使い方と選び方やさしい解説

保湿クリームの選び方をやさしく解説!顔と全身の違いと成分表の見方とは?

あるコスメオタク・2026.10.07・更新 2026.10.21・使い方と選び方
肌の悩み乾燥ケア保湿

保湿クリームは、顔用と全身用、化粧品と薬用、薬局の薬までたくさんあって、何を見て選べばいいのか迷いますよね。

結論から言うと、名前よりも、化粧品・医薬部外品・医薬品という区分と、成分表の上のほうに並ぶ成分を見ると、中身の違いがわかります。そのうえで、肌に合って毎日続けられる使用感のものを選ぶのが基本です。まずは「保湿クリーム」という名前から見ていきましょう。

「保湿クリーム」は、クリームに「保湿」を付け足した名前

「保湿クリーム」は、中身の基準で分けた名前ではなく、「クリーム」という種類に「保湿」という用途を付け足した呼び方です。化粧品の表示のルールでは、商品に書く種類別名称を別表から選ぶことになっていて、皮膚用化粧品の別表にあるのは「クリーム」という名前だからです。

別表には、その例として油性クリーム、中油性クリーム、弱油性クリームが並んでいます。「保湿」は、同じ別表の備考にある、エモリエントやモイスチャーと同じ用途名称です。フェイス用やボディ用、ハンド用は使用部位名称にあたります。

用途名称には敏感肌用や乾性肌用といった肌の性質も含まれますが、「敏感肌用」が何を保証するかや、「無添加」の意味は、名前の付け方とは別の話です。名前を見たら、クリーム+用途+部位の組み立てだと読みかえると迷いません。

クリームは、水と油の両方で角層のうるおいを補う

クリームのいちばん大事な役目は、乾いた肌に水分と油分を補い、うるおいとやわらかさを与えることです。肌のうるおいは水分と皮脂の両方で保たれていて、それが洗顔や季節、体の部位によって減ると、肌は乾燥するからです。

肌のいちばん外側の角層は、表面をおおう皮脂膜、細胞の中で水を抱える天然保湿因子、細胞のすき間を埋める細胞間脂質の3つでうるおいを保っています。

角層は、皮脂膜・天然保湿因子・細胞間脂質の3つでうるおいを保っています。

角層の下の表皮 1 2 3
  1. 1皮脂膜 肌の表面をおおう、皮脂と汗の膜
  2. 2天然保湿因子 角層の細胞の中で、水を抱える
  3. 3細胞間脂質 細胞のすき間を埋めて、水分を逃がさない。約50%はセラミド

化粧品では、この3つに当たるものを、水、保湿剤、油分で補うという考え方があります。グリセリンのような保湿剤は水を抱え、油分は皮膚の表面になめらかにのびて、水分を逃がしにくくします。クリームはこの水と保湿剤と油分をまとめて含むので、1つで両方を補えるのです。

水と保湿剤でうるおいを補い、油分が表面に広がって水分を逃がしにくくします。

塗る前 乾いて、水分が逃げる 塗ったあと 油分で水分を保つ クリームの油分 角層 表皮 真皮

化粧品の効能の「皮膚の水分、油分を補い保つ」は、まさにこの働きです。乾燥が気になるときは、水と油の両方を補えるクリームが向いています。

クリームと軟膏の違いは、水を含むかどうか

クリームは水と油を乳化剤で混ぜたもので、軟膏との違いは水を含むかどうかです。クリームは、混ざり合わない水と油を、界面活性剤である乳化剤で安定した状態に混ぜ合わせているからです。

クリームは、水相の成分、油相の成分、両方を混ぜて保つ乳化剤でできていて、やわらかさや硬さを出すために高級アルコールが加えられます。油分の量によって、無油性、弱油性、中油性、油性の4つに大きく分けられます。

水と油のどちらが外側かでも分かれます。水の中に油の粒が散っているのが水中油型、油の中に水の粒が散っているのが油中水型です。一般に、水が外側の型はさっぱりして水でなじみやすく、油が外側の型はこってりして水に強い傾向があります。

塗り薬の世界では、クリームには水が含まれて油ときれいに混ざっているのに対し、軟膏には水が含まれていません。クリームが軟膏より塗りやすく、べたつかないのも水を含むからです。ただし、薬の名前に「〜軟膏」とあっても、中身はクリームのこともあります。つまり、さっぱりかこってりかは、水と油の割合と型で決まるのです。

顔用と全身用を分ける決まりはなく、部位の注意があるのは医薬品

顔には顔用を使わないといけないのか、気になりますよね。化粧品や医薬部外品では、顔用と全身用を分ける公的な規格はありません。フェイス用やボディ用は使用部位名称、つまり名前の付け方の違いだからです。

医薬部外品の効能の範囲でも、クリーム、乳液、ハンドクリーム、化粧用油はひとつの区分にまとめられています。顔用と体用で使用感や香り、硬さが違うのは製品ごとの設計の違いなので、体用を顔に使うときは製品の使い方の案内に従います。

部位の注意がはっきり書かれているのは、医薬品のほうです。市販の尿素20%のクリームの添付文書では、目の周囲、粘膜、首の回りなどのやわらかい皮膚、顔面などには使わないことになっていて、炎症や傷のある患部にも使いません。市販のヘパリン類似物質0.3%のクリームでは、顔面にある傷あとややけどのあとには使わないことになっています。

体のために買った薬を顔に使う前には、添付文書の部位の注意を読むことを覚えておきましょう。

化粧品・医薬部外品・医薬品で、箱に書ける言葉が違う

同じ保湿クリームでも、化粧品か医薬部外品か医薬品かで、箱に書ける言葉が違います。区分ごとに、認められている効能の範囲が決まっているからです。

化粧品が書けるのは、国が定める効能56項目の範囲です。保湿に関係するのは「皮膚にうるおいを与える」「皮膚の水分、油分を補い保つ」「皮膚の柔軟性を保つ」「皮膚を保護する」「皮膚の乾燥を防ぐ」の5つで、効能評価試験を行った製品だけが「乾燥による小ジワを目立たなくする」を書けます。

医薬部外品、いわゆる薬用クリームは、承認された有効成分を含み、「肌あれ。あれ性。」や、ひび・あかぎれを防ぐ、皮膚をすこやかに保つといった効能が加わります。「肌あれ」は化粧品の56項目にない言葉なので、箱に「肌あれを防ぐ」とあれば医薬部外品だと読み分けられます。

医薬品になると、効能は症状の名前で書かれます。市販のヘパリン類似物質0.3%のクリームには手指のあれ、乾皮症、小児の乾燥性皮膚、角化症、手足のひび・あかぎれなどが、尿素20%のクリームには手指のあれ、老人の乾皮症、角化症、さめ肌が並びます。乾燥の手入れなら化粧品、肌あれを防ぎたいなら医薬部外品、症状があるなら医薬品と、目的に合わせて区分から選ぶとわかりやすいです。

成分表の上位5種類で、クリームの骨格がわかる

クリームの成分表の上位に来るのは、水、グリセリンなどの保湿剤、油剤、乳化剤、高級アルコールの5種類です。化粧品の成分表は配合量の多い順に並ぶので、クリームの骨格がそのまま上のほうに出てくるからです。

水は水中油型のクリームの土台です。グリセリンは保湿作用が高く、皮膚をやわらかくしっとりさせる目的と、のびやすべりをよくする目的で使われます。油剤は肌をやわらげる役、乳化剤は水と油を混ぜて保つ役、セタノールやベヘニルアルコールといった高級アルコールはクリームに硬さを出す役です。なお、1%以下の成分は順不同で書けます。

医薬部外品では有効成分とその他の成分に分けて書かれるので、何が有効成分かはそこで見ます。市販薬には、処方薬と同じ有効成分のほかに別の成分が加えられているものがあり、人によってはかぶれることがあります。軟膏やクリームでかぶれた経験のある人は、薬局で成分がまったく同じものを選ぶのが皮膚科の勧めです。

油分の多さや水中油型か油中水型かは、成分表ではなく使用感で見分けます。成分表では上位5つで骨格を、区分の表示で有効成分を見ると覚えておきましょう。

最後は、毎日続けられる使用感で決める

区分と成分表で候補をしぼったら、最後は毎日続けられる使用感で決めます。日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎のスキンケアの解説でも、保湿剤の中から使用感のよいものを選んで1日2回塗る、というのが選び方の基準だからです。

量の目安として皮膚科で使われるのが、人差し指の先から第1関節までチューブから絞り出した量が約0.5gで、両方の手のひらに塗る量という物差しです。これは25gや50gの大きいチューブの話で、5gのチューブなら2回絞り出した量が約0.5gになります。もとは塗り薬の量を説明するための物差しですが、全身に塗ると顔よりずっと多い量を使うことの見当がつきます。

冬はクリームが硬くなるので、手のひらや手の甲で少し温めてから塗ります。

指先に
出す
冬は
温める
のばして
塗る

季節で変わるのは、クリームの硬さと使用感です。冬に気温や室温が下がると軟膏やクリームは硬くなり、硬いまま無理に塗ると皮膚に負担をかけたり、かゆみの原因になったりすることがあります。塗る前に手のひらや手の甲に取って少し温めると、すぐにやわらかくなります。夏にべたつきが気になるときは、塗り薬でも使用感を考えて軟膏からクリームに変えることがあります。

どんなによいクリームも、続けられなければ意味がありません。塗るのが心地よいと思えるものを選びましょう。

まとめ

保湿クリームは、区分と成分表で中身を見きわめたうえで、肌に合って毎日続けられる使用感のものを選ぶのが基本です。薬を顔に使うときは、添付文書の部位の注意を読んでからにしてください。

よくある質問

保湿クリームの選び方のポイントは何ですか?

化粧品か医薬部外品か医薬品かという区分と、成分表の上位に並ぶ成分を見てから、肌に合って毎日続けられる使用感で選ぶのが基本です。「保湿クリーム」は、種類別名称の「クリーム」に用途名称の「保湿」を付け足した呼び方です。

保湿クリームは顔用と全身用で何が違うのですか?

化粧品や医薬部外品では、顔用と全身用を分ける公的な規格はなく、「フェイス用」「ボディ用」は名前の付け方の違いです。使用感や香り、硬さの違いは製品ごとの設計で、体用を顔に使うときは製品の案内に従います。尿素20%の市販薬のように、医薬品には顔面に使わないと添付文書に書かれたものがあります。

保湿クリームの成分表はどこを見ればいいですか?

成分表は配合量の多い順に並び、クリームでは水、グリセリンなどの保湿剤、油剤、乳化剤、高級アルコールが上位に来ます。医薬部外品は有効成分とその他の成分に分けて書かれます。油分の多さや型は、使用感で見分けます。

保湿クリームの化粧品と医薬部外品の違いは何ですか?

箱に書ける言葉が違います。化粧品は「皮膚にうるおいを与える」「皮膚の乾燥を防ぐ」など効能56項目の範囲で、医薬部外品は承認された有効成分を含み「肌あれ。あれ性。」などの効能が加わります。箱に「肌あれを防ぐ」とあれば医薬部外品です。

敏感肌の保湿クリームはどう選べばいいですか?

「敏感肌用」は名前に使える用途名称のひとつで、中身の基準を保証する言葉ではありません。皮膚科の患者向けQ&Aでの保湿剤の選び方は、使用感のよいものを選んで1日2回塗ることです。軟膏やクリームでかぶれた経験のある人は、市販薬なら成分がまったく同じものを選びます。

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あるコスメオタクの写真

この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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