この記事でわかること
- 日焼けが、赤くなるものと黒くなるものに分かれる理由
- 焼けたあとの手当てと、皮膚科に行く目安
- 黒くなった肌とアフターサン化粧品の役割
うっかり日焼けして肌が赤くヒリヒリすると、冷やせばいいのか、何か塗ったほうがいいのか迷いますよね。
結論から言うと、まずはなるべく早く、冷たい水でぬらしたタオルなどで冷やすのが基本です。赤くなる日焼けは紫外線による肌のヤケドなので、水ぶくれや腫れがあれば皮膚科を受診しましょう。まずは、日焼けのときに肌で何が起きているのかから見ていきます。
「日焼け」は、赤くなるものと黒くなるものの2つ
日本語の「日焼け」は、肌が赤くなるサンバーンと、黒くなるサンタンの2つをまとめた言葉です。同じ紫外線がきっかけでも、肌の中で起きていることも、出てくる時期も違います。
サンバーンは、紫外線を浴びて数時間後から肌が赤くなり、炎症を伴う日焼けです。主にUVBによって起こり、24時間ほどでピークを迎えたあと、少しずつ引いていきます。サンタンは、赤みが引いた数日後から肌が黒っぽくなる日焼けで、数週間から数カ月続きます。黒化やタンニングとも呼ばれます。
赤くなるサンバーンは24時間ほどでピークを迎え、黒くなるサンタンはそのあと長く続きます。
浴びる
赤くなる
黒くなる
数カ月続く
赤くなって引いたあとに黒くなる、という順番で出てくると覚えておくとわかりやすいです。
赤くなる日焼けは、紫外線による肌のヤケド
赤くなる日焼けは、紫外線による皮膚のヤケドです。紫外線が、肌の表面にある表皮の細胞を傷つけるからです。
浴びた翌日には、皮膚が痛みを伴って赤く腫れ上がります。紫外線で傷ついて死んでしまった表皮の細胞には「サンバーンセル」という名前がついていて、1週間ほどたつと、死んだ皮膚が薄い膜のようになってはがれ落ちます。日焼けのあとに皮がむけるのは、このためです。
ここでいう「ヤケド」はカタカナの日常語で、医学的な熱傷の分類の話ではありません。赤くヒリヒリするのは、表皮の細胞が傷ついたサインです。
焼けたら、まずはなるべく早く冷やす
焼けすぎたと思ったら、いちばんは、できるだけ早く冷やすことです。冷たい水でぬらしたタオルなどで冷やすと、症状が多少やわらぐからです。
ただ、冷やせば元どおりになるわけではありません。当たりすぎたときは、水ぶくれになって皮がむけることもあります。水ぶくれができた、ほかの人と比べて明らかにひどく焼けた、皮膚が腫れあがったなど、いつもよりひどい症状があるときは、皮膚科医の診察を受けましょう。
冷やしても水ぶくれや腫れが出たら、皮膚科を受診する目安です。
冷やす
見る
腫れが出る
受診する
焼けたあとにできることは、冷やすことと、ひどいときに受診することです。だからこそ、焼く前の日焼け止めの塗り方のほうが、できることは多いのです。
黒くなるのも、肌が傷ついたしるし
肌が黒くなると守られたように感じますが、黒くなること自体が、皮膚が傷ついた結果起こる反応です。黒くなる正体は、紫外線を浴びて増えたメラニンです。
色を黒くするためにわざわざ紫外線を浴びるのは、皮膚に余分な傷を負わせることになります。長い目で見た影響は「光老化」と呼ばれます。年齢とともに体の働きが衰えていく自然老化とは違い、光老化は長年浴び続けた紫外線による慢性の傷で、皮膚の老化を早めます。お腹やお尻のように日光にほとんど当たらない部分の変化が自然老化で、光老化とは区別されています。
紫外線は、細胞の中の遺伝子の本体であるDNAにも傷をつけます。細胞には傷を直す働きがありますが、長年くり返し傷つけられるうちに、直し間違いが起こることがあります。
黒く焼けるのは「守られた」ではなく「傷ついた」しるし、と考えておきましょう。
アフターサン化粧品は、焼けたあとの肌の手入れに使うもの
アフターサン化粧品は、紫外線を浴びたあとの肌の手入れに使う化粧品です。ただ、焼けたあとの肌を元に戻すものではありません。
アフターサン製剤とも呼ばれ、一時的な赤みに向けては、酸化亜鉛などを配合したカーマインローションや水性のジェル製品が、水分が減った肌には保湿のためのローションなどが使われます。酸化亜鉛は、白い顔料としても、紫外線を散らす成分としても使われる成分です。
化粧品の効能として書けるのは、「日やけを防ぐ」「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」です。医薬部外品でも「日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ」までで、どちらも「防ぐ」の範囲です。
焼く前の対策の目安には、気象庁のUVインデックスがあります。紫外線が体に及ぼす影響の度合いをわかりやすく示すために、紫外線の強さを指標にしたもので、季節や地域によって値は変わります。
アフターサン化粧品は、冷やしたあとの肌をうるおす手入れの1つ、と考えると使いやすいです。
まとめ
- 「日焼け」はサンバーン(赤くなる)とサンタン(黒くなる)の2つをまとめた言葉です
- 赤い日焼けは数時間後から現れ、24時間ほどでピーク。黒い日焼けは数日後から現れ、数週間〜数カ月続きます
- サンバーンは紫外線による皮膚のヤケドです。なるべく早く、冷たい水でぬらしたタオルなどで冷やします
- 受診の目安は水ぶくれ・ひどい日焼け・皮膚が腫れあがるなどです
- 黒くなるのも皮膚が傷ついた結果起こる反応で、アフターサン化粧品の効能も「防ぐ」の範囲です
焼けたあとにできることは、思っていたより少ないかもしれません。だからこそ、焼く前の日焼け止めを習慣にしておくと安心です。
よくある質問
日焼けしたらまず何をすればいい?
なるべく早く、冷たい水でぬらしたタオルなどで冷やします。冷やすと症状は多少やわらぎますが、元どおりになるわけではありません。
日焼けで皮膚科に行く目安は?
水ぶくれ、ほかの人と比べて明らかにひどい日焼け、皮膚が腫れあがるなどの症状があるときです。いつもよりひどいと感じたら、皮膚科医の診察を受けましょう。
赤くなる日焼けと黒くなる日焼けの違いは?
赤くなるのがサンバーン、黒くなるのがサンタンです。サンバーンは紫外線による皮膚のヤケドで、数時間後から現れて24時間ほどでピークになります。サンタンは数日後から現れ、数週間から数カ月続きます。
黒く焼ければ肌は守られている?
いいえ、黒くなること自体が、皮膚が傷ついた結果起こる反応です。色を黒くするためにわざわざ紫外線を浴びると、皮膚に余分な傷を負わせることになります。
アフターサンの化粧品で、焼けた肌は元に戻る?
元に戻すものではありません。化粧品に書ける効能は「日やけを防ぐ」など「防ぐ」の範囲で、医薬部外品でも「日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ」までです。
この記事で参照した情報
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「サンバーン」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「サンタン」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「日焼け」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「紅斑」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「サンバーンセル」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「アフターサン化粧品」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「紫外線」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「光老化」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「自然老化」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「日焼け止め化粧品」
- 環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」(2020年3月改訂版)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「日焼け Q4 日焼けはどうして起こるのですか?」
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「日焼け Q5 光老化は普通の老化とどう違うのですか?」
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「日焼け Q7 なぜ紫外線でガンができるのですか?」
- 厚生労働省医薬食品局長通知「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)
- 日本化粧品工業会「化粧品等の適正広告ガイドライン」
- 気象庁「UVインデックスとは」
この記事が入っているテーマ別まとめ