肌の悩みやさしい解説

脂性肌をやさしく解説!皮脂が多くなる原因とケアの考え方とは?

あるコスメオタク・2026.10.01・更新 2026.10.21・肌の悩み
肌の悩みテカリ・皮脂肌タイプ脂性肌ケア洗顔

おでこや鼻が、お昼にはもうテカっている。何度洗ってもすぐにあぶらっぽくなると、どうケアすればいいのか迷いますよね。

結論から言うと、脂性肌は皮脂が多く、角層の水分も多い肌で、皮脂の量は男性ホルモンや年齢、季節で決まる部分が大きいものです。洗う回数を増やすより、1日2回の洗顔と、乾くなら保湿する、が基本です。まずは、脂性肌がどんな肌なのかから見ていきましょう。

脂性肌は、皮脂が多く角層の水分も多い肌

脂性肌は、皮脂の量も、肌のいちばん外側にある角層の水分量も多い肌です。化粧品の肌タイプの分け方では、皮脂の量と角層の水分量の2つの軸で、普通肌・乾燥肌・脂性肌・乾燥型脂性肌の4つに分けているからです。

脂性肌は、皮脂の量も角層の水分量も多い右上のタイプです。

皮脂の量 → 角層の水分量 → 普通肌 水分は十分、皮脂は少なめ 脂性肌 皮脂も水分も多い 乾燥肌 角層の水分が足りない 乾燥型脂性肌 皮脂は多いが水分が不足 水分 皮脂

脂性肌は、とくに額と鼻筋で皮脂が多く、ニキビや吹き出物ができやすいこと、毛穴が比較的大きいのできめが粗く見えることが特徴に挙げられています。

一方、皮脂は多いのに角層の水分が足りない肌は、用語集では乾燥型脂性肌と呼ばれ、脂性肌とは別のタイプです。よく聞く「インナードライ」はこの状態を指す俗称で、化粧品の一般向けの説明で使われる言葉です。見かけたら、皮脂は多いが水分は少ない肌のこと、と読み替えると整理しやすくなります。

皮脂の多さには、海外の総説が示す目安の数字もあります。成人の平均は3時間あたり10cm²に1mgで、1.5mgを超えると過剰、つまり脂漏とされ、0.5mg未満だと乾燥の側になります。皮脂の測定には、くもったテープを肌に当てて、皮脂を吸った分だけ透ける度合いを光で読む機器がよく使われ、数字は測り方で変わる目安です。

自分が脂性肌か乾燥型脂性肌かは、皮脂だけでなく、水分が足りているかで見分けましょう。

皮脂が多くなる原因は、男性ホルモン・年齢と性別・季節・体質

皮脂が多いのは自分のケアが悪いから、と思ってしまう人は多いと思います。でも、皮脂の量を大きく左右するのは、男性ホルモン、年齢と性別、季節や気温、生まれつきの体質です。皮脂をつくる皮脂腺は、男性ホルモンの影響を強く受けるからです。

男性ホルモンは皮脂腺の大きさと細胞分裂、皮脂の産生を増やし、その結果として皮脂の分泌が活発になります。女性ホルモンのエストロゲンは逆に、皮脂腺の働きを抑える側です。このため皮脂の分泌は新生児期と思春期から活発になり、男性では80歳くらいまで続く一方、女性では30歳代から少しずつ減っていきます。男性の皮脂は年齢を重ねても女性より多く安定していて、女性は生涯を通じて徐々に減っていたという結果もあり、成人するころには男性の皮脂は女性の約2倍になるとされています。

女性では月経の周期でも皮脂が変わり、排卵のあとの時期に増えるとみられています。ニキビは性ホルモンの影響を受けるため、多くの女性で月経前に悪化が見られます。

季節では、顔の皮脂は夏がもっとも多かったという結果があり、春夏や湿度の高い気候で皮脂が増えるという報告は複数あります。額の皮膚の温度を上げ下げすると、肌の表面に出てくる皮脂の量が1℃あたり10%ほど変わったという結果もあります。この数字には、温度で皮脂がゆるくなって出やすくなった分も含まれています。

生まれつきの体質も大きく、一卵性の双子は皮脂の出る量がほぼ同じでしたが、ニキビの重さは違っていたという結果があります。皮脂の量は生まれつきの要素が大きい一方、ニキビは皮脂だけでは決まらないということです。

皮脂の多さは、体のしくみや季節で決まる部分が大きいと知っておくと、自分を責めずにすみます。

ストレスや食事の研究はニキビの話。食事は一律に制限しなくていい

甘いものを食べたり、ストレスがたまったりすると、皮脂が増える気がしますよね。ストレスや食事について調べた研究の多くはニキビの話で、学会も食事を一律に制限することはすすめていません。皮脂の量より、ニキビの悪化との関係が調べられてきたからです。

ストレスでは、試験前のストレスが強い時期でも、皮脂の量は休みの時期と変わらず、ストレスと関係していたのはニキビの重さのほうだったという結果があります。日本皮膚科学会の一般向けの解説でも、ストレスや睡眠不足は大人のニキビの悪化因子として挙げられています。

食事では、血糖値を上げにくい食事をとった人たちで、ニキビの数がより大きく減ったという結果があります。乳製品をとる人はニキビをもつ見込みが1.25倍だったという結果もありますが、研究ごとのばらつきが大きく、慎重に読む必要があるとされています。どちらも、ニキビを調べた結果です。

日本皮膚科学会のニキビ治療ガイドライン2023では、特定の食べ物を一律に制限することや、一律の食事指導は、推奨度C2で推奨しないとされています。学会の解説でも、食べると悪くなる人はその食べ物を控えればよく、やみくもに制限せず、バランスのよい食事を、という考え方です。

洗った直後にまたテカるのは、たまっていた皮脂が出てくるから

洗ってもすぐテカると、洗いすぎで皮脂が増えたのかと心配になりますよね。でも、洗顔のあと1時間もすればまたテカるのは、毛穴の中にたまっていた皮脂が出てくるからです。皮脂腺には、皮脂をつくる働きのほかに、毛穴の中にためておく働きと、表面に出す働きがあるからです。

洗ったあとに出てくるのは、毛穴にためていた分の皮脂です。

皮脂腺で
つくる
毛穴に
ためる
洗って
取る
またすぐ
テカる

洗って表面の皮脂を取ると、たまっていた分が出てくるので、補充が速く見えます。実際に、皮脂を取ったあとは最初の1時間に出てくる量がもっとも多く、その後は少しずつ減り、1時間ごとに取り続けても、出る速さは7時間にわたって一定だったという結果があります。頭皮では、毎日洗っても状態は悪くならず、むしろよかったという結果もあります。

洗いすぎの害は皮脂が増えることではなく、刺激のほうにあります。強くこすったり1日に5回も10回も洗ったりすると、炎症が起きてニキビが悪化するので、回数を増やす方向には進まないほうが安心です。

「脂性肌なら保湿はいらない」というのも誤解です。そもそも皮脂は悪者ではなく、肌を守る役目をもっています。

皮脂は、肌を守るためのいくつもの役目をもっています。

皮脂膜になる

汗と混ざって表面をおおう

水分を守る

逃げすぎるのを防ぐ

ビタミンE

表面まで運ぶ

皮脂は汗と混ざって皮脂膜になり、水分が逃げすぎるのを防ぎ、外からの異物が入るのを防ぎます。皮脂腺から出る皮脂はビタミンEを肌の表面まで運ぶ通り道でもあり、頬の角層の上のほうにあるビタミンEは上腕の20倍だったという結果があります。洗顔のあとに乾燥が気になる場合は、保湿用の化粧品や保湿剤を使うよう学会の解説でも勧められていて、用語集でも脂性肌は洗顔のあとに適度な水分と油分を補うとされています。

皮脂を抑える効能は、医薬部外品の表示で見る

皮脂に効く成分を探すと、いろいろな言葉が出てきて迷いますよね。皮脂を抑える効能をうたえるのは、承認を受けた医薬部外品だけです。ふつうの化粧品の効能の範囲には、皮脂やテカリを抑えるという言葉が入っていないからです。

国が効能を認めたものかどうかを表示の区分で見分けると、商品の言葉に振り回されずにすみます。

ケアの基本は、1日2回の洗顔と、乾くなら保湿

脂性肌のケアの基本は、1日2回の洗顔と、乾燥が気になるなら保湿することです。日本皮膚科学会のニキビ治療ガイドライン2023でも、ニキビのある人に1日2回の洗顔が推奨度C1で推奨されているからです。皮脂の量を減らす方法ではなく、余分な皮脂や汚れを落とすためのものです。

洗顔料をよく泡立て、手でやさしく洗い、十分な水で洗い流します。メイクをしているときは先にメイク落としで落としてから洗顔し、オイルクレンジングでも、そのあと洗顔とすすぎをすれば油は肌に残りません。

1日2回、この順で洗って、乾くなら保湿します。

よく
泡立てる
手で
やさしく
十分な水で
流す
乾くなら
保湿

洗顔のあとは、脂性肌なら適度な水分と油分を補い、皮脂は多いのに乾く乾燥型脂性肌なら、保湿効果の高い化粧水や乳液で水分を十分に補います。乳液は、ワセリンのような重いものより、スクワランやホホバ油のような軽いもののほうがかみ合います。

乾燥が気になるときの保湿剤は、ノンコメドジェニックと表示されたものがすすめられています。同じガイドラインは、ニキビ用の基礎化粧品を使うことを選択肢のひとつとして推奨度C1で推奨していて、学会の解説もノンコメドジェニックやハイポコメドジェニックと明記されたものを勧めています。ただし、その人にニキビを起こさないことまで保証する表示ではありません。

商品を選ぶときは、表示の言葉の区分も役に立ちます。ふつうの化粧品で言える効能は、厚生労働省が定める56項目の範囲で、「皮膚を清浄にする」「肌を整える」「肌をひきしめる」「皮膚の水分、油分を補い保つ」などです。「脂性肌専用」のように特定の肌向けを強調する書き方も、広告のガイドラインで認められていません。メイクの「皮脂を吸着して化粧くずれを防ぐ」は、物理的な効果として書ける言葉です。

皮膚科での扱いは、化粧品とは別の話です。海外では、飲むイソトレチノインで治療中の皮脂が約90%減る、スピロノラクトンや経口避妊薬で皮脂が減るといった報告がありますが、これは海外の治療の話です。日本のニキビ治療ガイドライン2023では、スピロノラクトンの内服は推奨しない、経口避妊薬は条件つきで使ってもよいが推奨はしない、という位置づけで、学会の解説は皮膚科専門医による標準的な治療を勧めています。

ニキビが続くときや、月経が3か月以上なくニキビの症状が続くときは、ホルモンの異常が隠れていることもあるので、皮膚科で相談してみてください。

まとめ

皮脂は、肌が自分で用意している油でもあります。なくそうとするより、出方を知って付き合う、という見方で選んでみてください。

よくある質問

脂性肌とはどんな肌ですか?

皮脂が多く、角層の水分も多い肌です。肌質は皮脂の量と角層の水分量の組み合わせで見ていて、皮脂は多いのに水分が足りない肌は乾燥型脂性肌という別のタイプです。

皮脂が多くなる原因は何ですか?

男性ホルモン、年齢と性別、季節や気温、生まれつきの体質です。皮脂の分泌は思春期から活発になり、男性では80歳くらいまで続く一方、女性では30歳代から少しずつ減ります。

洗いすぎると皮脂が増えますか?

洗った直後にまたテカるのは、皮脂腺が皮脂を増やしたからではなく、毛穴にたまっていた皮脂が出てくるからです。洗いすぎの害は、こすりすぎによる刺激と炎症のほうにあります。

ストレスや甘いもので皮脂は増えますか?

ストレスが強い時期でも皮脂の量は変わらなかったという結果があり、関係していたのはニキビの重さのほうでした。食事の研究もニキビを調べたもので、日本皮膚科学会のガイドラインは特定の食べ物の一律の制限を推奨していません。

脂性肌のケアはどうすればいいですか?

1日2回、洗顔料をよく泡立てて手でやさしく洗い、乾燥が気になるならノンコメドジェニック表示の保湿剤を使います。「油性肌」や「皮脂分泌の抑制」は医薬部外品だけが書ける効能です。

この記事で参照した情報

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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