この記事でわかること
- スキンケアの順番は何で決まるのか
- 水分から油分へ重ねる理由と、朝と夜の違い
- レチノールやAHAを夜に回すのはなぜか
化粧水、美容液、乳液、日焼け止めと何本も使うと、どの順番で塗ればいいのか迷いますよね。
結論から言うと、順番はまず製品に書かれた使い方に従えば大丈夫です。書かれていなければ、さらっとした水分の多いものから、こってりした油分の多いものへ重ね、朝だけ最後に日焼け止めを塗ります。まずは、順番が何で決まるのかから見ていきましょう。
順番は、まず製品の使い方の説明に従う
スキンケアの順番のよりどころは、それぞれの製品の使い方の説明です。スキンケアを使う順番について、国や業界団体が定めた決まりはないからです。
化粧品の基準にも、化粧品を使うときの注意をまとめた案内にも、何を先に塗るかという決まりは入っていません。そのため、製品の使い方の説明に順番やタイミングが書かれていれば、それに従うのが基本です。
たとえば同じ乳液という名前でも、化粧水のあとに使うものと、洗顔のすぐあとに使うものがあります。ある製品の順番を、ほかの製品にそのまま当てはめないことが大切です。
何本かを組み合わせるときは、順番が指定されている製品に合わせて並べると迷いにくくなります。
説明がなければ、水分の多いものから油分の多いものへ
説明がないときの目安は、水分の多いさらっとしたものから、油分の多いこってりしたものへ、という順番です。あとから重ねた油が、角層の水分が逃げるのを抑えてくれるからです。
肌のいちばん外側の角層は、表面をおおう皮脂膜、細胞の中で水を抱える天然保湿因子、細胞のすき間を埋める細胞間脂質の3つでうるおいを保っています。それでも、肌からは角層を通って水分が少しずつ蒸発しています。
油性の成分には、この蒸発を抑える働きがあります。ワセリンのような油は、それ自体に水を蓄える力はありません。肌の上をおおうことで角層に水分をとどめ、角層の水分量を長く保ちます。油でうるおいを保ち、肌をやわらかくする働きはエモリエントと呼ばれます。
あとから重ねた油が肌をおおい、角層の水分が蒸発するのを抑えます。
先に水分を与え、あとから油を重ねる順番は、この性質に沿った流れです。化粧水、美容液、乳液、クリームの順がこれにあたります。ただし、実際の乳液やクリームは水と油の両方を混ぜ合わせた形のものが多く、順番を変えれば成分が深く届くというものではありません。化粧品が働くのは角層までです。
迷ったら、さらっとしたものが先、こってりしたものがあとと覚えておけば大丈夫です。
美容液やパックは、化粧水のあと乳液の前が多い
美容液やパックが加わると、どこに入れるか迷う人は多いと思います。美容液やパックは、化粧水のあと、乳液の前に入れる説明がよく見られます。水分の多いものから油分の多いものへ、という考え方の中に入れると、この位置になるからです。
よく見られるのは、洗顔のあと最初に化粧水を使い、乳液やクリームはそのあとに使う流れです。クリームは乳液のあと、最後のほうに使います。
一方で、洗顔のすぐあとに乳液を使い、そのあとに化粧水、美容液かクリームと続ける製品もあります。この使い方では、乳液は肌をやわらかくする役目、化粧水は肌を整える役目と位置づけられています。どちらが正しいということではなく、製品ごとに想定している順番が違うのです。
美容液やパックの位置は製品ごとの違いが大きいので、手持ちの製品の説明を先に確かめておきましょう。
朝は、最後に日焼け止めを塗ってから外に出る
朝のスキンケアが夜と違うのは、最後に日焼け止めを加えるところです。日焼け止めは、外に出る前に肌をおおっておくものだからです。
夜は乳液やクリームで終わり、朝だけ最後に日焼け止めを足します。
あと
美容液
クリーム
止め
スキンケアの流れの中では、乳液やクリームのあと、朝だけ最後に日焼け止めを使う説明があります。十分な量をむらなくのばし、2〜3時間おきを目安に、状況を見て塗り直すことがすすめられています。量や塗り直しのくわしい目安は、日焼け止めの塗り方で解説しています。
夜は日焼け止めを使わないので、夜の流れは乳液やクリームで終わりです。
AHAやレチノールは、紫外線との関係で夜に回す
AHAやレチノールを夜に回すのは、どちらも紫外線との関係に気をつけたい成分だからです。
AHAは、肌を日光に敏感にし、日焼けしやすくすることがある成分です。アメリカの食品医薬品局は、AHAを含む化粧品に、使っている間とやめてから1週間は日焼け止めを使い、服で肌をおおい、日光に当たるのを控えるよう伝える注意表示をすすめています。日本の基準ではありませんが、AHAを夜に回す理由のひとつです。
レチノールやパルミチン酸レチノールのようなレチノール類は、紫外線を浴びると分解しやすい成分です。医薬品では、レチノールの仲間の薬のうち、トレチノインはアメリカで1日1回夜に、ニキビの塗り薬のアダパレンは日本で1日1回洗顔後、就寝前に使うよう指示されています。
ただし、化粧品のレチノールを夜に使うよう定めた公的な決まりはありません。医薬品の使い方を化粧品にそのまま当てはめることはできず、夜に回すのは、光で分解しやすい性質や紫外線への注意を考えた使い方です。製品に使う時間が書かれていればそれに従い、ほかの成分と重ねるときの注意は成分の組み合わせで確かめましょう。
紫外線と相性のよくない成分は夜、朝は日焼け止め、と分けて考えるとわかりやすいです。
次を塗るまでの時間は、製品の説明に合わせる
化粧水のあと何分待ってから乳液を塗ればいいのか、気になりますよね。待ち時間は、時間を空けるよう書かれた製品があれば、その説明に合わせれば十分です。待ち時間について、公的な目安はないからです。
決まった分数にこだわるより、製品の説明を確かめることを優先しましょう。
まとめ
- スキンケアの順番に国や業界団体の決まりはなく、製品の使い方の説明に従うのが基本です
- 説明がなければ、水分の多いものから油分の多いものへ。あとから重ねた油が、角層の水分の蒸発を抑えます
- 美容液やパックは化粧水のあと、乳液の前に入れる説明が多く、乳液を先に使う製品もあります
- 朝は最後に日焼け止めを塗り、外に出る前に。2〜3時間おきを目安に塗り直します
- AHAやレチノールを夜に回すのは紫外線との関係から。化粧品のレチノールを夜と定めた決まりはありません
手持ちの製品の説明を一度読み直しておくと、朝も夜も迷わずに重ねられます。
よくある質問
スキンケアの順番に決まりはありますか?
国や業界団体が定めた決まりはありません。製品の使い方の説明に順番が書かれていれば、それに従うのが基本です。
化粧水と乳液はどちらが先ですか?
洗顔のあとに化粧水、そのあとに乳液という流れがよく見られます。ただし洗顔のすぐあとに乳液を使う製品もあるので、製品の説明に合わせます。
美容液やパックはいつ使いますか?
化粧水のあと、乳液の前に使う説明がよく見られます。位置は製品ごとの違いが大きいので、手持ちの製品の説明を先に確かめます。
朝と夜のスキンケアは何が違いますか?
朝は最後に日焼け止めを塗るところが違います。日焼け止めは外に出る前に塗り、2〜3時間おきを目安に塗り直します。
レチノールは夜に使ったほうがいいですか?
化粧品のレチノールを夜に使うよう定めた公的な決まりはありません。ただ、レチノール類は紫外線で分解しやすく、医薬品のレチノールの仲間は夜や就寝前に使うよう指示されています。
この記事で参照した情報
- 日本化粧品工業会「化粧品を使うときに注意していただきたいこと」
- 花王 スキンケアナビ「上手な保湿ケア」
- コーセー「今さら聞けない乳液のあれこれ」
- アルビオン「ALBION MILK GUIDE」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「保湿」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「エモリエント」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「油性原料」
- 日本化粧品工業会 用語集「保湿とエモリエント」
- 環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」(2020年3月改訂版)
- 日本化粧品工業会「紫外線防止の基本」
- U.S. FDA. Guidance for Industry: Labeling for Cosmetics Containing Alpha Hydroxy Acids (2005)
- U.S. FDA. Alpha Hydroxy Acids (2022)
- Tolleson WH, et al. Photodecomposition and Phototoxicity of Natural Retinoids. Int J Environ Res Public Health 2005;2(1):147-155
- RETIN-A MICRO(トレチノイン)米国添付文書(2017年10月改訂)
- ディフェリンゲル0.1%(アダパレン)添付文書(2023年1月改訂)
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