使い方と選び方やさしい解説

SPFとPAの違いをやさしく解説!50+と++++の意味とは?

あるコスメオタク・2026.09.27・更新 2026.10.21・使い方と選び方

日焼け止めの「SPF50+ PA++++」を見て、2つは何が違うのか、数字が大きいほうがいいのか迷いますよね。

結論から言うと、SPFはUVB、PAはUVAという、別の種類の紫外線を防ぐ力の目安です。数字が大きいほど、「+」が多いほど防ぐ力は高くなりますが、実際に防げるかどうかを決めるのは、塗る量と塗り直しです。

SPFはUVB、PAはUVAを防ぐ力の目安

SPFとPAの違いは、防ぐ紫外線の種類です。紫外線は種類によって、肌に届く場所も、起こすことも違うからです。

紫外線は波長によって、320〜400nmのUVA、290〜320nmのUVB、190〜290nmのUVCに分けられます。UVCはオゾン層に吸収されて地上には届かないので、気にするのはUVAとUVBです。

UVBは主に表皮に強く働き、浴びた数時間後に肌を赤くする日やけ、サンバーンを起こします。日やけを起こす力は、UVAの600〜1000倍といわれます。UVAは力は弱いものの量が多く、波長が長いぶん真皮まで届きます。ガラスを通り抜け、曇りの日でもかなりの部分が地上に届きます。赤みが引いた数日後からは、数週間から数カ月続く黒っぽい日やけ、サンタンが現れます。日やけしたあとの肌で起きているのは、この2段階です。

UVBは主に表皮に、UVAは真皮まで届き、日焼け止めはその手前の肌の表面で防ぎます。

塗らないと UVAは真皮まで届く 日焼け止めを塗ると 肌の表面で防ぐ 日焼け止め UVB UVA UVB UVA 角層 表皮 真皮

日焼け止めは、紫外線が肌に入る手前、肌の表面で防ぎます。そのうち、主にUVBによる赤くなる日やけを防ぐ力がSPF、UVAを防ぐ力がPAです。

赤くなる日やけを防ぐ目安はSPF、黒くなる日やけや真皮まで届く紫外線を防ぐ目安はPA、と覚えておけば十分です。

SPFは時間ではなく、紫外線の量の倍率

SPF30は「30倍長くもつ」ではなく、「30倍の量の紫外線まで赤くならない」という意味です。SPFの数字は、浴びる時間ではなく、浴びる量で決まっているからです。

赤くなる日やけを起こす最小の紫外線の量をMEDといい、日焼け止めを塗ったときのMEDが、塗らないときの何倍にあたるかを示すのがSPFです。同じ時間外にいても、日差しが強ければ浴びる量は増えます。そのため、SPFの数字だけでは何時間もつかは決まりません。

数字が大きいほど防ぐ割合は上がりますが、その差はだんだん小さくなります。

SPFの数字が2倍になっても防ぐ割合の差は4ポイントほどで、100%になる製品はありません。

SPF15 約93% SPF30 約97% 0% 100%

SPF15でUVBの約93%、SPF30で約97%を防ぎます。15から30に上げても、ぐんと強くなるわけではありません。

SPFは「どれだけの量の紫外線まで赤くならないか」の倍率、と考えましょう。

PAの「+」は4段階で、多いほどUVAを防ぐ

PAは、UVAを防ぐ力を「+」の数で4段階に分けたものです。UVAの防止倍率を測り、その値で段階を決めているからです。

UVAの防止倍率はUVAPFと呼ばれ、SPFと同じ考え方でUVAを防ぐ力を測ったものです。ただし基準にするのは赤くなる反応ではなく、UVAで短い時間のうちに肌が黒くなる反応で、これを持続型即時黒化といいます。

PAの「+」が1つ増えるごとに、段階の基準になるUVAの防止倍率は2倍になります。

UVAの防止倍率 PA+ 2以上 PA++ 4以上 PA+++ 8以上 PA++++ 16以上

UVAPFが2以上4未満ならPA+、4以上8未満ならPA++、8以上16未満ならPA+++、16以上ならPA++++です。PA++++は2013年1月1日から使えるようになった段階なので、「PAは3段階」と書かれた古い資料には気をつけてください。

「+」が多いほどUVAを防ぐ力が高い、と読めば大丈夫です。

「SPF50+」は、50よりはっきり高いという意味

「SPF50+」は、SPFが50よりはっきり高いという意味で、SPF60やSPF100という意味ではありません。日本では、表示の上限を「50+」にそろえる決まりだからです。

SPFが50ほどあれば、紫外線の強い場所でも、紫外線に敏感な人でも、UVBによる赤い日やけを防げるという考えから、表示はここで止めています。細かくいうと、測ったSPFが50以上で、ばらつきを考えても51以上と言える場合が「50+」で、そうでなければ「50」です。

「50+」どうしの製品は、表示の数字ではそれ以上比べられない、と覚えておきましょう。

数字の測り方と表示は、業界の自主基準で決まっている

SPFとPAは、法律ではなく、業界の自主基準で決まっています。国が決めているのは化粧品がうたえる効能で、数字の表示のしかたではないからです。

測り方はISO 24444とISO 24442という国際規格として発行されていて、表示のしかたは日本化粧品工業会が自主基準として定めています。一方、国が決めた化粧品の効能のうち、日焼け止めに関わるのは「日やけを防ぐ」「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」の2項目で、国の通知にはSPFやPAという言葉は出てきません。「ウォータープルーフ」やUV耐水性の★も、同じ業界の自主基準によるものです。

効能は国が決め、数字は業界が決めているという2階建て、と考えるとわかりやすいです。

数字より、塗る量と塗り直しで効果が決まる

数字の大きい日焼け止めを選んでも、塗る量が少なければ、表示どおりには防げません。SPFやPAは、決まった量を塗って測った値だからです。

測るときに塗る量は、肌1平方センチあたり2mg、液体なら2µlです。実際に塗られている量は1平方センチあたり1.3mgほどで、必要な量の3分の2くらいにとどまり、そうすると効果は半分くらいになるといわれます。また、SPFは製品ごとに測った値なので、重ねて塗っても単純に足し算はできません。

量の目安は、顔なら、手のひらに1円玉を置いたくらいの面積が埋まる量を2回です。ムラなく伸ばし、2、3時間おきに塗り直すのがすすめられています。くわしくは塗る量とタイミングの記事で解説しています。

数字で選んだら、あとは量と塗り直し。ここが、実際の日やけの防ぎ方を決めます。

まとめ

「SPF50+ PA++++」を選ぶことより、「1円玉2回分をちゃんと塗る」ことのほうが、日やけを防ぐうえでは大切です。数字の意味がわかると、そこに納得がいくはずです。

よくある質問

SPF30なら30倍の時間、効果が続くの?

いいえ、SPFは時間ではなく、何倍の紫外線量まで肌が赤くならないかを表す倍率です。効果は日差しの強さや塗る量によって変わります。

PA++++とPA+++はどう違う?

PA++++のほうが、UVAを防ぐ力が高い段階です。PAの「+」は4段階で、++++は2013年1月から使えるようになった、いちばん上の段階です。

SPF50+の「+」はどういう意味?

「50よりはっきり高い」という意味です。SPF60やSPF100という意味ではなく、日本ではそれ以上の細かい数字は表示しない決まりです。

日焼け止めを重ねたらSPFは足し算できる?

できません。SPFは製品ごとに測った値なので、単純に足し算はできません。数字よりも、十分な量をムラなく塗ることと、2〜3時間おきの塗り直しが大切です。

日焼け止めは顔にどのくらい塗ればいい?

顔なら、1円玉大を2回が目安です。実際には測るときの量の3分の2くらいしか塗れていないことが多く、そうなると効果は半分くらいになるといわれます。

この記事が入っているテーマ別まとめ

あるコスメオタクの写真

この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

ひとことメモ:仕上がりや使用感には個人差があります。記載内容はブランドが公表している情報、および実際に使用した際の内容に基づくものです。

自分の肌タイプに合う成分は?7つの質問で、肌の傾向と合う成分・製品の解説がわかります1分チェック → ← トップページに戻る