この記事でわかること
- ターンオーバーで入れ替わっているものと、その流れ
- 「28日周期」と資料で数字が違う理由
- 上がっていく途中で細胞に起きる変化
「ターンオーバーは28日周期」とよく聞くけれど、資料によって数字が違っていて、どれが本当なのか迷いますよね。
結論から言うと、28日はあくまで目安です。どこからどこまでを数えるかで日数が変わり、全体では約6週間や約45日という数え方もあります。体の場所や年齢でも、速さは変わります。まずは、何が入れ替わっているのかから見ていきましょう。
ターンオーバーで入れ替わるのは、表皮の細胞
ターンオーバーで入れ替わっているのは、表皮の細胞です。表皮は厚さが平均約0.2ミリのうすい層で、その細胞の95%は、ケラチノサイトと呼ばれる角化細胞(表皮の大部分をつくる細胞)だからです。
角化細胞は、表皮のいちばん下で増え、形を変えながら上がっていき、やがていちばん外側ではがれていきます。この一連の流れがターンオーバーで、細胞が角層の細胞に変わっていくことを「角化」と呼びます。健康な皮膚では、一定のリズムでくり返されています。
ターンオーバーは、表皮の細胞が下から生まれて上で入れ替わる流れのことです。
細胞は基底層で生まれ、角層になって表面からはがれる
細胞は表皮のいちばん下の基底層で生まれ、押し上げられて角層になり、表面からはがれ落ちます。基底層では細胞分裂が起こって新しい角化細胞が生まれ、あとから生まれる細胞に下から押されるからです。
細胞は基底層で生まれ、角層ではがれ落ちます。
表皮は、下から基底層、有棘層、顆粒層、角層の4つに分けられます。細胞の重なりは、基底層が1層、有棘層が5〜10層、顆粒層が2〜3層、角層が約10層です。角層のいちばん上まで来た細胞は、少しずつ自然にはがれ落ちていきます。これが、いわゆる垢です。細胞は、基底層で生まれ、角層ではがれると覚えておきましょう。
28日は、基底層から角層までの約4週間にあたる目安
「28日」は、基底層から角層に達するまでの約4週間にあたる目安です。資料によって、どこからどこまでを数えるかが違うので、数字も違って見えるのです。
化粧品の技術者の用語集では、基底層から角層まで約4週間、角層にとどまってはがれるまで約2週間、合わせて約6週間です。皮膚科の教科書では、基底層の細胞が分裂してから表面ではがれ落ちるまでの時間を、約45日としています。どちらも、全体では6週間ほどです。
しかもこの速さは、場所や年齢で変わります。顔のように日に当たる場所では当たらない場所より速く、年齢とともに角化細胞が増える力が落ちると遅くなります。28日は目安で、誰にでも当てはまる決まった数字ではありません。
上がっていく途中で、細胞は形と中身を変える
角化細胞は、層を上がるごとに形と中身を変え、最後は核のない平たい細胞になります。層ごとに、細胞が受け持つ仕事が違うからです。
有棘層の細胞は、デスモソーム(細胞どうしをつなぐ留め具)でとなりの細胞としっかりつながっています。顕微鏡で見ると、このつなぎ目が棘のように見えるので、有棘層と呼ばれます。顆粒層の細胞の中には、ケラトヒアリン顆粒という粒と、層板顆粒という小さな袋がたくさんあります。
顆粒層のすぐ上で細胞は核を失い、平たい膜のような角層の細胞になります。角層の細胞の膜は、周辺帯というとても丈夫な裏打ちで内側から補強されています。細胞は、上がるにつれて、生きた細胞から、体を守る丈夫な膜へと変わっていくのです。
ターンオーバーの途中で、うるおいの材料もつくられる
ターンオーバーは細胞が入れ替わるだけでなく、角層のうるおいを保つ材料をつくる流れでもあります。顆粒層でためられた材料が、細胞が角層に変わるときに使われるからです。
フィラグリンが分解されて、水を抱えます。
つくる
分解する
になる
抱える
ケラトヒアリン顆粒には、フィラグリンのもとになるプロフィラグリンがたくさん入っています。細胞が角層に変わるとき、ケラチンの線維はフィラグリンとともに束ねられ、角層の細胞の骨組みになります。フィラグリンはその後、角層の中でアミノ酸などに分解され、細胞の中で水を抱える天然保湿因子になります。
層板顆粒の中身は、細胞の外に出されて、細胞のすき間を埋める細胞間脂質になります。細胞間脂質の約50%はセラミドです。角層のうるおいのしくみは、モイスチャーバランスの記事で解説しています。うるおいの材料は、ターンオーバーの途中で生まれているのです。
メラニンも、ターンオーバーにのって外へ運ばれる
表皮の中のメラニンも、ターンオーバーの流れにのって上へ運ばれ、分解されていきます。メラニンを受け取るのが、ターンオーバーで入れ替わる角化細胞だからです。
メラニンは、基底層にいるメラノサイト(メラニンをつくる細胞)でつくられ、まわりの角化細胞に渡されます。受け取った細胞が上の層へ移動するにつれて、メラニンを包んだ小さな袋は分解され、少しずつ見えなくなっていきます。くわしくはメラニンの記事で解説しています。
ターンオーバーは、表皮のいろいろな働きをつなぐ、細胞のベルトコンベアのような流れです。
まとめ
- ターンオーバーは、基底層で生まれた角化細胞が角層になり、はがれ落ちるまでの流れです
- 日数は資料で異なり、「基底層から角層まで約4週間+角層で約2週間=約6週間」「約45日」。28日は目安です
- 日に当たる場所では速く、年齢とともに遅くなります
- 細胞は上がるにつれて形と中身を変え、最後は核のない平たい角層の細胞になります
- 途中で、天然保湿因子のもとのフィラグリンや、細胞間脂質のもとがつくられます
「28日」という数字を覚えるより、基底層で生まれ、形を変えながら上がり、角層ではがれる流れと覚えておきましょう。数字は目安、流れが本質です。
よくある質問
ターンオーバーは本当に28日周期?
28日はひとつの目安です。基底層から角層までが約4週間、角層に入ってからはがれるまでがさらに約2週間で、全体では約6週間や約45日という数え方もあります。
ターンオーバーとは何ですか?
表皮の細胞が下で生まれ、上ではがれて入れ替わる流れです。表皮の細胞の95%を占める角化細胞が、形を変えながら角層の細胞になっていきます。
ターンオーバーの細胞はどこで生まれますか?
表皮のいちばん下の基底層で生まれます。基底層で細胞分裂が起こり、あとから生まれる細胞に押されて、有棘層、顆粒層、角層へと上がっていきます。
角層の細胞には核がありますか?
角層の細胞には核がありません。顆粒層のすぐ上で核を失い、周辺帯という丈夫な裏打ちを持った、平たい膜のような細胞になります。
ターンオーバーの速さは年齢で変わりますか?
年齢とともに遅くなります。角化細胞が増える力が落ちるためです。また、顔のように日に当たる場所では、当たらない場所より速くなります。
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