この記事でわかること
- 韓国での日焼け止めの扱いと、日本との違い
- SPF・PAの表示の読み方と、日韓の違い
- 個人輸入で買うときの注意
韓国の日焼け止めを手に取ると、「SPF50+ PA++++」の表示が日本と同じ意味なのか、韓国では医薬部外品のような扱いなのか、迷いますよね。
結論から言うと、SPFとPAの数字の意味と区切りは日本とほぼ同じで、PAはどちらも4段階です。違うのは制度で、韓国の日焼け止めは「機能性化粧品」という化粧品の中の区分に入り、日本の医薬部外品とは別のしくみです。まずは、日焼け止めが防いでいる紫外線から見ていきましょう。
日焼け止めは、UVBとUVAの2種類の紫外線を肌の表面で防ぐ
日焼け止めは、地表に届く2種類の紫外線、UVBとUVAを、肌の表面で防ぐためのものです。2つは肌への影響が違うので、防ぐ力も2つの数字で表されます。
環境省の資料では、UVBは波長280〜315ナノメートルの紫外線で、日やけを起こしたり、皮膚がんの原因になったりします。オゾン層などで一部がさえぎられます。UVAは315〜400ナノメートルで、UVBほど有害ではないものの、長い時間浴びたときの健康への影響が心配されていて、多くが地表に届きます。UVAを320〜400ナノメートルとする資料もあるのは、区切り方が少し違うためです。
紫外線を浴びると、肌ではメラニンという色の粒が作られ、まわりの細胞に渡されてたまると、しみになります。日焼け止めは肌の表面に膜をつくり、紫外線が肌に届くのを防ぎます。化粧品の効能の範囲にも「日やけを防ぐ」「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」があります。
日焼け止めは、肌の表面の膜で紫外線を防ぎます。
SPFは主にUVBを、PAはUVAを防ぐ力の目安です。日焼け止めも、UV機能つきの化粧下地も、この2つの数字で表しています。2つの数字は、2種類の紫外線それぞれの目安と覚えておきましょう。
韓国の日焼け止めは、医薬部外品ではなく「機能性化粧品」
韓国の日焼け止めは、日本の医薬部外品のようなものかなと思いますよね。でも、韓国の日焼け止めは、化粧品法の中の「機能性化粧品」という区分に入り、医薬部外品ではありません。韓国と日本では、制度の組み立てが違うからです。
機能性化粧品は、肌の色を明るくすること、シワ、紫外線から肌を守ることなど、法律で決められた目的をうたえる区分です。機能性化粧品として売るには、韓国の食品医薬品安全処の審査を受けるか、安全性と有効性の報告書を出す必要があります。
いっぽう日本では、日焼け止めは化粧品と医薬部外品のどちらにもありえます。韓国の機能性化粧品は、化粧品の中の区分で、国の審査の対象になっているものと考えるのが正確です。
SPF・PAの区切りは日韓でほぼ同じ。違うのは決まりの根拠
SPFとPAの表示は、見た目も区切りも日本とほぼ同じです。韓国の日焼け止めも「SPF50+ PA++++」のように書かれ、PAはどちらも4段階だからです。
PAは、UVAを防ぐ指数が2、4、8、16と上がるごとに+が1つずつ増え、この区切りは日韓で同じです。
UVAを防ぐ指数が2倍になるごとに、PAの+が1つ増えます。
ただ、いちばん上のPA++++が加わった時期は違い、日本は2013年1月、韓国は2016年12月です。韓国の食品医薬品安全処によると、このときの改正は、日本や中国と等級の基準を合わせるためでした。
違うのは、決まりの根拠です。韓国では食品医薬品安全処の告示、つまり法令で決まっています。日本のSPFとPAの測り方は、日本化粧品工業会が国際規格をもとに定めた業界の自主基準で、法律で直接決めているわけではありません。
韓国の日焼け止めの表示は、日本と同じ感覚で読んで大丈夫です。
数字は目安。適量をムラなく塗り、こまめに塗り直すのが確実
SPFやPAは、数字が大きいほど安心と思いますよね。でも、数字はあくまで目安で、いちばん確実なのは、適量をムラなく塗り、こまめに塗り直すことです。SPFやPAは実際に測って得られる数字なので、試験機関や製造ロットによって差が出ることがあるからです。
数字より、塗る量と塗り直しが確実です。
出す
塗る
塗り直す
同じ日焼け止めでも、塗る量が少なかったり、塗り残しがあったりすれば、表示どおりには防げません。数字の大小を追うより、塗る量と塗り直しを意識しましょう。
個人輸入では、数のルールと安全面に気をつける
海外通販で個人輸入するときに気をつけたいのは、数のルールと安全面の2つです。日本国内の店舗や通販サイトで買うときとは、決まりが変わるからです。
化粧品を個人輸入するとき、税関だけで通関できるのは標準サイズの製品で1品目24個以内、内容量が60gや60mL以下の少量の製品なら1品目120個以内です。これを超えると、輸入の手続きが必要になります。
安全面では、国民生活センターが、個人輸入した化粧品で肌のトラブルが起きた事例を挙げて注意を呼びかけています。個人輸入した製品は国内の品質や安全性の規制を受けないため、トラブルがあっても自己責任になりがちです。
日焼け止めは肌の広い範囲に使うものなので、国内で正規に流通しているものを選ぶのが安心です。韓国の日焼け止めも、国内の店舗や通販サイトで買えます。
まとめ
- 紫外線にはUVBとUVAの2種類があり、SPFは主にUVB、PAはUVAを防ぐ力の目安です
- 韓国の日焼け止めは「機能性化粧品」で、食品医薬品安全処の審査の対象。日本の医薬部外品とは別の制度です
- SPF・PAの区切りは日韓ほぼ同じで、PAは4段階。PA++++は日本が2013年1月、韓国が2016年12月からです
- 決まりの根拠は、韓国が法令、日本が業界の自主基準です。数字は目安で、適量を塗って塗り直すのが確実です
- 個人輸入は標準サイズで1品目24個以内。安全面からは国内で正規に流通しているものが安心です
制度の違いを知っておくと、韓国の日焼け止めの表示も落ち着いて読めます。数字そのものより、きちんと塗って塗り直すことがいちばんの近道です。
よくある質問
韓国の日焼け止めは医薬部外品?
いいえ。韓国では「機能性化粧品」という化粧品の中の区分に入り、日本の医薬部外品とは別の制度です。
韓国のSPF・PA表示は日本と同じ意味?
数字の意味や区切りはほぼ同じで、PAはどちらも4段階です。違うのは根拠で、韓国は法令、日本は業界が定めた基準です。
SPFやPAの数字が大きいほど安心?
数字は目安です。いちばん確実なのは、数字の大小を追うより、適量をムラなく塗ってこまめに塗り直すことです。
韓国の日焼け止めは何個まで個人輸入できる?
標準サイズなら1品目24個以内です。60g・60mL以下の少量の製品なら、1品目120個以内になります。
個人輸入した日焼け止めを使っても大丈夫?
国内で正規に流通しているものを選ぶほうが安心です。個人輸入品は国内の品質・安全性の規制を受けておらず、日焼け止めは肌の広い範囲に使うものだからです。
この記事で参照した情報
- 環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」
- 韓国法制研究院 英訳「Cosmetics Act(化粧品法)」
- 韓国法制研究院 英訳「Enforcement Rule of the Cosmetics Act」
- 韓国 食品医薬品安全処(MFDS) 説明資料(PA++++導入, 2016)
- 日本化粧品工業連合会「PA++++表示の追加」報道発表(2012)
- 日本化粧品工業会「気になる紫外線用語CHECK!」
- 厚生労働省「医薬品等輸入手続質疑応答集(Q&A)」(令和7年)
- 国民生活センター「個人輸入した医薬品、化粧品等にご注意!」(2023)
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年 薬食発0721第1号)
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