使い方と選び方ルール解説

韓国の「機能性化粧品」を解説!日本の医薬部外品との違いとは?

あるコスメオタク・2026.09.22・更新 2026.10.21・使い方と選び方

韓国コスメのパッケージで「기능성화장품」、つまり機能性化粧品という表示を見ると、日本の医薬部外品と同じなのか、日本で売っているものとどう違うのか迷いますよね。

結論から言うと、機能性化粧品は医薬部外品ではなく化粧品の一種で、しみ・しわ・紫外線など11の区分について、国の審査か報告を通った製品です。日本語版で表現が控えめになるのは、中身が変わったからではなく、日本の決まりに合わせているからです。まずは、機能性化粧品の立ち位置から見ていきましょう。

機能性化粧品は、医薬部外品ではなく化粧品の一種

機能性化粧品は化粧品の中の一区分で、日本の医薬部外品のような別のカテゴリーではありません。韓国の化粧品法第2条第2号が、機能性化粧品を「化粧品のうち」決められた条件にあてはまるもの、と定めているからです。

法律では5つの類型が示され、具体的な範囲は化粧品法の施行規則第2条で11号に分かれています。

「機能性」とついていても、あくまで化粧品だと覚えておきましょう。

11の区分は、しみ・しわから妊娠線まで

11の区分には、しみ・しわ・日焼けといった見慣れた分野に加えて、脱毛・にきび・皮膚バリア・妊娠線まで入っています。施行規則第2条が、肌と髪の悩みごとに区分を並べているからです。

1号と2号がしみ(メラニン色素がたまるのを防ぐ、たまった色を薄くする)、3号がしわ、4号と5号が日焼けと紫外線、6号が髪の色、7号が除毛、8号が脱毛の症状、9号がにきび、10号が皮膚バリア、11号が妊娠線です。

日本では見かけない区分もあります。第8号は脱毛の症状をやわらげるのに役立つ化粧品で、髪をコーティングして物理的に太く見せる製品は含みません。第9号はにきびのできやすい肌をやわらげる化粧品ですが、体や顔を洗う製品に限られます。第10号は、皮膚のいちばん外側の角質層をバリアとしたうえで、「皮膚バリアの機能を回復し、かゆみ等の改善に役立つ」化粧品です。韓国法制処の解説では、この区分をアトピー性皮膚と呼んでいます。第11号は、妊娠線による赤い線を薄くするのに役立つ化粧品です。11の区分に「傷跡」は入っていません。

8〜11号の製品だけには、特別な表示の義務があります。施行規則第19条第4項第7号により、「疾病の予防及び治療のための医薬品ではない」という文言を、「기능성화장품」の文字のすぐ下に、同じ大きさ以上で書かなければなりません。化粧品なので、病気の薬ではないことをはっきり書かせているのです。

日本でしわの改善を言えるのは、医薬部外品だけ

韓国では化粧品のまま「しわを緩和又は改善する」と言えますが、日本でしわの改善を言えるのは、承認を受けた医薬部外品だけです。日本の化粧品は、国が決めた効能56項目の中でしか効き目を言えないからです。

同じしわの悩みでも、国と区分によって言えることが違います。

韓国の化粧品

機能性化粧品で
しわの改善まで

医薬部外品

承認を受けて
しわの改善

日本の化粧品

乾燥による
小ジワまで

しわの場合、日本の化粧品で言えるのは56番目の「乾燥による小ジワを目立たなくする」だけで、これも効能評価試験をした製品に限られます。しみも同じで、日本の化粧品は37番目の「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」までです。「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」は医薬部外品の効能です。にきびは、56項目では「(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)」までです。かゆみと妊娠線には、56項目にも薬用化粧品の効能の範囲にも、あてはまる項目がありません。

日本の制度は「禁止する」形ではなく、決められたリストに載っていないものは言えない、という形です。そのため、韓国で正規に認められた表示が、日本語版のパッケージではなくなることが起こります。変わったのは中身ではなく、書ける決まりなのです。

韓国で売るには、審査か報告のどちらかを通す

韓国で機能性化粧品として売るには、品目ごとに審査を受けるか、報告書を出すかのどちらかを通します。化粧品法第4条第1項が、安全性と有効性について、食品医薬品安全処長の審査か報告を求めているからです。

告示と同じ成分と規格なら報告で済み、新しいことをするなら審査を受けます。

審査

新しい成分や規格は
試験の資料を出す

報告

告示と同じなら
報告書を出す

審査では、施行規則第9条が求める資料をそろえます。起源と開発の経緯、皮膚への刺激やかぶれやすさ、光による刺激、ヒトパッチテストなどの安全性の資料、効力試験とヒト適用試験の有効性の資料、SPFとPAを決めた根拠、規格と試験方法の資料です。報告では、施行規則第10条により、効き目のもとになる成分の種類と量、効能、使い方、規格と試験方法が、告示された品目と同じであれば、審査がいりません。

広告の決まりもあります。化粧品法第13条は、医薬品と誤解されるおそれのある表示や広告を禁じています。2026年5月26日の改正では、AIで作った映像を使い、医師や大学教授が推薦していると誤解させる広告をはっきり禁止する規定が加わりました。

すでに認められた成分と規格をそのまま使えば報告で済み、新しいことをするなら審査、という二階建てのしくみです。

韓国の成分表示の決まりは、日本とほぼ同じ

韓国の成分表示の考え方は、日本とほぼ同じです。どちらも、製造に使った成分をすべて、量の多い順に書く決まりだからです。

違いは、韓国では化粧品法第10条第1項第3号で、すべての成分を書くと法律の本文に直接書いてあることです。日本の全成分表示は、薬機法第61条第4号と、それを受けた告示の組み合わせで成り立っています。

1%以下の成分と香料、着色剤は順不同でよいというところまで、日本の通知とほぼ同じです。文字の大きさは5ポイント以上で、ハングルで読みやすく書くことも決まっています。香料は「香料」とまとめて書けますが、国が告示したアレルギーを起こしやすい成分が入っている場合は、その成分の名前を個別に書かなければなりません。

韓国の製品でも、前のほうに書かれた成分ほど多いと読めます。

日本で買うなら、日本語表示のある正規品が確実

日本で買うなら、日本語の表示がある正規流通品を選ぶのが確実です。正規品は日本の法律にもとづいて品質や安全性が確かめられていて、責任を負う会社の名前も書かれているからです。

日本で医薬部外品になるかどうかは、日本側の指定と承認で決まり、韓国での区分はそのまま持ちこされません。並行輸入品にも日本の表示の義務がかかることは、国の通知で示されています。

個人輸入は扱いが違います。個人輸入した医薬品による健康被害は、救済の対象になりません。国民生活センターも、通販で買った肌の色を明るくするとうたうクリームで皮膚障害が起きた例を挙げて、海外から個人輸入した医薬品や化粧品は国内の規制を受けず、健康被害が起きる危険もあると注意を呼びかけています。

正規品の日本語表示には製造販売業者の名前が書かれていて、責任の所在がはっきりしています。

ヴィーガン・ダーマ・EWGは、国の制度ではない

「ヴィーガン」や「ダーマ」は韓国の化粧品の法令にある言葉ではなく、販売のための呼び名か、民間の認証です。法律で決められた認証制度がないからです。ただし、化粧品法第13条第2項と施行規則の広告の決まりに、表示できる認証についての規制はあります。

オーガニックも、今は国の制度ではありません。韓国の天然化粧品と有機農化粧品の国家認証制度は、2025年1月31日に公布された改正で廃止されました。「韓国にはオーガニック認証がある」と書かれた古い記事もありますが、今の法律では制度そのものがありません。

EWGはアメリカの非営利法人で、政府機関ではありません。成分の危険性を1〜10の点数で示していますが、EWG自身が、この点数は触れる量や個人差を考えていないと明記しています。

国の審査か報告を通ったしるしは「기능성화장품」の表示で、ヴィーガンやEWGはその外側の話と分けて見ましょう。

まとめ

日本語版で表現が控えめになるのは、日本で書ける決まりに合わせているから。日本で買うなら、日本語表示のある正規品を選びましょう。

よくある質問

韓国の機能性化粧品は日本の医薬部外品と同じ?

同じではありません。機能性化粧品は化粧品の一種で、医薬部外品のような別の区分ではありません。

機能性化粧品にはどんな種類がある?

しみ・しわ・日焼け・染毛・除毛に加え、脱毛・にきび・皮膚バリア・妊娠線の11区分があります。脱毛から妊娠線までの4区分には「医薬品ではない」と書く義務があります。

日本語版のパッケージで表現が控えめになるのはなぜ?

中身を変えたからではなく、日本で書ける決まりに合わせているからです。日本でしわの改善などを言えるのは、承認を受けた医薬部外品だけです。

韓国コスメの「ヴィーガン」「ダーマ」は国の認証?

国の制度ではありません。韓国の法令にある言葉ではなく、販売のための呼び名か民間の認証です。

韓国コスメは正規品と個人輸入品で何が違う?

日本で正規に流通している品は、日本の法律にもとづいて品質や安全性が確かめられています。個人輸入品はその対象外なので、日本語表示のある正規品を選ぶと確実です。

この記事で参照した情報

あるコスメオタクの写真

この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

ひとことメモ:仕上がりや使用感には個人差があります。記載内容はブランドが公表している情報、および実際に使用した際の内容に基づくものです。

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