この記事でわかること
- リードルショットのチクチクの正体
- 100・300・700の数字の意味と成分表での名前
- 研究でわかっていることと使う頻度の違い
塗るとチクチクする美容液として話題のリードルショットですが、100・300・700の数字で何が違うのか、あのチクチクの正体は何なのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。
チクチクのもとは、海綿という生き物の骨のかけらなどからできた、とても細かいとがった粒です。数字はその粒の量で分けた段階で、大きいほど刺激の強いものと受け取るのが無難です。
チクチクのもとは、海綿の骨のかけらなどからできたスピキュールという粒です。
チクチクのもとは、海綿の骨片からできた粒
リードルショットは、韓国のVTが2023年に発売した美容液のシリーズで、日本でも同じ年の7月から店頭で売られています。チクチクのもとになっているのは、スピキュールと呼ばれる細かい粒です。スピキュールは海綿という生き物の骨のかけらで、ケイ素をふくむシリカという硬い無機物でできており、両端がとがった細い棒のような形をしています。研究で使われた骨片の大きさは、長さ約0.12mm、太さ約0.007mmほどです。
100・300・700は、粒の量で分けた段階
VTは2023年に日本で発売したとき、この数字を粒の配合本数として示していました。100は9万5000本、300は23万7500本、700は57万本です。ただし、この本数が容器1本あたりなのか1回分あたりなのかは示されておらず、100・300・700という数字と本数がどう対応しているのかも明らかにされていません。
100・300・700の数字と、VTが示した粒の配合本数。
そのため、数字は粒の量で分けた強さの段階と受け取るのが安全です。シリーズには、50や、気になる部分に使う1000という数字の製品もあります。
成分表では「シリカ」か「加水分解カイメン」
日本の公式サイトに載っているリードルショット100・300・700の全成分では、チクチクのもとは「シリカ」と表示されています。注記では、スクラブとしての役割が添えられています。一方で、2024年に出たシカナチュラルリードルSや一部の商品説明では、「加水分解カイメン」という名前になっています。製品や時期によって表示が違うことがあるので、手元の製品はパッケージの全成分で確かめるのが確実です。
成分表での名前。シカリードルは成分名ではありません。
よく目にするシカリードルは、成分の名前ではありません。VTが独自に付けた商標で、ツボクサエキスとシリカを組み合わせたものを指すため、全成分の欄には出てきません。
研究はほぼ試験管と動物での話
研究では、精製した骨片をブタの皮膚や動物の皮膚にすり込むと、角層に小さな通り道がたくさんできたと報告されています。ある研究では、通り道は1平方ミリメートルあたり約850個で、120時間ほどかけて少しずつ閉じました。骨片そのものも少なくとも2〜3日は皮膚にとどまり、そのあいだにほかの成分が入りやすくなったとされています。動物での刺激の試験では、赤みはごくわずかで、皮膚は時間とともに元に戻りました。
研究でわかったこと。研究用の骨片をブタの皮膚や動物に使った結果です。
ヒトの顔で比べた試験は、化粧品ではなく、医薬品として開発中のニキビの薬で行われています。この薬は海綿の骨片の粉を3%の過酸化水素と混ぜ、週1回顔に塗って10〜15分後に洗い流すもので、中等症から重症のニキビの181人を12週間比べた試験では、治療に関係する重い有害事象は起きませんでした。リードルショットのような市販の化粧品を、使わない場合と比べたヒトの試験の論文は、まだありません。
使う頻度の案内は、日本と韓国で違う
使う頻度の案内は、日本と韓国の公式サイトで違います。日本では、100・300・700はどれも毎日使えるとしたうえで、300は3日に1回、700は週1回というのは使い方の一例だとしています。一方、韓国の公式サイトでは、100は毎晩、300は3日ごと、700は週1回、1000は7日に1回と、数字が大きいものほど間隔をあけるよう案内しています。日本とグローバルの公式サイトでは、数字の違うものを同時に使わないよう求めています。
日本と韓国の公式サイトの使う頻度の案内と、使うときの注意。
注意書きでは、傷やはれもの、湿疹のある部分には使わないこと、目に入ったらすぐに洗い流すこと、赤みやはれ、かゆみ、刺激が出たら使うのをやめて皮膚科に相談することが挙げられています。美容機器と一緒に使うことや皮膚科の施術の直後も避けるよう案内があります。韓国の公式サイトでは、アレルギーが出やすい肌や敏感肌の人は狭い範囲で試してから使うこと、使ったあとに日差しを浴びるときは日焼け止めを使うことも求めています。
レチノールやピーリングのように刺激を感じやすいケアと同じ日に重ねると、刺激が重なることも考えられます。VTは自社の製品どうしは一緒に使えるとしたうえで、手首や耳の裏で少量を試してから使うよう案内しています。
「医療と同じ」「毛穴が小さくなる」とは言えない
リードルショットは、医療のマイクロニードリングと同じものではありません。研究で比べたのは、研究用に精製した骨片と医療用のローラー器具で、市販の美容液ではありません。韓国の食品医薬品安全処は2024年に、針などを使って成分を届ける製品は化粧品に当たらないとし、2025年には針やマイクロニードルを思わせる使い方の表現を、化粧品広告の禁止表現に加えました。日本でも、化粧品の浸透は角層までと明記するのが広告のルールです。
よく聞く話と、研究やルールでわかっていること。
毛穴が小さくなるという言い方も、国が定める化粧品の効能の範囲にはなく、化粧品として言えるのは「肌のキメを整える」「肌をひきしめる」といった範囲です。骨片に幹細胞の培養液からとった成分を組み合わせた21人・2週間の試験で毛穴の数が減ったという報告はありますが、比べる群がなく、原料をつくる企業の研究者による報告です。
浸透100倍という話も、研究の数字とは違います。研究で示されたのはブタの皮膚で約33倍、マウスで約72倍で、どちらも研究用の骨片と目印の物質を使った条件の結果です。チクチクが強いほど効くという話も同じで、チクチクの強さと効果の大きさの関係を調べた研究はありません。注意書きでは、刺激が出たら使うのをやめるよう求めています。
まとめ
- チクチクのもとは、海綿の骨のかけらなどからできたスピキュールという細かいとがった粒です
- 100・300・700の数字は粒の量で分けた段階で、成分表では「シリカ」か「加水分解カイメン」と表示されます
- 研究はほぼ試験管と動物での話で、市販の化粧品を比べたヒトの試験はまだありません
- 使う頻度の案内は日本と韓国で違い、傷や湿疹のある部分には使わず、刺激が出たらやめます
- 医療と同じ、毛穴が小さくなる、浸透100倍、チクチクが強いほど効く、とは言えません
チクチクは効き目の目安ではありません。数字の意味と注意書きを知ったうえで、肌の様子を見ながら使ってみてください。
よくある質問
リードルショットのチクチクの正体は何ですか?
スピキュールと呼ばれる細かいとがった粒です。海綿という生き物の骨のかけらなどからでき、シリカという硬い無機物でできています。
リードルショットの100・300・700は何が違いますか?
粒の量で分けた段階です。2023年の日本での発売時、VTは100を9万5000本、300を23万7500本、700を57万本の配合と示していました。何あたりの本数かは示されていません。
リードルショットは毎日使ってもいいですか?
日本の公式サイトの案内では、100・300・700はどれも毎日使えます。韓国の公式サイトの案内では、300は3日ごと、700は週1回と、数字が大きいものほど間隔をあけます。
リードルショットのチクチクのもとは、成分表でどんな名前ですか?
日本の公式サイトの100・300・700の全成分では「シリカ」です。一部の製品や商品説明では「加水分解カイメン」の表示もあるので、パッケージの全成分で確かめてください。
リードルショットで毛穴は小さくなりますか?
そうは言えません。毛穴が小さくなるという効能は国が定める化粧品の効能の範囲になく、市販の化粧品を使わない場合と比べたヒトの試験の論文もまだありません。
この記事で参照した情報
- VT COSMETICS プレスリリース「REEDLE SHOT LINE」イオンリテールでの発売(PR TIMES 2023年6月29日)
- VT COSMETICS プレスリリース シカナチュラルリードルS(PR TIMES 2024年5月1日)
- VT COSMETICS JAPAN 公式サイト「リードルショット100」
- VT COSMETICS JAPAN 公式サイト「リードルショット300」
- VT COSMETICS JAPAN 公式サイト「リードルショット700」
- VT COSMETICS JAPAN 公式サイト Q&A「使用頻度」(2024年2月16日)
- VT COSMETICS JAPAN 公式サイト Q&A「併用」(2025年5月29日)
- VT COSMETICS JAPAN 公式サイト REEDLE S カテゴリー
- @cosme「VT リードルショット100」商品ページ
- @cosme「VT リードルショット700」商品ページ
- @cosme「VT リードルS 1000」商品ページ
- VT 韓国公式サイト 리들샷 カテゴリー
- VT 韓国公式サイト「리들샷 1000」
- VT Cosmetics グローバル公式サイト「Reedle Shot 100」
- コスインコリア(2024年5月14日)
- Zhang S, et al. Skin Delivery of Hydrophilic Biomacromolecules Using Marine Sponge Spicules. Mol Pharm 2017;14:3188-3200
- Zhang C, et al. Biomater Sci 2019;7:1299-1310
- Zhang C, et al. Pharmaceutics 2021;13(12):2119
- Eichenfield LF, et al. J Am Acad Dermatol 2023;89(5):945-951
- Lee NE, et al. Int J Mol Sci 2025;26(20):10024
- 大韓化粧品協会 お知らせ(韓国 食品医薬品安全処 化粧品政策課-3118号 2024年5月1日)
- 環境日報「化粧品 表示・広告 管理 指針」改正の報道(2025年1月21日)
- 厚生労働省医薬食品局長通知「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)
- 京都府 講演資料 日本化粧品工業会「化粧品等の適正広告ガイドライン」