この記事でわかること
- 角層の「レンガとモルタル」のつくり
- うるおいを保つ3つの要素と、水分・pHの変化
- 角層が入れ替わるしくみ
肌の話でよく見る「角層」という言葉、肌のどこにあって何をしている場所なのか、意外とわかりにくいと思いますよね。
結論から言うと、角層は肌のいちばん外側にある、ラップ1枚ほどの薄い層です。外の刺激から体を守り、うるおいを抱える主役で、平たい細胞と、そのすき間を埋める脂でできています。つくり、仕事、生まれ変わりの順に見ていきましょう。
角層は表皮のいちばん外側にある、ラップ1枚ほどの薄い層
角層は表皮のいちばん外側にある層で、平たくなった角層細胞が積み重なってできています。角質層と呼ばれることもありますが、同じものです。
厚さはおよそ10〜20マイクロメートル、ミリにすると0.01〜0.02ミリで、角層細胞にして15層ほどです。部位によって差があり、頬では約10層ですが、手のひらやかかとでは約50層にもなります。表皮の4つの層のうち、いちばん外側の完成形にあたります。くわしくは表皮の4層の記事で解説しています。
こんなに薄くても、角層は肌と外の世界の境目を担っているのです。
角層は「レンガとモルタル」のつくりでできている
角層は、角層細胞と角層細胞間脂質でできていて、よくレンガとモルタルにたとえられます。平たい細胞が、すき間の脂で貼り合わされた形をしているからです。
レンガにあたる角層細胞は、核を失って膜のように平たくなった細胞です。細胞膜の内側は、周辺帯(コーニファイドエンベロープ。細胞を補強する丈夫な膜)で裏打ちされています。モルタルにあたる角層細胞間脂質は、角層の重さの約15%を占め、その約50%がセラミドです。
細胞間脂質は、セラミド・脂肪酸・コレステロールがおもな成分で、すき間でシート状の層をいくつも重ねたラメラ構造をつくっています。角層の話とセラミドの話がつながるのは、セラミドが角層のすき間を埋める主な成分だからです。
角層の仕事は「守る」と「うるおいを抱える」
角層の仕事は、体を守ることと、うるおいを抱えることの2つです。
ひとつめは守る役割です。体の中の水分や栄養分が外へ逃げるのをおさえ、外からのさまざまな刺激が体の中に入りこむのを防ぎます。角層は水をほとんど通さず、大半の細菌やウイルスの侵入も防いでいます。この働きは角層のバリア機能と呼ばれます。
もうひとつがうるおいを抱えることで、角層はそれ自体が水分を含んで、やわらかさやなめらかさを保っています。角層は、守る壁であると同時に、水を抱える層です。くわしくはバリア機能の記事で解説しています。
うるおいは皮脂膜・天然保湿因子・細胞間脂質の3つで保たれる
角層がうるおいを保てるのは、皮脂膜・天然保湿因子・細胞間脂質の3つの要素が働いているからです。
角層は、この3つでうるおいを保ちます。
- 1皮脂膜 肌の表面をおおう、皮脂と汗の膜
- 2天然保湿因子 角層の細胞の中で、水を抱える
- 3細胞間脂質 細胞のすき間を埋めて、水分を逃がさない。約50%はセラミド
天然保湿因子は、肌にもともとある保湿成分をまとめた呼び名で、アミノ酸類、ピロリドンカルボン酸、尿素、ミネラル塩類、有機酸などからなります。大部分はアミノ酸とその仲間で、顆粒層でつくられたフィラグリンというタンパク質が、角層でアミノ酸まで分解されてできます。角層のアミノ酸の組み合わせは、フィラグリンのアミノ酸の組み合わせとほぼ同じです。
3つの要素は、表面・すき間・細胞の中と、それぞれ別の場所でうるおいを保っているのです。
角層の水分とpHは、下から上へ少しずつ変わる
角層の中は均一ではなく、水分とpHが、下から上へ少しずつ変わっています。角層は、体の中に近い側と外の空気にふれる側の、あいだにある層だからです。
水分は、角層の下のほうで約70%ありますが、いちばん表面では20〜30%まで減ります。pHは、下のほうでは約7ですが、表面では約4.5〜6.5と弱酸性に保たれています。
角層は、体の中の状態から外の世界の状態へ、なだらかに切りかわる層と考えるとわかりやすいです。
角層は入れ替わり続け、表面から垢としてはがれる
角層の細胞は、同じものがずっとあるのではなく、下から押し上げられて入れ替わり続けています。この入れ替わりをターンオーバーと呼びます。
細胞は下で生まれ、上ではがれ落ちます。
基底層の細胞が分裂してから表面ではがれ落ちるまでは、約45日といわれています。角層の細胞は表面から順に、いわゆる垢としてはがれ落ちていきます。
角層は死んだ細胞の集まりですが、酵素などを含み、活発な代謝が行われている層です。角層は、静かな壁ではなく、働きながら入れ替わる層なのです。
まとめ
- 角層は表皮のいちばん外側の、約10〜20マイクロメートルの薄い層。角層細胞が15層ほど重なります
- つくりは「レンガ」の角層細胞と、「モルタル」の角層細胞間脂質。モルタルの約50%はセラミドです
- 仕事は「守る」と「うるおいを抱える」。うるおいは皮脂膜・天然保湿因子・細胞間脂質の3つで保たれます
- 水分は下のほうで約70%、表面で20〜30%。pHは表面で約4.5〜6.5の弱酸性です
- 角層は入れ替わり続け、基底層で生まれてからはがれ落ちるまで約45日です
たった0.02ミリほどの角層が「守る」と「うるおす」の主役だとわかると、肌のしくみの話がぐっと読みやすくなります。
よくある質問
角層と角質層は違うもの?
同じものです。表皮のいちばん外側にある層で、厚さは約10〜20マイクロメートル、ミリにすると0.01〜0.02ミリで、角層細胞が15層ほど重なっています。
角層のうるおいは何で保たれている?
皮脂膜、天然保湿因子、角層細胞間脂質の3つです。表面の皮脂膜が水分の蒸発をおさえ、細胞の中の天然保湿因子がうるおいを抱え、すき間のセラミドなどが水分の蒸発を防ぎます。
天然保湿因子は何からできている?
大部分はアミノ酸とその仲間です。顆粒層でつくられたフィラグリンというタンパク質が、角層でアミノ酸まで分解されてできます。
角層の水分はどのくらい?
角層の下のほうで約70%、いちばん表面では20〜30%です。下から上へ少しずつ減っていきます。
角層はどのくらいで入れ替わる?
基底層の細胞が分裂してから、表面ではがれ落ちるまで約45日といわれています。角層の細胞は表面から順に垢としてはがれます。
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