成分辞典やさしい解説

保湿成分をやさしく解説!グリセリンとBGの違いとは?

あるコスメオタク・2026.09.22・更新 2026.10.21・成分辞典
肌の悩み乾燥シワ肌タイプ乾燥肌ケア保湿

化粧品でいちばんよく見る「保湿」ですが、保湿成分が肌の上で何をしているのか、グリセリンとBGはどう違うのか、わかりにくいですよね。

結論から言うと、保湿成分は肌のいちばん外側の角層で、水分を補ったり逃がさないようにしたりして、うるおいを保つ成分です。やり方は「ふたをする」「水を抱えこむ」「水をためこむ」の3つで、グリセリンとBGはどちらも水を抱えこむ型です。まずは、肌が乾燥するしくみから見ていきましょう。

乾燥は、角層が水分を保てなくなって起きる

肌の乾燥は、角層が水分を保てなくなり、うるおいが足りなくなることで起きます。角層はもともと3つの要素で水分を保っていて、このバランスが崩れると水分が逃げやすくなるからです。

角層は、この3つのバランスでうるおいを保っています。

角層の下の表皮 1 2 3
  1. 1皮脂膜 肌の表面をおおう、皮脂と汗の膜
  2. 2天然保湿因子 角層の細胞の中で、水を抱える
  3. 3細胞間脂質 細胞のすき間を埋めて、水分を逃がさない。約50%はセラミド

うるおった肌では、角層におよそ20〜30%の水分が保たれています。その水分を保つ3つの要素が、表面の皮脂膜、角層の細胞の中の天然保湿因子、細胞と細胞のすき間の細胞間脂質です。

天然保湿因子はNMFとも呼ばれ、角層の約30%を占めます。その半分以上がアミノ酸で、ほかにピロリドンカルボン酸やその塩、尿素、ミネラル塩類、有機酸やその塩などの小さな分子が含まれています。角層がどれだけ水分を保てるかという水分保持力には、この天然保湿因子が大きく関わっています。

つまり保湿の手入れは、角層がもともと持つ、水分を保つしくみを助けることです。

保湿成分は、ふたをする・抱えこむ・ためこむの3つのやり方で働く

保湿成分は、しくみで「ふたをする」「水を抱えこむ」「水をためこむ」の3つに分かれます。保湿とは皮膚の水分を「補う」ことと「逃がさない」ことで、そのやり方が成分ごとに違うからです。

保湿成分は、この3つのやり方を組み合わせて角層の水分を保ちます。

ふたをする

表面をふさいで
水を閉じこめる

抱えこむ

角層になじんで
水を抱える

ためこむ

大きな分子に
水をためる

1つめは、上からふたをするエモリエント型です。ワセリンのように、それ自体は水をためる力を持ちませんが、皮脂膜と同じように角層の上をふさぐことで中に水分をとどめます。この役割を担うのが油性成分です。

2つめは、水を抱えこむヒューメクタント型です。アミノ酸や尿素のように角層の成分となじみやすく、角層の成分と結びつきながら水分を保ちます。天然保湿因子と同じ働き方です。

3つめは高分子型です。大きな分子のため角層の成分とは結びつきにくいものの、分子そのものが水をためこみやすい性質を持っています。ヒアルロン酸がここに入ります。

製品はこの3つを組み合わせていて、化粧水のあとに乳液を重ねる意味もここにあります。

成分表で水の次に並ぶグリセリンやBGは、水を抱えこむ型の主役

成分表の上のほうで、いつもグリセリンやBGを見かけると思います。グリセリンやBGは「多価アルコール類」という仲間で、化粧品の保湿剤の主役です。水によく溶けて皮膚になじみやすく、角層の中で水を抱えるからです。

グリセリンやBGは、角層の成分となじみながら水を抱えます。

使う前 水分が足りず、逃げていく 使ったあと 角層の中で水を抱える 角層 表皮 真皮

多価アルコールは、分子の中に水となじむ部分を2つ以上もつアルコールで、化粧品の保湿剤としてもっとも広く使われています。仲間には、グリセリン、プロピレングリコール、BGと呼ばれる1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトールがあります。

成分は配合量の多い順に書かれるので、水のすぐ後ろにグリセリンやBGが並ぶのは、多く入っている保湿の主役だからです。成分表には尿素やPCAが出てくることもあり、PCAはピロリドンカルボン酸の略です。これらはもともと肌にある天然保湿因子の成分を外から足しているものです。

成分表でグリセリンやBGを見たら、角層に水を抱えさせる役だと思い出してください。

保水力ならグリセリン、さらっとした使い心地ならBG

よく並んで書かれている2つなので、どちらがよいのか迷いますよね。水を保つ力ならグリセリン、さらっとした使い心地ならBGで、どちらが上ではなく狙いが違います。

グリセリンは、炭素が3つの多価アルコールで、グリセロールとも呼ばれます。うるおいを保つ力が高いことから、肌をやわらかくしっとりさせる目的で使われます。

これに対してBGは、多価アルコールの中では湿気を吸う力が比較的おだやかで、グリセリンやジプロピレングリコールに比べると水を保つ力は控えめです。そのかわり、グリセリンよりとろみが少ないので、さらっとした軽い使い心地で、べたつきも少なくなります。プロピレングリコール、つまりPGも保湿の働きはありますが、水を引き寄せる力はグリセリンより低めです。

なお、BGは名前に「アルコール」とつきますが、お酒のエチルアルコール、つまりエタノールとは性質の違う別の成分です。皮膚への刺激性はないとされ、毒性もきわめて小さく、クリームや化粧水から歯みがきまで、幅広い製品に使われています。

しっとり感がほしいならグリセリンが多めのもの、軽さがほしいならBGが上のほうにあるもの、と使い心地で選んで大丈夫です。

保湿は、つけた直後より何時間か後で見る

つけてしっとりすれば保湿できている、と思いますよね。でも、保湿ができているかは、つけた直後より何時間か後の肌で見るのがおすすめです。保湿剤の基準は、角層の水分量を長い時間にわたって高めることだからです。

水分量が一時的に増えるだけでは、乾燥による症状をやわらげるには役立たないとされます。ふたをする型、抱えこむ型、ためこむ型のどれも、この「長い時間にわたって」が共通の基準です。

化粧品として言えるのは、「皮膚にうるおいを与える」「皮膚の乾燥を防ぐ」などの範囲です。シワについては、決められた試験をした製品だけが「乾燥による小ジワを目立たなくする」と表示できます。どちらも、角層の乾燥が出発点です。

朝つけた保湿が夕方にどうかを見ると、自分に合うかがわかりやすくなります。

保湿成分が働くのは、角層まで

広告で「浸透」と見ると、どこまで届くのか気になりますよね。化粧品の保湿成分が働くのは、角層までです。広告でも、浸透する場所が角質層であることをはっきり書くルールがあるからです。

そのため、「角質層へ浸透」「角質層のすみずみへ」のような表現は認められています。いっぽう、「肌へ浸透」のように場所をぼかした表現や、注釈で角質層と添えても肌の内部への作用をほのめかす表現は認められません。化粧品広告審査会でも、注釈で角質層と説明した表現が、肌の内部への作用をほのめかすとして不適切とされた例があります。

広告で「角質層まで」という小さな注記をよく見るのは、このためです。角層は0.02mmほどの薄さですが、うるおいを守る大事な層です。

まとめ

保湿は「水を足す」だけの話ではありません。何時間か後の肌で、自分に合うかを確かめてみてください。

よくある質問

保湿成分にはどんな種類がある?

しくみで3つに分かれます。ワセリンなどの上からふたをする型、アミノ酸や尿素などの水を抱えこむ型、ヒアルロン酸などの大きな分子が水をためこむ型です。

グリセリンとブチレングリコールの違いは?

水を保つ力ならグリセリン、さらっとした使い心地ならブチレングリコールです。ブチレングリコールは保水性がグリセリンより低いぶん、粘りが少なく、べたつきにくい成分です。

ブチレングリコールはお酒のアルコールと同じ?

いいえ、名前に「アルコール」とつきますが、お酒のエタノールとは別の成分です。肌への刺激性はないとされ、毒性もきわめて小さく、幅広い化粧品に使われています。

つけてしっとりすれば保湿できている?

つけた直後のしっとり感だけでは足りません。保湿の基準は角層の水分を長い時間にわたって高めることで、一時的に増えるだけでは乾燥の症状をやわらげるには役立たないとされます。

保湿成分はどこまで浸透する?

化粧品の「浸透」は角層までの話です。広告でも、浸透する場所が角質層であることをはっきり書くルールがあります。

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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