたをする」の3つに分けることもあります。日本の分け方では、「ふたをする」はエモリエントの働きそのものです。また実際の製品は、どちらか一方ではなく、両方のバランスを重視して乳化した処方が多く使われています。分け方は、成分表示を読むときの目安として使いましょう。

グリセリンは保水力、BGは軽さ。ワセリンは重く、スクワランは軽い

同じ保湿成分でも、水を保つ力と使い心地には違いがあります。成分によって、水の吸い方や油としての重さが違うからです。

水を抱える側の代表はグリセリンで、水をよく吸い、保湿作用が高いことから、肌をやわらかくうるおす成分として化粧品全般に使われます。いっぽう1,3-ブチレングリコール、いわゆるBGは、比較的おだやかに水を吸い、グリセリンなどに比べると水を保つ力は低めです。そのかわり粘りが少なく、さらっとした軽い使い心地です。グリセリンとBGは、水を保つ力と使い心地が引き換えの関係にあり、さっぱりしたものが好きなら、BGが上のほうにある処方が合いやすいでしょう。

ヒアルロン酸ナトリウムは、高いねばりと水を保つ力があり、使い心地もよいことから、保湿剤として幅広く使われています。なお、「ヒアルロン酸は1gで6Lの水を保持する」という数字は、真皮にあるヒアルロン酸についての説明なので、化粧品に入れたときの効果としてそのまま読むのは正確ではありません。

ふたをする側では、ワセリンが化学的に反応しにくく、油っぽい感触の半固形の油で、代表的な成分です。スクワランは固まる温度が低く、流動パラフィンに比べて油っぽさがありません。ホホバ油はほかの植物油に比べて酸化しにくく、肌になじみやすいさっぱりした液体のろうです。乳液の「重い・軽い」を左右するのは、このあたりの油です。

セラミドは細胞間脂質をつくる成分のひとつで、2つの分け方のどちらにも入らない、角層にもともとある成分を補うという別の考え方の成分です。天然のセラミドは精製が難しく高価なため、セラミドに似せてつくった成分も配合されています。選ぶときは、保水力ならグリセリン、軽さならBG、重さはワセリン、軽さはスクワランと覚えておきましょう。

美容液は「何を足すか」、乳液は「どう保つか」

美容液は何かを足すもの、乳液は足したものを保つもの、と考えると役割を分けやすくなります。乳液は形で、美容液は働きで決まる呼び名だからです。

乳液は、肌に水分と保湿成分、油分を補い、肌をうるおしてやわらかく保つための化粧品です。水の中に油が分散した水中油型が主流で、油分がおよそ数%〜30%ほど、保湿剤が数%〜20%ほどに、防腐剤や香料などを組み合わせて処方されています。クリームとの違いは、油分の総量が少なく、特に固形の油分の割合が少ないことです。

いっぽう美容液は、ある特定の効能や効果に特化した製品をまとめた呼び名です。保湿に関わるものは、保湿剤を多く配合した液状のうるおい補給タイプに分けられています。最近は、乳液状やクリーム状の美容液も多くなっています。

つまり、美容液は水を抱える側を、油分を含む乳液はふたをする側も担うと考えると、組み合わせを選びやすくなります。

肌タイプ別に見ると、足りないほうを足すのが基本

どの肌タイプでも、水分と油分のうち足りないほうを足すのが基本です。肌タイプの違いは、皮脂と角層の水分のどちらが多くて、どちらが足りないかの違いだからです。

普通肌は、バランスが整っているので、化粧水や乳液で今の状態を保つのが方針です。季節で変わるので、夏と冬で乳液の重さを変えるくらいの調整で十分です。

乾燥肌は、保湿剤を配合した化粧品で、足りない保湿の働きを補うのが方針です。美容液でグリセリンやPCA-Na、ヒアルロン酸Naなどの水を抱える成分を入れ、乳液のふたをする成分で閉じこめる2段構えが合います。乾燥肌の原因には天然保湿因子の減少が挙げられているので、それに近いアミノ酸類やPCA-Na、尿素が成分表示の上のほうにあるかを見てみましょう。化粧品として言えるのは、「皮膚にうるおいを与える」「皮膚の乾燥を防ぐ」などの範囲です。

脂性肌は、油分を抜けばよいわけではありません。洗顔後に肌に適度な水分と油分を補い、モイスチャーバランスを整えるのが方針です。水分は足りているので、洗浄と軽い乳液のバランスを大事にし、乳液はワセリンよりスクワランやホホバ油のような軽いものが合います。

乾燥型脂性肌は、いちばん手入れが難しいタイプです。余分な皮脂を取り除きながら、同時に十分な水分を与える必要があります。乾きやすい部分の洗いすぎに気をつけつつ、あぶらっぽい部分を中心にしっかり洗い、保湿効果の高い化粧水や乳液で水分を十分に補います。美容液は水を抱える成分を多めに、乳液は油分の軽いものにすると合わせやすくなります。

混合肌は部位で状態が違うので、Tゾーンには脂性肌の方針を、Uゾーンには乾燥肌の方針を当てはめます。美容液は顔全体に塗り、乳液の量だけUゾーンで増やす、という形です。

順番は製品の使用方法に従う。「◯◯肌専用」とは書けない

化粧水・美容液・乳液の順番に決まりがあるのか、迷いますよね。使う順番に公的な決まりはないので、手元の製品の使用方法に従うのが確実です。「化粧水→美容液→乳液→クリーム」という順番は、化粧品の一般向けの説明ですすめられているものだからです。

その説明では、化粧水は洗顔のあとに肌へ水分や保湿成分を補うために使い、乳液やクリームは化粧水のあとに使うとされていて、製品に書かれている使用方法を確かめることもすすめられています。

パッケージの書き方にもルールがあります。化粧品として書けるのは「皮膚にうるおいを与える」「皮膚の乾燥を防ぐ」などの範囲です。業界の広告のガイドラインでは、「敏感肌専用」のように特定の肌向けであることを強調する書き方は原則として行わないこととされ、「低刺激」も客観的に立証されていなければ書けません。また、特定の成分を取り上げて書くと有効成分のように誤解されるため、「保湿成分」と配合の目的を添える形は認められていても、「美肌成分」「エイジングケア成分」というくくり方はできません。

製品のパッケージに「◯◯肌専用」と書かれていないのはこのためです。肌タイプの名前ではなく、成分表示と使用方法を見て選びましょう。

まとめ

タイプごとに別のケアがあるというより、水分と油分のどちらが足りていないかを見て、その分を足す。肌タイプの考え方は、思っているよりずっとシンプルです。

よくある質問

混合肌とはどんな肌?

Tゾーンは脂っぽく、Uゾーンはかさつくなど、部位によって状態が違う肌です。肌質の4タイプ(普通肌・乾燥肌・脂性肌・乾燥型脂性肌)には含まれず、化粧品の一般向けの説明で使われる言葉です。

脂性肌は油分を避けたほうがいい?

油分を避ける必要はありません。脂性肌でも、洗顔後に適度な水分と油分を補ってバランスを整えるのが基本です。乳液は、ワセリンよりスクワランやホホバ油のような軽い油のものが合います。

乾燥肌はどんな成分を選べばいい?

水分を抱える成分と、ふたをする成分を組み合わせます。グリセリンやヒアルロン酸、アミノ酸類などで水分を補い、ワセリンやスクワランなどの油でふたをする2段構えです。

化粧水・美容液・乳液の順番に決まりはある?

公的な決まりはありません。まずは手元の製品に書かれている使用方法に従うのが確実です。

保湿成分にはどんな種類がある?

日本では、水分を抱えるヒューメクタントと、ふたをして水分を逃がさないエモリエントの2つに大きく分けます。海外でよく見る「ふたをする」成分は、エモリエントに含まれます。

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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